菱刈鉱山
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菱刈鉱山(ひしかりこうざん)とは、鹿児島県伊佐郡菱刈町東部にある日本最大の金の鉱山である。金だけではなく、銀も産出する。
菱刈町は、江戸時代において産金地であった。そのため、1970年代より金属鉱業事業団(現:独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構)が金鉱探査を行い、1981年に鉱脈を発見した。住友金属鉱山により1985年から採鉱が行われている。ここにおける産金量は年間国内産金量のほぼ全てを占めている。
菱刈鉱山における推定の金埋蔵量は、250tと推定され、これは国内の主要金山全てを合計したものを上回る大規模なものである。また、1997年には鉱山の累計産金量が国内トップ(83t)となった。
菱刈鉱山の金鉱石の特徴は、その高品位にある。通常の金鉱石の品位は、数グラム/tであるのに対し、菱刈のものは、鉱床探査の試錐において290グラム/t、鉱山の平均においても約50グラム/tと非常に高いものである。この鉱脈は、マグマの活動に伴う熱水の活動によって形成されたのではないかと推定されている。
また、従来の鉱山では、鉱内鉄道・トロッコを使用していたものを、菱刈鉱山では、鉱内において自動車を使用するなど、異なる方法が取られている。