排気ブレーキ
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排気ブレーキ(はいきブレーキ)とは、主に車両総重量3.5トン以上のトラック・バスに用いられる補助ブレーキの一種である。エキゾーストリターダーとも呼ばれる。
排気管の途中に設けられたバルブを閉めることでエンジン内の排気圧力を高め、制動力を発生させるものである。
通常のエンジンブレーキよりも強力である(約1.8倍の制動力がある)にもかかわらず、かつては排気ブレーキを使用した際に制動灯が点灯しなかったため、特に高速道路での追突事故を誘発していた。このため排気ブレーキを利用すると制動灯が連動して点灯させる車両も登場したが、今度は長い下り坂などで排気ブレーキを作動したまま走行することになり、かえって後続車の制動灯による警告効果が減少され、車間距離をつめさせる傾向が出るようになった。現在は排気ブレーキ作動時の作動灯の点灯義務は廃止されている。
なお、排気ブレーキを多用するとディーゼル排気微粒子(DEP)を多く排出するので、平坦な道路では使用しないことが望ましい。これを使用したシーンが映画「トラック野郎」シリーズに収められていて、排気ブレーキを作動させた状態でわざとアクセルペダルを踏み込み、黒煙を吹き出して追っ手を威嚇していた。これを本当の「煙に巻く」とはいえ、近年はアクセルペダルを踏んだ状態では排気ブレーキが作動しない車種がほとんどで、環境に対する意識が向上している現在では通用しない。
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