引眉

引眉（ひきまゆ）とは、奈良時代から江戸時代にかけて行われた眉の化粧法である。

共通点は、眉を剃る、又は抜くことである。

[編集] 奈良時代

眉を剃る、又は抜いたあと、細い弓形の眉を墨で描く。

眉を剃る、又は抜いたあと、元々の眉より高い位置に殿上眉という長円形の眉を墨で描く。

元々は裳着の際に、お歯黒とセットで行われたもので、平安中期頃から男性貴族、平家の武将、等の元服の時にも行うようになった。

室町時代以降は殿上眉の位置は更に高くなり、能面に写されるようになった。

江戸時代では以下に該当する女性のみの習慣となり、元服の際にお歯黒とセットで行われたものである。

江戸中期までは眉を剃る、又は抜いたあと、元々の眉を薄い墨でなぞる。江戸後期以降は眉を剃る、又は抜いたあと眉を描かない場合が多い。（演劇、浮世絵等では剃った跡を薄い青で表現する場合が多い、これを青黛と呼ぶ）

尚、お歯黒を付けても眉を剃らない場合もあり、この場合は半元服と呼ばれる。

この他、幕末から明治にかけての写真や浮世絵に、2～12才くらいの少女が、眉を剃ってるものを良く見かける。

明治中期以降はお歯黒と共に衰退し、現代では一部の演劇、祭りで見られるだけである。

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