地鎮祭
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
地鎮祭(じちんさい・とこ しずめ の まつり)は、土木工事や建築などで工事を始める前に行う、その土地の神を鎮め、土地を利用させてもらうことの許しを得る神道の祭儀である。一般には、神を祀って工事の無事を祈る儀式と認識されており、安全祈願祭と呼ばれることもある。鎮地祭、土祭り、地祭り、地祝いとも言う。
一般には、土地の四隅に青竹を立て、その間を注連縄で囲って祭場となし、斎主たる神職のもと、建築業者・施主の参列の上で執り行う。祭場の中には木の台(八脚台という)を並べ、その中央に神籬(ひもろぎ、大榊に御幣・木綿を付けた物で、これに神を呼ぶ)を立てて祭壇となし、酒・水・米・塩・野菜・魚等のお供え物を供える。また、関西などの特定の地方によっては伊勢神宮近隣の浜から砂または塩を取り寄せ、四隅に置く場合もある。祭壇の左右に、緑・黄・赤・白・青の五色絹の幟に榊をつけた「真榊」を立てる場合もある。この五色絹は五行説における天地万物を組成している5つの要素、つまり木・火・土・金・水を表している。
[編集] 地鎮祭の流れ
一般的な地鎮祭の流れは次の通りである。
- 修祓(しゅばつ)
- 祭に先立ち、参列者・お供え物を祓い清める儀式。
- 降神(こうしん)
- 祭壇に立てた神籬に、その土地の神・地域の氏神を迎える儀式。神職が「オオ~」と声を発して降臨を告げる。
- 献饌(けんせん)
- 神に祭壇のお供え物を食べていただく儀式。酒と水の蓋を取る。
- 祝詞奏上(のりとそうじょう)
- その土地に建物を建てることを神に告げ、以後の工事の安全を祈る旨の祝詞を奏上する。
- 清祓(きよめはらい)
- 土地のお祓いをし、清める。
- 地鎮(じちん)
- 刈初め、鍬入れ等が行われる。
- 玉串奉奠(たまぐしほうてん)
- 神前に玉串を奉り拝礼する。玉串とは、榊に紙垂を付けたもの。
- 撤饌(てっせん)
- 酒と水の蓋を閉じお供え物を下げる。
- 昇神(しょうしん)
- 神籬に降りていた神をもとの御座所に送る儀式。
[編集] 関連項目
カテゴリ: 神道関連のスタブ項目 | 神道