圧電アクチュエータ
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圧電アクチュエータ(あつでんアクチュエータ)とは、電圧を印加することで変位を起こす素子を用いた装置。変位の大きさを精密に制御できる特徴がある。
- ユニモルフ
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- 圧電スピーカなどに多い。薄手の圧電素子と金属板を貼り合わせた構造である。圧電素子が面内で伸び縮みすると貼り合わせた金属板の寸法はそのままであるため反りが生ずる。圧電素子に加える電圧により発生する振動や変位を利用する。
- バイモルフ
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- 2枚の圧電素子を貼り合わせた構造。比較的大き目の変位を得る場合に用いる。2枚の圧電素子のそれぞれに差動的な電圧を加えると伸縮方向が反対になるため反りが生ずる。また、圧電性の向きを変えて貼り合わせれば、一組の電極で屈曲を発生させることができる。カンチレバー構造にすると先端が変位することを利用して位置決め素子として使用できる。
- 積層型
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- 多数の薄い圧電素子を重ねたもので、単層の素子に比べて、より低い駆動電圧で大きな変位を発生することができる。伸縮型のアクチュエータが多いが、屈曲型のマルチモルフと呼ばれるアクチュエータも作製されている。
- モノモルフ
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- 傾斜組成を持たせるなどの工夫により、単板に電圧をかけるだけで曲がるようにしたアクチュエータ。ユニモルフの場合に多い接着層などに応力集中することによって特性劣化や信頼性低下が生じることが少ない。