商社金融
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商社金融とは、商社・商事会社が商品の代金支払猶予期間(サイト)を通じて実質的に金融を行うことを指す。商品を売買した際の代金支払いにはいくつかの方法があり、前払いや商品引渡時支払いの場合には猶予期間は発生しないが、例えば「月末締め翌月末払い」(月末にその月の売上をまとめて請求書を発行し、翌月末までに支払ってもらうこと)の場合であれば、月初に販売した商品であれば60日支払いを猶予していることになる(例えば4月1日に販売した商品について、請求書発行が4月末、支払は5月末となるため)。月末に販売した商品については30日の猶予となるので、平均45日間貸付(与信ともいう)をしているのと同じことになる。客先の支払が手形になる場合には、より長期にわたって与信を行うことになる。
日本的な商慣習では、客先の支払サイトが非常に長期(業界によっては月末締め翌月末振出150日手形などで半年以上)になる場合がある。そのため、商社の重要な機能の1つとして、メーカーに対しては早期に代金を支払って資金繰りを助け、客先に対しては希望通り長期の与信を行うことによって、その期間の差のリスクと金利を負担し、その代償としてマージンを得ることが一般的に行われている。
銀行など金融機関のように担保を取って現金を貸し付けるのではなく、商品の流通に基づく金融であるために、例えば特定の客先が大量・高額に商品を購入する場合はそれだけ大量の与信が発生することになり、その客先が倒産した場合多額の損失が発生する(貸倒)リスクを負うことになる。そのため、通常は客先ごとに与信枠を設定し、それを超える場合には支払サイトの短縮や前払いなどへの条件変更をしてリスクの低減を図るが、場合によっては客先から発注があり、商品も用意できるのに、与信枠がなくて売れないという事態も発生する。つまり、与信枠が低すぎればそれだけ商量を限定することになってしまう。しかし、高すぎる場合には貸倒リスクが増大するため、与信枠の設定には独自のノウハウが必要となる。