原稿用紙
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原稿用紙(げんこうようし)とは、文章を書くための用紙のことである。1字分ずつ書けるようにマスがある。いろいろな種類があるが、200字詰めや400字詰めが一般的である。小説や論文のボリュームは400字詰め原稿用紙の枚数で換算される。
紙の中央にある変わった模様(【)は「魚尾」(ぎょび)といい、古くから和書の折り目(版心)に付けられる飾り。原稿用紙によっては無いものもある。
なおイラスト・漫画を描くための用紙も原稿用紙と呼ばれる。(後述)
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[編集] 原稿用紙の書き方
論文の場合は学校(学会)指定の書式、出版社の場合は出版社指定の書式があるが、ここでは一般的と思われる縦書き400字詰め原稿用紙の基本的な書き方について列記する。
- 題名は上3マス空けとする。
- 記名は下1マス空け、姓名の間も1マス空ける。
- 記名の次に1行空けてから本文を書き始めても良い(読みやすくするため)。
- 本文は1字下げで書き始める。
- 句読点、閉じ括弧などが行頭に来ないようにする。(禁則処理)
- 句読点は、縦書きの場合は「、。」を、横書きの場合は「、。」か「,。」を使う
- 内容の区切りで適当に改行し、段落を作る。
- 段落の始まりも1字下げとする。
- 数字は縦書きの場合漢数字を、横書きではアラビア数字を用いる。
- 見出しは2字下げ、前後も1行空ければ読みやすい。
- 欧文は横書きとし、2文字分を1マスに。
- 感嘆符「!」や疑問符「?」のうしろは1マス空ける。
- リーダー(……)やダッシュ(──)は2マス分を使う。
- カギ括弧で始まる小説のセリフなどは直前で改行し、行頭の字下げは行わない。
- ふりがなは括弧内に記すか、文字右隣り余白に小さく記述する。
- 引用が長文となる場合は2字下げで書く。短い場合はカギ括弧でくくるだけでも良い。
- 出典や脚注は「(*1)」といった注記を本文の右隣り余白に記し、末尾にまとめて列記する。
[編集] 原稿用紙の主な使用者
学生や小説家などのライターが主に使用する。学生は主に、読書感想文や卒業文集、小論文などを提出するときに使う。小説家などで原稿用紙を使うものは、パソコン等が普及したため少なくなりつつある。
[編集] 漫画における原稿用紙
漫画・イラストなどの執筆に使う用紙も原稿用紙と呼ばれる。ケント紙・画用紙・模造紙・上質紙などを使う。
漫画の場合、専用の漫画原稿用紙があり、薄い水色の線(印刷に出ない)で版面やタチギリ線、トンボ等が印刷されているのが特徴。見開き用の横倍寸の物もある。あらかじめ枠線が引かれているタイプもある。
上質紙の連量110~135kgのものを使う場合が多い。原稿量が多い場合は薄い方が扱いやすいため、薄い用紙を好む人もいるが、一方で薄い用紙ではスクリーントーンの作業を行う際にトーンナイフの刃が貫通してしまうことがあるため、厚い用紙を好んでいる人もいる。
同人誌では手頃なA4サイズの原稿用紙が用いられることも多いが、商業誌の場合はB4サイズの原稿用紙を用いるのが一般的である。印刷の際は縮小されることが普通で[1]、原寸印刷は稀である。
[編集] 脚注
- ↑ 線の荒が目立たなくなる、高密度に描き込めるなどの理由