創作落語
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創作落語(そうさくらくご)とは、近年になって新しく創作された落語。
1960年代のアンツルこと安藤鶴夫の膨大な業績から生まれた「落語芸術論」に不満な若手らが、エンターテイメントとしての落語の発展系として実験落語などの試行錯誤をする中で発生したものを主流としている。この背景には大量真打により定席に出演できない二ツ目や若手真打の動きがあった。 また、都市文化としての落語の中では関東にくらべ地方色の強い関西弁というハンデを負っている上方落語においても新作に活路を見出そうとする落語家もいた事は見過ごせない。
古典落語の中にも三遊亭圓朝の作品のように比較的時代の新しいものもあり、これらも広義の創作落語と呼べる。
内容で分けた場合、江戸時代などに過去に時代設定をした、比較的古典落語に似た内容の物(擬古典)と、現代を舞台に現代人が登場する物語として作られた物とに大きく分けられる。後者は時事ネタなどを盛り込むことが多い。そのため時期を過ぎると、古典落語よりもっと古臭く感じられてしまう欠点を持つ。また、漫談と区別が付かない、単なる「枕」の延長であるといった意見や、同じ時事ネタなら漫才の方が面白いという批判もある。
作者で分けた場合、落語家が自ら新しいレパートリー開拓のために落語を創作する場合と、専門の落語作家、あるいは作家など落語家ではない人物が創作する場合がある。前者の代表には桂三枝などがあげられる。後者の代表としては桂枝雀に数多くの作品を提供した小佐田定雄や、作家の中島らも等がいる。