刻の大地

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日本の漫画作品

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『刻の大地（ときのだいち）』は漫画家夜麻みゆきの漫画作品。1996年、「少年ガンガン」（隔週刊／エニックス（現スクウェア・エニックス）刊）で連載開始、その後、2000年まで連載し、連載雑誌を「月刊少年ガンガン」から「月刊Gファンタジー」に移動。2002年の同誌3月号より奇数月号で隔月連載化するも、後に休載が続いた。2005年4月号にて、未完のまま連載終了が発表された。

[編集] 概要

異世界「オッツ・キイム」と呼ばれる世界を舞台としたファンタジー漫画。「レヴァリアース」から3年後の4996年のオッツ・キイムが舞台。魔物と心を通わせる少年、十六夜と、記憶喪失のダークエルフ、ジェンド、そして勇者ザードの親友である聖騎士、カイ。この3人が、それぞれの目的のために旅をしていく物語である。

夜麻みゆきの3作目の連載作品。しかし、数多くの伏線が回収されないまま未完となった。コミック以外に、コミックCDが2作品、OVAが全3巻で発売されている。

[編集] 主な登場人物

()はコミックCD及びOVAでのキャストとなっている。名前の由来は殆どがゲームタイトルから。作者自らが明かしたものは8人。

十六夜（いざよい）（声優：伊藤美紀）: この物語の主人公の一人。年齢13歳。性別は男。種族は人間。身長は145cm、体重は38kg。髪の色は黒、瞳の色は茶色。利き手は不明。; 迷子になり、家へ帰れなくなってしまった少年。ジェンドと二人で旅をしていたのだが、そのジェンドともはぐれてしまい、一人でいたところにカイと出会う。; 13歳とは思えないほどの幼い顔立ちと振る舞い。しかし、その純真な性格で、凶暴なモンスターとも仲良くなれてしまう。また、人の心にも大変敏感。彼の独特の雰囲気とペースは、イールズオーブァでさえも巻き込んでしまう。; 旅の目的は、ディアボロスと会って、悪いことをしないように説得すること。; 迷子になる前は、姉と二人だけで暮らしていたと言っている。しかし、住んでいた町の名前はわからないという。また、作中で訪れるまで一度も海を見たことがなかった。; 名前はゲーム由来ではなく、作者が学生時代、教科書に載っていた単語から。
ジェンド（声優：緒方恵美）: この物語の主人公の一人。年齢不明。性別は女。種族はダークエルフ（らしい）。身長は168cm、体重は49kg。髪の色は赤紫、目の色は赤。左利き。; 褐色の肌と尖った耳、その風貌からディアボロスにより絶滅させられた種族、ダークエルフの生き残りだといわれている。ジェンド本人が記憶喪失のため、真実は不明。; 十六夜が言うには、森の中で木々に守られるように眠っていたのを、十六夜に起こされたという。ジェンドという名前はその森の名前から十六夜がつけたもので、本名は不明。; 記憶が無いために感情が不安定で、それを落ち着かせるために周囲に当たるため、乱暴者と見られがちである。またそのようなことから、コミックス第5巻で女性と判明するまではカイを含め、殆どの読者から男だと思われていた（ただし十六夜は彼女が女性だと知っていた）。; カイに引けをとらない剣の実力者。また、コミックス第7巻では、サークレット「月の瞳」により、彼女自身の力と思われる魔法らしきものも垣間見られた。; 細身の剣を右腰に帯剣し、白く透明な石を持っている。顔にはキズがある。; ザードとの関係性は不明。しかし、過去に接触したことがあるようだ。; 名前の由来は桃太郎伝説の英訳（ピーチボーイレジェンドの「ジェンド」）から。
カイ（声優：関智一）: この物語の主人公の一人。年齢19歳。性別は男。種族は人間。身長は178cm、体重は63kg。髪の色は金、目の色は青。右利き。; お酒好き、歌好き、女好きetc…とかなり愉快な一面を見せる元・聖騎士。一見するとナンパなコメディアンで、軽い性格に見られがち。しかし実際は、若くして部隊長を任されるほどの才能を持った人物。そして、勇者ザードの親友。; 故郷、イセアデュッオを飛び出した彼の目的は友人の言っていた「魔物と人の共存」が本当に可能なのかを確かめるため。一人で旅をしていたが、道中、ジェンドとはぐれた十六夜を助けたことから、3人で旅を始める。パーティの保護者的存在。; 長く旅を続けているだけあって、各地に友人が多く、時折その友人とも出会ったりすることがある。魔法や「イビスの丘の物語」などにも詳しい。エストと同じ名前の女性を知っているらしい。; 名前の由来は貝獣物語から（貝＝カイ）。
ザード（声優：CD/三木眞一郎、OVA/野島健児）: この世界の重要人物。享年18歳。性別は男。種族は人間。身長は182cm、体重は68kg。髪の色は黒、目の色は茶。利き手は右（?）。; わずか7歳にして邪神竜ディアボロスを倒したといわれる勇者。ディアボロスを倒した後も、世界中を旅していた。それから10年後、ディアボロスが復活したという話を聞き、彼はもう一度ディアボロスに会いに行ったが還らぬ人となる。; とにかく謎が多く、彼に関する詳しいことは殆ど不明。唯一の家族はイリアのみ。言葉を喋る白く大きな鳥を連れていた。; 突飛な行動をとるのが日常茶飯事。そして無口で口下手で、目つきも悪いため、初めて出会ったとき幼かったカイはびーびー泣いた。; 好きなものは漬物。得意料理は目玉焼き（しかし、炭のように焦げているもの）。旅先で妙なお土産を買うことが多い（というより悪徳商人に引っかかることが多いらしい）。イリアが言うには、即興で物語を話してくれたこともあったりと、身内にはとても優しい人物だったようだ。; 主要人物たちはなんらかの形でかかわっていることが多い。; 法力国家「アドビス」には、彼を神と崇めて、祀っている神殿がある。; 名前の由来はウィザードリィの「ザード」の部分から。
エスト（声優：CD第1巻坂本真綾、CD第2巻及びOVA白倉麻子）: 人々に不幸を振りまき、悪事を働いている自称「闇の王」。年齢19歳、性別は女。種族は人間。身長は164cm、体重は50kg。髪の色は金、目の色は青。; 「闇の王」と名乗っているが、悪事の結果はいつも不幸を振りまいた相手を幸せにする結果に終わってしまっている。3年間、お付きのナッちゃん（ナガズ）と一緒に活動しているのだが、一向に成果はあがっておらず、3年間の被害件数はゼロ。実に無害な女性である。; 忘れ去られた時代の衣装を纏っており、彼女の周りは宙に浮く布が取り囲んでいる。この衣装は、耐寒耐熱性もあり、重力も自在という優れもの。なので、彼女は常にふわふわと浮いている。しかし、彼女はこの服の性能を知らずに使っていたらしい。; 彼女が宿す魔法力も相当なもので、大津波を発生させたこともある。古代語も理解できる。; ファンの間では「レヴァリアース」に出てきたとある人物ではないか、という話が幾度となく立っているが、詳細は不明。; 彼女が自らを「闇の王」と名乗る理由は現在詳しいことは不明。だが過去に、平和はあっても仕方のないもの、仲良くなどできないと思うことを体験し、そんなものがあっても仕方がない、だからそう考える自分は悪い人間なのだ、という考えに行き着いた結果が、現在の彼女になった理由だと思われる。; なんらかの理由により、ダークエルフをとても憎んでいる。そのためコミックス第５巻でジェンドの姿を見たときには、普段の彼女とは思えないほどの憎悪をあらわにした。; 名前の由来はドラゴンクエストの「エスト」の部分。
ナガズ（声優：CD第1巻原えりこ、CD第2巻及びOVA大谷育江）: エストと共に悪事を働くモンスター。どの種類のモンスターかは不明。体の色は紫色で瞳の色は赤。; 「闇の王」と名乗るエストと共に各地で災いを振りまいているのだが、その被害件数はゼロ。悪いことができないと嘆くエストを一人（1匹?）でがんばって支える健気なモンスター。愛称はナッちゃん。; 口が達者で、そのおしゃべりはドラマCDのほうでよく聞かれる。; 仲良くなどできないというエストが唯一心を開ける存在。
ナドゥ（CV：なし。CD、OVAどちらも未出演）: 第2部から登場した人物。年齢不明。性別は男。種族は人間。髪の色は白、目の色は紫。身長、体重共に不明。利き手は右。鼻と頬には赤い刺青のようなものがある。; ベトール神の名の下に、死を賭して任務を遂行する忍。1年前に魔法使いの塔より「沈黙の炎」と呼ばれる物を入手するのが彼の初任務だった。; 忍とは本来、感情を表に出さず、任務遂行を最優先としている者達だが、彼はその忍たる要素が全く見られず、むしろ明るすぎて賑やかで騒がしい性格をしている。; 戦闘の腕前はへっぽこで、いついかなる時でも場を盛り上げてくれるムードメーカー、そしてトラブルメーカー。しかし運はいいほうだ。; そんな彼だが、時折何かがきっかけとなり、バーサーカーへと変貌することがある。その時の彼には周りが見えず、ただただ、破壊行為を行うだけである。そうやって、自身の故郷も破壊し、仲間の命も手にかけてしまった。; 女好きで、カイとは愛と正義のライバル。ちなみに人の話をよく聞かないのがカイとの違い。; ザードとの関係は不明。しかし、過去に接触はあったようだ。; 名前の由来はザナドゥの「ナドゥ」の部分から。
イリア（声優：吉田古奈美）: レヴァリアースの主人公。今作での年齢は15歳（?）。性別は女。種族は人間。身長、体重共に不明。髪、目の色は紫紺色。ザードとは義理の兄妹。; 3年前、ザードの弟として兄の敵討ちの旅に出た少女。異世界へと渡った彼女は、妖精レムと共に、オッツ・キイムへと生還する。; ネツァクの神殿の鍵となる「沈黙の炎」に映し出された少女が彼女だと言われており、魔法使い、僧侶の双方は、彼女の身柄を欲している。; 普段は元気で明るく、素直でちょっと天然ボケな料理が得意な愛らしい少女。しかし3年前に起こった話になると普段の明るさは身を潜め、暗い表情をあらわにする。; レムと共にオッツ・キイムへ生還したあと、シオンの遺品を持ってアドビスへ訪れ、父である王様に遺品を渡し、その後はウリックからイリアへ戻り、二人で旅を続けていたようだ。; 三年前の出来事が影響しているせいか、見知らぬ人に名前を聞かれるたびに「自分の名前は何だと思う?」と尋ね、相手が答えた名前を自分の名前にしていた。; 格闘術は相当な腕前。また、十六夜と同じく魔物ともすぐに仲良くなれる。; 第2部でカイたちと出会い、話をするも忍達に誘拐され、その後は魔法使い達に囚われの身となる。また魔法使いたちから、勝利の神殿に祀られている聖石「翠玉」に選ばれた存在であるとも考えられている。; 名前はゲームタイトルから取ったものではないとのこと。
シオン（声優：山口勝平）: レヴァリアースに登場したアドビス国の王子。既に故人ではあるが、その後のイリアに影響を与えている人物。享年13歳。; 七天使が悪魔を倒した時に使用としたという聖石の一つ「水晶」に選ばれた存在で、異世界にも行くことができた。しかし、彼が亡くなってしまった今、この聖石の行方はわからない。; 彼が使っていたという手帳をイリアを捕らえた魔法使い達が欲しており、故人ではあるもザードと同じく重要人物となっている。; 名前の由来はエリュシオンの「シオン」の部分から。
レム（声優：金丸日向子）: イリアと共に異世界より生還した妖精。年齢は不明。性別は女。種族は妖精。身長、体重共に不明。髪と瞳の色は橙色。; 3年前、イリアとシオンに出会って旅の手伝いとして同行、イリアと共に生還した後も、独りとなったイリアを支えるべく、共に旅を続けていた。その思いは、彼女が自覚しているかはわからないが、3年前より重くてとても深いもの。; 種族柄、体が小さくて背中には羽根が生えており、空を飛んで移動する。; 性格は普段のイリアと同じく明るくて元気な。シオンとはいいケンカ仲間だった。回復と補助系の魔法を使うことができる。; 一応、イリアがボケなのでレムがツッコミ担当となっている。しかし、シオンのキレのいいツッコミにはまだ適わない。; ザードとの関係は種族の恩人。