冪集合
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べき集合(べきしゅうごう、power set)とは、 集合 S の部分集合全体のつくる集合のことである。べきは冪乗の冪(べき)と同じもので、冪集合と書くのが正確だが、一部分をとった略字としてしばしば巾集合とも書かれる。集合 S のべき集合は普通、
(ここでは 便宜上P(S) と書く)または 2S のように表記する。2S という表記は、S の要素数が n の場合、各要素数の有無の組み合わせによりべき集合の要素数が 2n 個になること、 あるいは同じことだが、S の部分集合 A とその定義関数(characteristic function、特性関数、指示関数などとも呼ぶ。)χA: S → {0, 1} すなわち
を対応づけることにより、べき集合と Map(S, {0, 1}) = {0 ,1}S が一対一に対応することによる。
[編集] 例
S = {1, 2, 3} のとき、
- P(S) = { {}, {1}, {2}, {3}, {1,2}, {2,3}, {3,1}, {1,2,3} }
で、確かに要素数は 23 = 8 である。
べき集合の基数は元の集合の基数より常に大きい。有限集合のときにはこれは当たり前である。一般の場合は、カントールの対角線論法によって示される。
[編集] 構造
べき集合は包含関係を順序として順序集合になる。(順序集合としては複体あるいは束であり、複体としては単体、束としては完備である。)
[編集] 関連項目
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