五感
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
五感(ごかん)とは、動物やヒトが外界を感知するための多種類の感覚機能のうち、古来からの分類による5種類、すなわち視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚をさす。この伝統的な分類を前提として、人間の感覚全体を指すために「五感」という表現が用いられる場合もある(「五感を鋭くする」など)。
[編集] この分類方法の起源
この五感という分類の仕方は、もともとは古代ギリシャのアリストテレスによる分類に端を発しており、それが様々な文化に引き継がれ、現在でも小学校などでも教えられており、広く通念ともなっている。ただ、最近「五感」という言葉については、感知するための機能が、障がいによって働かない人がいるという理由による差別用語だとして、教育現場では使用制限され始めている.
[編集] 実際の感覚の数
もっとも、学問的には現在では感覚には少なくとも9種類はある、と大方認められており、細かく分類すれば20余りある、とする説明もある。
触覚と呼ばれているものは、生理学的には体性感覚と呼ばれるものにほぼ相当すると思われるが、体性感覚は決して単純に皮膚の感覚を脳に伝えるものなどではなく、表在感覚(触覚、痛覚、温度覚)、深部覚(圧覚、位置覚、振動覚など)、皮質性感覚(二点識別覚、立体識別能力など)など多様な機能を含んでいる。
それ以外にも感覚には内臓感覚、平衡感覚などが存在する。
すなわち、古代ギリシャに端を発した分類とは裏腹に、実際にはヒトの感覚は5種類以上存在しているのである。
詳しくは感覚の項目も参照のこと。