丸山圭三郎
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丸山圭三郎(まるやま けいざぶろう、1933年 - 1993年)は、日本の言語学者、哲学者。日本におけるソシュール言語学研究の第一人者にして、丸山言語哲学とも呼ばれる独自の思想を打ち出した。1993年、中央大学教授として在職中に癌のため逝去。主著は「ソシュールの思想」「文化のフェティシズム」「生命と過剰」。
[編集] ソシュールの原著研究
ソシュールといえば「一般言語学講義」が有名であるが、これはソシュールの講義録をもとに身勝手な解釈を加え、ソシュールの思想を歪めたものであると丸山は言う。たとえば一般言語学講義ではシニフィアンはシニフィエよりも上位の概念であると述べられているが、ソシュールの原著から解釈すれば両概念に優劣はない。丸山は第三者が介入した書物ではなく、ソシュールの残した手稿などをもとにソシュール研究を行った。
[編集] 丸山言語哲学における関係主義
ほとんどの文化や思想は実体主義に基づいている。丸山は言語学の観点から実体主義を解体し、そこからの転回を試みる。廣松渉や大乗仏教教義における関係主義は、解体に徹し転回を怠っているという点で、丸山とは異なる。
[編集] 「生命と過剰」"三部作"構想
丸山は「生命と過剰」を三部作として構想していたことが本人によって述べられていたが、第二部執筆後に亡くなってしまったため第三部は存在しない。けれども第二部をもって第三部は必要ないほど完結しているという意見もある。