ワシントン大行進
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ワシントン大行進(ワシントンだいこうしん、The March on Washington for Jobs and Freedom)は、1963年8月28日に、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアらによって、人種差別撤廃を求める運動の一環として行われた行進で20万人以上が参加した。
この行進の最中に、キング牧師の有名な演説I Have a Dream([1])が行われた。
リンカーン大統領『奴隷解放宣言』から100年を経た1960年代になっても、アメリカでは、黒人の参政権が条件つきで認められていたことや、交通機関やレストラン、娯楽施設、学校等の公共施設でも、白人と有色人種の利用する場所を区分けする人種隔離が一般的に行われていたことなど、日常生活においても人種差別が色濃く残っており、人種差別に起因する様々な事件や社会問題も生じていた。こうした中で、キング牧師などの活動家の指導の下に、黒人たちの公民権(参政権など)獲得を求める運動が盛り上がりを見せた。
この運動は、ワシントン大行進によって最高潮に達した。キング牧師らの呼びかけに応じて、人種差別や人種隔離の撤廃を求める20万人以上の人々がワシントン記念塔広場に集まった。この大群衆を前にキング牧師が行った演説は、
- 『私には夢がある。ある日、ジョージアのレッドヒルの上で、以前の奴隷の息子達と以前の奴隷所有者の息子達が、兄弟愛というテーブルにともに付きうることを。私には夢がある。ある日、不正と抑圧という熱で苦しんでいる不毛の州、ミシシッピーでさえ、自由と正義というオアシスに変わることを。私には夢がある。私の4人の子ども達がある日、肌の色ではなく人物の内容によって判断される国に住むことを。』
などと、「I have a dream」のフレーズを何度も繰り返して人種平等社会の実現を訴えたことで知られている。
[編集] 行進に参加した人物
- アブラハム・ヨシュア・ヘシェル(ヘッシェル)
- マルコムX(オブザーバーとして参加したが、行進の意義には極めて否定的だった)
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