ロッチデール先駆者協同組合
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ロッチデール先駆者協同組合 ※注1( -せんくしゃきょうどうくみあい。英: Rochdale Pioneers Co-operative Society)とは、1844年12月21日にイギリスのランカシャー地方のロッチデール(マンチェスターに近い)(Rochdale)で創立された組合である。
- ※注1: 日本語では、ロッチデール組合、ロッチデール公正開拓者組合、ロッチデール正義の先駆者等と訳されることもある。最初の名前は、英語で The Equitable Pioneers of Rochdale(Equitableは、公正や公平)であった。<< FIX ME
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[編集] 略歴(スタブ)
産業革命のイギリスで、ロッチデールでの大ストライキに失敗し、解雇されたフランネル織物労働者たち28名(13名とも)が、ロバート・オウエン※注2の思想を奉ずる社会主義者 ※注3 の感化を受け、当時の一か月分の収入に相当する1株1ポンド ※注4 の株をもって、1844年に倉庫の一階を借りて創立した組合である。
- ※注2 ロバート・オウエン、Robert Owen1771年-1858年 の空想的な社会主義のプログラム「産業上の自由をもつ手段として、労働組合のかわりに、組合的な企業を組織すること」等。項目を参照のこと。
- ※注3 ホリヨーク(G.J.Holyyoake,1817-1906)とされる事もある。
- ※注4 週2ペンスずつ一年間、積み立てた。
[編集] 創立宣言(略)
その創立宣言には、ロバート・オウエンの思想の空想的な部分を排除し、当初の計画としては、
- 一、 組合の販売店をつくり、日用品や衣類を扱う。
- 一、 組合員の住居となる家を建てたり買い、家庭的にも社会的にも環境改善を図る。
- 一、 組合員の中の失業者や、賃金が下げられ貧困になった組合員ための職を確保する製造事業を始める。
- 一、 組合員が、その利益や安全を守るために耕せる土地を買ったり借りたりする事を進んで行う。
- 一、 組合員のための諸機関(生産、分配、教育や政治)を整える。
よって組合員や、その他の組合等、利益を同じくする者たちが、自給自足を可能にする村の建設を援助すること。
等が挙げられていた。
[編集] ロッチデール原則(略)
ロッチデール先駆者協同組合の経験から、導き出された原則で後にロッチデール原則 (協同組合原則とも)として、知られるようになったものである。
その原則とは(原則数については、後世に導き出され、時代によって異説あり)、
1. 取引は市価で行う。※1
2. 品質の純良。※2
3. 現金での販売制度。※3
4. 組合管理での組合員の平等。投票は、一人一票で委任不可の原則。※4
またその後、1850年の2月の総会での「宗教的な議論の禁止」についての議論から、
5. 組合の政治的、宗教的な中立の原則。※5
が、追加された(英語版では、その後の導き出されたものとして5つ以上あげられている)。
- ※1: そこから得た利益は購買高により組合員に配分する制度。
- ※2: 当時の社会状況は、物価が上がっても、値段を上げられないため、混ぜ物をいれるや重量をごまかすことが多かった。
- ※3: 労働者の負債をふせぐため。
- ※4: 組合員、一人一人に民主的投票権を与える。
- ※5: 組合員の信仰と思想の自由の原則。
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[編集] 設立の背景
上記のように、背景としては、ストライキの失敗による解雇にあるが、減給、日々の食料や衣類等の生活必需品の品質の悪化や取引における公正さの欠如等、労働者たちの置かれていた状況の悪化が直接的な背景であった。
最終的には、オウエンの思想の流れをくみながらも理想主義の部分を少なくした思想・主義の成功が、その後、他の協同組合に受け継がれていった。
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[編集] その他
この組合が最初に扱っていた商品は、小麦粉、砂糖、バター、オートミール、ロウソク等16ポンド11シリングで仕入れ、その後その取り扱う品目数をふやしていった。
店舗は、3年間契約で10ポンドで借りた。
組合の事務所として使われていた倉庫は現在でもロッチデールに残っており、博物館になっています。
[編集] 関連項目
- ロッチデール原則(Rochdale Principles)
- 協同組合
- 国際協同組合連盟 -- I.C.A. (International Co-operative Alliance)