リトル・ペブル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
リトル・ペブルは自らを、最後のローマ教皇ペトロ2世ロマヌスと称する、オーストラリア最大の終末カルトの指導者。本名をウィリアム・カムと言い、リトル・ペブル(リトルペブル)は自称・通称。
本人は自らをカトリック系幻視者にして次期教皇であると主張し、1985年頃、聖シャーベル修道会を始め、その後も様々な団体を創設したが、ローマ・カトリック教会はこれらの団体全てを認めていない。カトリック教会は、彼の運動に対し異端的・カルト的と評価し、2002年に司教声明を通じて公に解散を請求し、また信者に対してはこの運動と一切関わりを持たないように、世界各国で呼びかけている。
彼は、自分の妻アンナの近い将来の死を預言し、それが実現しないと見ると、一方的に妻子と別離して、1991年にベッティーナというドイツ人と再婚(教会法上は重婚)し、これを神の御旨であるとして正当化していたが、1997年に、そのベッティーナとも離婚した。
彼の活動の特徴としては、日本の沈没や、ヨハネ・パウロ2世の禅譲によるリトル・ペブル本人の教皇即位など、無数の予言があるが、これらが今までに成就したケースはなく、反対に、米国同時多発テロや、インドネシア、スマトラ沖地震、教皇ヨハネ・パウロ2世の逝去など、彼が活動して以来、世界各地で起こった大事件の殆ど全てを、彼は事前に予言できていない。これらは、多くの者が、彼の主張の信憑性を否定する根拠の一つとなっている。
また、彼の創設した組織「聖シャーベル修道会」には第三会員以上に進むには、全財産を共同体に寄付するか、家族・知人に譲ってからでなくてはいけない、とする会則があり、こちらも一般世間からカルト的とみなされる原因の一つになっている。
さらに、リトル・ペブル本人は15歳の少女への性的暴行容疑で2002年8月に逮捕された。リトルペブルは、この少女が自分の84人の神秘的な妻のうちの1人であると主張したが、2005年7月に懲役5年の有罪判決が下された。現在、オーストラリアのニューサウスウェールズ州のシルバーウォーター刑務所に服役中。