ラジヲマン
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『ラジヲマン』は、あさりよしとおの漫画作品名、また、当該作品中の主人公の名前である。なお、作品表紙ではRadioactive-Manの英字作品名が使用されている。
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[編集] 概要
ラジヲとは、放射能(Radioactive)を由来とする単語と推察されるが、それが、一般大衆にとって、不可解で、なにか恐ろしいものであるという印象をもたれている事を表すニュアンスとしてこのように表記されている。小説雑誌『グリフォン(朝日ソノラマ)』(1992年11月号~1994年 5月号 季刊)に連載されていたが、掲載誌休刊(実質廃刊)の為に手付かずのまま事実上放置され単行本も出ないまま現在に至る。
内容はラジヲマンこと桜木武士が悪の敵と闘うというものだが、ネタ的に「プルトニウムは飲める」「一次冷却水で風呂を入れる」「放射能を浴びて元気になろう」等の原子力ブラックユーモアをメインに据えたドタバタブラックギャグ漫画。
[編集] ストーリー
大体においてラジヲマンが大暴れ(?)して話自体は在って無きが如し。毎回素晴らしい原子力メカが登場する。
- 原子蚊取り機…小型原子炉内蔵で放射線で蚊を取る。ただし蚊以外(蝉、犬、鳥等)も一緒に落ちる。放射線は鉛以外は貫通するので隠れた害虫もイチコロ。
- 原子炊飯器…別名「原子ガマ」強い火力で一気に炊き上げるため、飯粒がつやつやと光り輝く。ちなみに暗くするともっと良く光る。(参考:チェレンコフ放射)
- 原子力カー『ニュートロン号』…武器内蔵(ガトリングガン等)の二人乗り六輪車。中央にある剥き出しの炉心がカッコイイ。原子の力で素晴らしい走行性能を見せるが、走行中は一次冷却水がだだ漏れ。
- 原子力ミサイル…原子力推進機構を持つミサイル。ただし、弾頭が通常弾頭であれば核兵器ではない(と、主張されている)。
- コバルトストロンチウム温泉…人工温泉。炉心の真上に湯船を設置し、原子の力でお湯を沸かす。ラジウム鉱泉(ラドン鉱泉)より強力。効能はめまい・吐き気・脱力感・歯茎からの出血・抜け毛・下痢・血尿。別名「原子力五右衛門風呂」
- 原子力犬「むつ」号…桜木の飼っていた愛犬むつが事故で死亡した為にサイボーグ化したもの。胴体内部に小型原子炉を装備し、全身の筋肉は電気パルスを送って動かす。「むつ」の通った後は花が咲き乱れ、農作物は巨大な実をつけ、仲の良かった牛からは何と牛肉が2倍も取れる子牛が生まれたという。第2話でテロリストの爆弾を咥えて原発より飛翔し爆発(放射能による死者は推定500人以上。犯人がどー見てもダイナマイトにしか見えない核爆弾を使った為と思われる)。VOL.5にて原子力ロボット犬として復活(原子力ミサイル装備・もちろん通常弾頭)したが、その後の出番は無い。
- 原子力除雪機…強力な小型原子炉のエネルギーでどんな大雪でもあっという間に消滅。使用方法は雪を直接炉心に押し当てること。因みに本当にこいつを特許出願した人間がいるらしい。
- 原子力警報機…ワイヤーに侵入者がひっかかると原子炉から制御棒が抜けて、炉心の温度上昇のために原子炉の警報機が作動するもの。要緊急停止。
- 原子力永久カイロ…普通なら捨ててしまう高レベル廃棄物を再利用してむこう数百年あたたかいスグレモノ。問題は箱に詰めて出荷すると自然発火すること。
[編集] 登場人物
- 桜木武士(ラジヲマン)…若き科学者・桜木武士は表向きは大富豪である。だが、ひとたび巷に事件があれば父の形見の原子力スーツに身を包み、科学の申し子ラジヲマンとなって正義のために戦うのだ!!「ラジヲマン」・・・それは原子の力をたくわえた未来時代のヒーローである!!目にはエックス線ゴーグル、腰には原子銃、そして胸には原子炉を装備するアトミックパワー!(本文より) ちなみに父は普通の植木屋で趣味で原子炉を製造。胸の炉心は時々開いて「叡智の光」を敵に見せつける。あとなぜか桜木には体毛が全く生えておらず、普段はかつらで過ごしている。
- 内田くん(リトル・ボーイ)…みんなのヒーロー・ラジヲマンの心強い相棒。普段は桜木の助手として働いているが、有事にはラジヲマンの相棒リトル・ボーイに変身して同行する。外見は何故か小学校なんかにある解剖模型(夜中に動き出すアレ)にそっくりな姿をしているが、この漫画で数少ない状況の判る常識人。主たる被害者その1。シメの台詞は「いい子にしてないと、君の家にもラジヲマンが行くぞ」
- ソーラー仮面…数少ないレギュラーの一人。元は科学者だったが科学に絶望し、「人間も自然の一部として生きるべき」との主張を強硬手段を使ってでも訴える悪の仮面。毎回ラジヲマンと戦ってるので、絶対に末は白血病か何かになると思われる。主たる被害者その2。
- 悪のラジヲマン…昼間は科学好きの遊び人の金さんとして情報を収集していたが、ラジヲマンとの戦いの最中に自分の新兵器「ロドン1号」の誤射により倒れる。外見はどーみても北の独裁国の例の人(金さん)でネタ的にかなりヤバメ。
- ラジヲマン2号…部下数名とともに登場。「海岸ばた歩いている原子力技術者をかっさらって国に連れ帰る(30人ぐらいかっさらって全部はずれだったらしい)」のが目的で潜入。原子力犬「むつ」をけしかけられ逃走。その後、悪のラジヲマンに叱られている。
- プルートー君…我が国日本の政府機関から派遣されている目がヤヴァめなエージェント。合言葉は「飲んでも平気」。元ネタは福井県アトムプラザのプルトくんと思われる。
[編集] 掲載記録
- 第1話「原子力の男」 グリフォン92年秋号掲載
- 番外編「ラジヲマンの秘密」 グリフォン93年冬号掲載
- 第2話「原子力犬むつ」 グリフォン93年春号掲載
- 第3話「何かありそうなトムスク7」 グリフォン93年夏号掲載
- 第4話「謎の国から来た挑戦」 グリフォン93年秋号掲載
- 第5話「懲りずに再び来た挑戦」 グリフォン94年冬号掲載
- 第6話「頼れる仲間…!」 グリフォン94年春号掲載
(以上が刊行された雑誌全てである)
[編集] 外部リンク
- リクエストが100票以上集まったため2002年に復刊交渉が行われたが、「著者のご意向」を理由に復刊不可能という結果に終わっている。
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