ヤジロウ
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ヤジロウ(ヤジロー、アンジローまたはアンジェロともいう、1511年(永正8年)頃? - 1550年(天文19年)頃?)は、資料上確かな日本人最初のキリスト教徒の一人で、聖フランシスコ・ザビエルを助けて日本で布教活動を行った。
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[編集] 生涯
薩摩(鹿児島)の出身で、もとは貿易に従事していたと考えられている。若い頃に人を殺しマラッカに逃れていたが、その罪を告白するためザビエルを訪ねてきた、とザビエルの書簡に書かれている。
一説によれば、ヤジロウは鮫島弥次郎(もしくは里見弥次郎)という名前で、もと修験道系の陰陽師であったという。
ザビエルの導きでゴアに送られたヤジロウは、聖パウロ学院でキリスト神学を学び、1548年の聖霊降臨祭にゴアの司教から洗礼を受けた。霊名は「聖信のパウロ」(パウロ・デ・サンタ・フェ)。
1549年4月19日ザビエルに従いゴアを離れ、8月15日に鹿児島に上陸。ここに日本におけるキリスト教布教の第一歩を記した。
[編集] ヤジロー(Angero)像
鹿児島が日本におけるキリスト教発祥の地であることを記念し、鹿児島市ザビエル公園(鹿児島市東千石、カトリック鹿児島カテドラル・ザビエル教会向かい)に設置。
[編集] ヤジロウ伝説
鹿児島県には、ヤジロウが身を潜めて宣教を続けていたとする伝承がいくつかある。 甑島には、同地の天上墓はヤジロウの墓であり、クロ教(クロ宗)はヤジロウの伝えた隠れキリシタン信仰であるという伝説がある。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- ヨハネス・ラウレス; きりしたん史入門; ルーベルト・エンデルレ書店; 初版 (1947)
- 村上光信(著)/門田明(監); ザビエル巡礼ガイド/鹿児島編/日本のキリスト教のルーツを訪ねて; ドン・ボスコ社; ISBN 4-88626-256-2 (1999)
- 山田尚二;キリスト教伝来と鹿児島; 斯文堂株式会社出版部; ISBN 4-88272-100-7 (1999)
- 阿部中麻呂; キリスト者から見た「陰陽道」の可能性 4; オリエンス宗教研究所 「福音宣教」58巻8号; ISSN 0910-7118 (2004)