マリオ・タイセン
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マリオ・タイセン(Mario Theissen, 1952年8月17日 - )は、BMW社のモータースポーツ部門の責任者(マネージングディレクター)で、F1のBMWザウバーチームのチーム代表である。
[編集] 経歴
ドイツ北部出身。
[編集] 初期の経歴
1971年、ドイツでも有数の工科で知られるアーヘンのリーニッシュ・ウェストフォーリッシュ技術大学に入学し、同校でエンジン設計を専攻し、1977年に博士課程を終える。その後すぐに、自動車会社のBMW社に入社し、ミュンヘン本社のエンジン開発部門で働き始めた。
博士課程を修了するため、1989年に一時職場を離れ、ボーフムのルール大学で工学博士号を得た。マイク・タイセンについて、しばしば、「博士」と敬称が付くのはこのためである。
1991年、BMW AGの新製品の開発部門の長に任命され、翌1992年には次世代の動力を開発する部門の長となった。1994年にはBMW技術社(BMW Technik GmbH)のマネージングディレクターとなり、販売営業の分野で経験を積んだ。この間、アメリカ合衆国のカーネギーメロン大学で経営管理について学んだ後、1998年にミュンヘン及びパロアルトの技術部門の管理者となった。
[編集] モータースポーツの世界へ
1999年4月にBMWのモータースポーツ部門のマネージングディレクターとなり、翌年以降のF1参戦に備え、この年BMWチームを率いてルマン24時間レースに参戦した際は、優勝を手にしている。
2000年から2005年にかけ、ウィリアムズチームにBMWエンジンを供給し、BMW側のテクニカルディレクターとしてそれに関わった。1999年以降、ゲルハルト・ベルガーとともに働いたが、2003年にベルガーがF1の世界から去って以後はタイセンが1人で指揮する形となった。
2005年半ば、BMWがF1のザウバーチームを買収したことで、2006年はBMWザウバーチームのチーム代表を務めている。
マネージングディレクターの職は、F1に限らず、BMWのモータースポーツ部門全体を統括するため、BMWのワークスチームが複数参戦している世界ツーリングカー選手権(WTCC)なども職分となる。