ポーカー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ポーカーは、トランプを使って行うゲーム(のジャンル)で、コントラクトブリッジ、ジン・ラミーと並ぶ三大トランプゲームの一つで、心理戦を特徴とする。主にアメリカでプレイされているゲームで、ギャンブルとして行われる事が多い。プレイヤー達は5枚の札でハンド(役)を作って役の強さを競う。
目次 |
[編集] ポーカーの特徴
ポーカーは、ハンドの強さを競うゲームである。相手をフォルドさせれば、ハンドの強さに関わらず勝つことが出来ることから、ブラフ(ベットすることによって弱い手を強く見せて相手をフォルドさせようとすること)に代表される心理戦の占める割合の高いゲームであるという説明がなされる場合もあるが、実際には戦術におけるブラフの要素はそれほど高くない。勝ったときの儲けを大きくし、負けたときの被害を最小にするための総合的な戦術がより重要である。また、他のプレイヤー達の仕種、表情、賭けたチップの枚数等から他のプレイヤー達のハンドの強さを予想し、自分の賭けるチップの枚数を決める。このゲームでは相手を惑わす為に、わざと驚いて見せたり、嘘(いわゆる口三味線)をついたりする事が認められているが、実際のゲームにおいては相手の表情などを読んで自分のアクションの判断にする場面も、巷間信じられているほどには多くない。
[編集] 共通ルール
以下ではほとんどのポーカーに共通するルールを説明する。
使用するものは、トランプ一組52枚、ポーカーチップ。
通常はジョーカーは使わない(ワイルドポーカーの項を参照)。
[編集] ポーカー・ハンド
ポーカー・ハンドは5枚の札からなる。弱い順に説明する。
名前 | 定義 | 例 | 確率 |
---|---|---|---|
ノーペア | 下記以外 | A, 9, 8, 7, 5 | 1/1.995 |
ワンペア | 同一ランク(数字)のカード2枚のペア一組(残り3枚は何でもよい)。 | 9, 9, A, 8, 5 | 1/2.366 |
ツーペア | 同一ランク(数字)のカード2枚からなるペアが二つ(残り1枚は何でもよい)。 | 9, 9, 5, 5, A | 1/21.0 |
スリーカード | 同一ランク(数字)のカード3枚(残り2枚は何でもよい)。 | 9, 9, 9, A, 7 | 1/47.3 |
ストレート | 5枚のカードのランクが連続していること(スートは何でもよい)。 | 8, 7, 6, 5, 4 | 1/255 |
フラッシュ | 5枚全てが同じスート(ランクは幾つでもよい)。 | K, 10, 9, 6, 2 | 1/509 |
フルハウス | ペア一組とスリーカード | 5, 5, 5, 8, 8 | 1/694 |
フォーカード | 同一ランク(数字)のカード4枚(残り1枚は何でもよい)。 | 5, 5, 5,5, 8 | 1/4165 |
ストレートフラッシュ | ストレートでかつフラッシュ。 | 8, 7, 6, 5, 4 | 1/72193.3 |
ロイヤルフラッシュ(下記注意事項参照) | 10・ジャック・クイーン・キング・エースの組み合わせでかつフラッシュ。 | 10, J, Q, K, A | 1/649740 |
(ファイブカード) | ワイルドカードがあるゲームのみ。 同じランク(数字)のカード4枚とワイルドカード1枚 |
5, 5, 5,5, Wild. | - |
- (注:確率は、ワイルドカード無しの52枚のデックからランダムに5枚カードを引いたときのもの。)
なお、ハンドには別名がある。
ジョーカーを含まないAから始まるストレートフラッシュ、すなわち同一スートのA,K,Q,J,10をロイヤルストレートフラッシュ(もしくはロイヤル・フラッシュ)といい、独立した役として扱うことがある(ストレート・フラッシュの一分類ということを理由にエースハイ・ストレート・フラッシュと称することもあるので注意されたい)。このときファイブカードがあれば、それより上位の役として扱うことが多い。
なお、スリーカード(three card)は、日本固有の呼び方であり、諸外国では通用しない。正式にはスリー・オブ・ア・カインドと呼ぶ。スリーカードのランクを含めて表現したい場合はトリプル~と言う。例えば7のスリーカードは、トリプルセブンズ(triple sevens)となる。フォーカード(four card)も同様に日本国内のみで通用する表現である。正式名称はフォー・オブ・ア・カインドである。フォーカードのランクを含めて表現したい場合は、フォー~ズと言う。例えば7のフォーカードはフォーセブンズ(four sevens)である。またクワッドともいう。
[編集] ポーカー・ハンドに関する注意
[編集] ストレートにおけるAの取り扱い
ストレート(、およびストレートフラッシュ)では、AはKとも2ともつなげる事が出来る。すなわちA-2-3-4-5もA-K-Q-J-10もストレートとみなされる。しかしQ-K-A-2-3のようにK-A-2を含むものはストレートとはみなされない。「Aは最初であり最後である」と覚えよう。
また、A-2-3-4-5のストレート(別名でWHEELやBicycleと言う場合もある)は、Aが入っているために2-3-4-5-6のストレートよりも強いと主張する者がたまにいるが、これは誤りである。WHEELはストレートの中で最も弱い、5ハイストレートであるということである。
[編集] 同一の役が出来た場合の強弱
二人のプレイヤーが同一の役を作った場合、以下のようにしてハンドの強弱を決める。
- まずハンドの「主要部」(ワンペアならペアになっているカード、スリーカードなら三枚組になっているカード)のランクの大小を比較する。
- それが同じなら、残ったカード(キッカーとも称する)のうち最も高いランクのカードを比較する。
- 以下順に二番目、三番目に高い札のランクを比べる。
- これらが全て同じ場合には、引き分けとみなされる。
引き分けになった場合は、賭けられたチップを引き分けて同着一位になったプレイヤー達で等分する。ただし、そのときに利用されているチップ単位で割れない端数が存在する場合は、当該端数については、もっとも最初にアクションを起こすべき人間(これを「ポジションの悪い人」と表現する)に与えられるというルールが一般的である。
なお、現在世界的にポピュラーとされるポーカーゲーム各種においては、カードのスートに関する比較を行うことはなく、数字のみにおいて決着を見る形となっている。日本国内で古くからある解説書やトランプに付属しているルールなどにおいては、スートを比較するという記述があるが、世界的に見れば、今日そのようなことは皆無に限りなく近い状態となっている。
[編集] ワンペア、スリーカード、フォーカードの場合
- まずペア(スリーカード、フォーカード)になっているカードのランクを比較する。
- この部分のランクも同じなら、残りのカードのうち最も高い札のランクを比べる。
- 以下順に二番目、三番目に高い札のランクを比べる。
- これらが全て同じ場合には、引き分けである。
例:AA875>KKA32>KKQ85>KKQ76。
[編集] フルハウスの場合
- まずスリーカードになっているカードのランクを比較する。
- 次にペアになっているカードのランクを比較する。
- これらが全て同じ場合には、引き分けである。
注:ワイルドカードを用いないゲームの場合は、スリーカード側が同一になることはあり得ないため、スリーカードの比較で決着が付く。ただし、コミュニティカードが存在するゲームを除く。
[編集] ツーペアの場合
- まず二つのペアのうちランクが高いほうのペアのランクを比較する。
- 次に残ったペアのランクを比較する。
- 次にペアになっていないカードのランクを比較する。
- これらが全て同じ場合には、引き分けである。
[編集] フラッシュ、ストレート、ストレート・フラッシュ、ノーペアの場合
- 最もランクが高い札のランクを比較する。
- 以下順に二番目、三番目に高い札のランクを比べる。
- これらが全て同じ場合には、引き分けである。
注:ストレートやストレートフラッシュの場合最もランクが高い札のランクが二人のプレイヤーとも同じならそれ以下のランク札も同じなので、それ以下の札を比べるまでもなく引き分けである。
[編集] ディーラー
ディーラーに関するルールは、カジノゲームとホームゲームとで異なる。
カジノでは、カジノ側に雇われた専属のディーラーが各ポーカーテーブルに一人ずついて、このディーラーが全てのゲームでカードを配る。
それに対しホームゲームでは、プレイヤーの一人がディーラーを兼ねる。どのプレイヤーがディーラーになるのかに関して決まったルールは無いが、通常は次の2通りのいずれかの方法でディーラーを決める。
- 前のゲームにおけるディーラーの左隣の人が次のゲームのディーラーになる。
- 前のゲームの勝者が次のゲームのディーラーになる。
どのルールでディーラーを決めるのかは、プレイヤー間で事前に話し合って決める。
またフロップ(コミュニティ・カード)・ポーカーでは、カードを配り始める基準、及び強制ベットを行わせる基準として「DEALER」と記されたプレートをゲーム毎に時計回りで動かして使用することが多い(このプレートのことを「ディーラー・ボタン」とも称する)。
[編集] フォルド
ポーカーでは、プレイヤーはゲーム中の任意の時にゲームから降りる(フォルドする、あるいはダウン、ドロップするとも表現する)事ができる。フォルドしたプレイヤーはそのディールで負けたものとみなされる。
ディールに参加しているプレイヤーで、まだフォルドしていないプレイヤーの事をアクティブ・プレイヤーと呼ぶ。以後そのディールはアクティブ・プレイヤーのみで行われる。
フォルドの際そのディールで賭けたチップを取り戻す事はできない。フォルドしたプレイヤーがそのディールで賭けたチップはそのまま残しておき、ディールの最後にそのディールの勝者がそのチップを得る。例:25点をBETした後に相手からRAISEが入った結果降りた場合、最初のBETである25点分のチップはポットに入る。
[編集] チップの種類
チップの種類と、その価値はプレーヤーの間で任意に決めれば良く特にルールはないが、複数の価値のチップを用意することが便利である。海外カジノにおいては、白=1, 赤=5, 緑色=25、黒色=100という単位である場合が多いので、この色と価値を援用する場合も多い。
[編集] ポット
ポーカーではテーブルの中央付近を、賭けたチップを置く場所として使う。このチップを置く場所をポットと呼ぶ。
プレイヤー達は、ポットの中で自分に近い場所に、他のプレイヤーが賭けたチップと区別がつくように、賭けたチップを置く。
各ディールの最後に、そのディールの勝者が受け取る時を除いて、プレイヤー達は一度賭けたチップを再び手もとに戻す事はできない。
[編集] アンティ
プレイヤー達は全てのディールに参加する必要は無い。ゲームに参加する意思のあるプレイヤーは、ディールの初めにポットに数枚のチップを置く。このチップをアンティと呼ぶ。
アンティに関するルールは、ホームゲームとカジノゲームとで異なる。
ホームゲームの場合、アンティとして置くチップ枚数は事前にプレイヤー間で相談して決めておく(通常はチップ1~2枚)。アンティとして置かれたチップはそのディールの勝者が獲得する。
カジノゲームの場合、アンティとして置くチップ枚数はカジノ側が事前に決めている。アンティとして置かれたチップはディーラーが獲得する。カジノにおけるポーカーゲームで、ゲーム主催者であるカジノ側が得る収入はこのアンティだけである。アンティ以外のチップはプレイヤー間で奪い合う。
トーナメント方式を取っている場合は、アンティが存在しないこともある(ブラインド・ベットの項も参照)。
[編集] ベット
ポーカーではゲーム中、何度かベット(賭け)をする為の期間がある。その各々の期間をベッティング・インターバル(あるいはベットラウンド)と呼ぶ。各ベッティング・インターバルは次のように行う。
ベッティング・インターバルはいずれかのプレイヤー(ホームゲームではディーラーの左隣りのプレイヤー)から開始し、左周りに行われる。
各ベッティング・インターバルはオープニングベット以前と以後とに分かれる。
オープニングベット以前では、各アクティブ・プレイヤーは自分の番が回ってきたら次のいずれかの行動を取る。
- チェックする。
- フォルドする。
- オープニングベットをする。
チェックとはその回のベットをパスする事である。
チェックをするプレイヤーは「チェック」と宣言する代わりにテーブルを軽く2・3回叩いても、チェックの意思を表す事ができる。多くのカジノでは、プレイヤーがチェックする事を認めていない。チェックは主にホームゲームの場合に使用されるルールである。
フォルドは前述のようにゲームから降りる事を意味する。
オープニングベットとは、ポットに数枚のチップを賭ける事である。
全員がチェックした場合は、そのディールは流れる。プレイヤー達は札を回収して次のディールを開始する。流れたゲームでポットにつまれたチップはそのままにしておく。ポットのチップは次のゲームに持ち越され、次のディールの勝者が、ポットにある前回の分と今回の分の両方のチップを受け取る。
オープニングベットが行われた後では、各アクティブ・プレイヤーは自分の番が回ってきたら次のいずれかの行動を取る。
- コールする。
- レイズする。
- フォルドする。
アクティブ・プレイヤーは、自分の番が回ってきたら前のプレイヤーと同額もしくはそれ以上の金額をかけるかフォルドするかしなければならない。
前のプレイヤーと同額のチップを賭ける事をコールと呼び、賭ける金額を吊り上げる事をレイズと呼ぶ。
ベッティング・インターバルは、全てのアクティブ・プレイヤーがコールするまで何周もする。全てのアクティブ・プレイヤーがコールしたらベッティング・インターバルは終わりである。
[編集] ブラインド・ベット
フロップ(コミュニティ・カード)・ポーカーでは、上記のアンティを徴収しない形でプレイを行うことが多いが、これでは勝負にならない手を全て降りるという選択が用意されてしまうため、先述のディーラー・ボタンが置かれたプレイヤーから時計回りに2名が、それぞれ1ユニット、2ユニットのチップを強制的に(カードを配る前に)賭けさせられるという決まりが存在する。このときのベットを、「ブラインド・ベット」と言う。
ただし、ブラインド・ベットがあったからといって、アンティがかならず存在しないということはなく、アンティとブラインド・ベットを併用した形のゲームも可能であり、存在する。
[編集] ベットの上限
ゲームが青天井にならないように、通常はオープニングベットおよびレイズの上限値を事前に決めておく(キャップとも言う)。
レイズの上限値には、「一回にチップ10枚まで増やしてよい」といった定額性のものと、「場にかけるチップの量を倍より多くにしてはならない」といった変動性のものがある。また、「現在のポットと同額まで」とする、定額性と変動性を併せ持ったポット・リミットというものもある。
さらに競技や大会においては、上限をそもそも定めないノー・リミットゲームも存在する(ノーリミットに限り、"NL""N/L"などと略されて表記される場合もある)。
[編集] ショー・ダウン
各ディールの最後にアクティブ・プレイヤー達はハンドを公開して互いにハンドを比較しあう。そして最強のハンドを持っているプレイヤーがポットのチップを全て獲得する。
ショー・ダウンの際に、ディーラーに促される前にカードをオープンしてしまうと、カードをマック(捨てた)とみなされて負けになってしまう場合もあるので注意が必要である(ショー・ダウンにおける手札の公開順番は別途定められている場合が多い)。
ハンドの公開は必須ではなく、他者が既にオープンして確定した役に対して勝利することができない場合は、フォールドするときと同じように、カードを裏向きにしてディーラーへ投げて非公開とすることも可能である(この行為をマック(Muck)という)。
[編集] ポーカーの種類
ポーカーには主に以下の三種類がある。
- クローズド・ポーカー
- スタッド・ポーカー
- フロップ・ポーカー
[編集] クローズド・ポーカー
最も古い形のポーカーで、各プレイヤーは自分の手札を全て隠してプレイをする。カードが配られたらまずベット(賭け)をし、次にカード交換を行う。そして再びベットをし、最後に全員がハンドを公開して勝敗を決める。
代表的なゲーム名
- ドロー・ポーカー
- ローボール
- デュース・トゥ・セブン
[編集] スタッド・ポーカー(オープン・ポーカーとも)
スタッド・ポーカーはより近代的なポーカーである。まず初めに各プレイヤーに何枚かの手札(枚数はポーカーの種類ごとに異なる)が裏向きに配られる。プレイヤー達は自分の手札をこっそりと見る。次に各プレイヤーに表向きにカードが一枚ずつ配られる。ここでまず一度ベットをする。ベットが終わったら再び各プレイヤーに札が表向きに一枚ずつ配られ、ベットが行われる。以下同様にカード配布とベットとが交互に行われ、最後のベットが終わったら、全員最初に配られた裏向き札を明かし、勝敗を決める。
代表的なゲーム名
- セブン・スタッド
- ファイブ・スタッド
- ロー・スタッド
[編集] フロップ・ポーカー
最も新しいタイプのポーカーである。フロップ・ポーカーの特徴は、中央にフロップと呼ばれる表向きの札が置かれる事である。この札は全てのプレイヤーの共通の手札とみなされる。フロップが高位の札であれば自分にとって得であるが、同時に他の人にも得になる事に注意されたい。プレイヤーは裏向きの手札+フロップでハンドを作る。
代表的なゲーム名
- テキサス・ホールデム
- オマハ(ハイまたはハイロー)
- ウォーターメロン
[編集] その他
他にもインディアン・ポーカーのように上記のどれにも属さないポーカーがある。
[編集] ディーラーズ・チョイス
ポーカーには様々な種類のゲームが存在するので、ディーラーズ・チョイスというオプションルールがある。このルールではディーラーになった人が次に行うポーカーの種類を決める事が出来る。
[編集] カジノゲームとホームゲーム
カジノで行われているポーカーゲームのルールは、通常のポーカーゲームのルールと若干異なる。この二つを区別する為、カジノで行われているゲームをカジノゲーム、通常のポーカーをホームゲームと呼ぶことにする。
[編集] 特殊なポーカー
[編集] ローポーカー
ロー・ボールやロー・スタッドでは、最弱の札を出した札が勝利する。このように札の強弱関係が逆転したポーカーをローポーカーと呼ぶ。
ハイ・ローでは、最強のハンドを作ったプレイヤーと最弱のハンドを作ったプレイヤーとでポットのチップを等分する。
[編集] ワイルドポーカー
ワイルドカードを使ったポーカーをワイルドポーカーと呼ぶ。
ワイルドポーカーでは、通常のポーカーハンドの他にファイブカードと呼ばれるハンドが認められている。ファイブカードとは、同ランクの札四枚にワイルドカードを加えた5枚からなるハンドである。ファイブカードはロイヤルフラッシュより強い。
代表的なワイルドポーカーには次のようなものがある。
- ジョーカーをワイルドカードとして加えるもの。
- (ワン・アイ・ジャック)真横を向いていている為目がひとつしかないジャック(すなわち黒のジャック)はワイルド
- (デュース(デューシーズ)・ワイルド)2の札が全てワイルド。
- (スピッド・イン・ジ・オーシャン)アナー・カード(=10,J,Q,K,A)は全てワイルド。
スピッド・イン・ジ・オーシャンはディーラーズ・チョイスの際に行われる余興的なゲームである。
[編集] 様々なポーカー
[編集] クローズド・ポーカー(クローズド・ポーカー)
- ゲームに参加するプレイヤーはアンティを払う。
- ディーラーはアンティを払ったプレイヤーに5枚ずつ裏向きにカードを配り、残りの札は中央に裏向きに置く。
- 配り終わったらプレイヤー達はカードを手に持つ。
- 1度目のベッディング・インターバル。
- 各アクティブ・プレイヤーは一度だけカード交換を行う。ディーラーから順に任意の枚数(0枚も可)のカードを場に裏向き捨て、捨てた枚数と同じ枚数のカードを中央のパイルから取る。
- 2度目のベッディング・インターバル。
- アクティブ・プレイヤーは自分の手札を公開する。
- 勝者はポットのチップを全て取る。
[編集] ジャックポット
基本ルールと同様。ただし、Jのワンペア以上を持っているプレイヤーのみが勝ち名乗りを上げる事ができる。
誰一人Jのワンペア以上を持っているプレイヤーがいない時は引き分けとなり、ポットのチップは次の勝負に持ち越される。
[編集] セブンカードドロー
主として、参加するプレイヤーが5人より少ないときに行われるポーカーである。
ゲームの流れは基本ルールとほとんど同様。ただしディーラーは7枚カードを配る。カード交換は0~7枚まで何枚でも可能。
最後にアクティブプレイヤーは7枚の手札から5枚を選んでハンドを作り、そのハンドの強弱を比較しあう。
[編集] ロー・ボール
ロー・ポーカーの一種。
ゲームの流れは基本ルールとほとんど同様。ただしより弱いポーカーハンドを作ったプレイヤーが勝ち。
ロー・ボールの変種。
- イギリスではAを最低の札とみなす。すなわち例えば3のワンペアよりもAのワンペアのほうが弱い。
- (カリフォルニア・ロー・ボール)Aを最低の札とみなし、しかもフラッシュとストレートを認めない。
[編集] ハイロー・ドロー
基本ルールと同様。ただし最も強いハンドを作ったプレイヤーと最も弱いハンドを作ったプレイヤーがポットのチップを等分する。
[編集] ベスト・フラッシュ
ポーカーハンドが通常と違う。
このゲームには弱いほうから順に、ツー・フラッシュ、スリーフラッシュ、フォー・フラッシュ、フラッシュの4種類のポーカーハンドがあり、それぞれ同じスートのカードが2枚、3枚、4枚、5枚そろっているハンドである。ワンペアなどの通常のポーカーハンドは認められていない。
その他は基本ルールと同様。
[編集] スタッド・ポーカー(オープン・ポーカー)
[編集] ファイブ・スタッド(ショート・スタッド)
- ゲームに参加するプレイヤーはアンティを払う。
- ディーラーはアンティを払ったプレイヤーに1枚ずつ裏向きに伏せてカードを配る。
- 各プレイヤーは配られた札を秘密裏に見て元に戻す。
- 次にディーラーはアンティを払ったプレイヤーに1枚ずつ表向きにカードを配る。
- 1度目のベッディング・インターバル。
- ディーラーはアクティブ・プレイヤーに1枚ずつ表向きにカードを配る。
- 2度目のベッディング・インターバルを。
- 以下同様に表向きに1枚カードを配ってはベッディング・インターバルに入る。
- 5枚目のカードを表向きに配り、最後のベッディング・インターバルを終えたら、アクティブ・プレイヤーは裏向きのカードを表にし、ハンドの強弱を比較する。
- 勝者はポットのチップを全て取る。
ゲーム中各プレイヤーは、下のカードが見えるように順に重ねてカードを置く。
[編集] セブン・スタッド(ロング・スタッド)
ゲームの流れはファイブ・スタッドと同様。ただし最初に3枚裏向きに配る。
そして表向きに1枚配ってはベッディング・インターバルを行う。
計4枚のカードを表向きに配り4回目のベッディング・インターバルが終わったら、アクティブ・プレイヤー達は裏向きのカードと表向きのカードをあわせた計7枚の手札から5枚を選び出して公開し、その5枚のハンドの強弱を比較する。
[編集] ロー・スタッド
ファイブ・スタッドと同様。ただし最も弱いハンドを作ったプレイヤーが勝ち。
[編集] ハイロー・スタッド
ファイブスタッドと同様。ただし最も強いハンドを作ったプレイヤーと最も弱いハンドを作ったプレイヤーがポットのチップを等分する。
[編集] Razz
セブンスタッドと同様。ただし最も弱いハンドを作ったプレイヤーが勝ち。
[編集] カナディアン・スタッド
ファイブ・スタッドと同様。ただしフォー・ストレート、フォー・フラッシュ、フォー・ストレート・フラッシュという3種類の役を認める。
フォー・ストレートとは、5枚の札のうち4枚の札のランクが連続しているハンドの事。(例えば8 7 6 5 2)。
フォー・フラッシュとは、5枚の札のうち4枚の札のスートが連続しているハンドの事。 (例えばJ 7 4 2 K)。
フォー・ストレート・フラッシュとは、5枚の札のうち4枚の札のスートとランクが一致しているハンドの事。 (例えばJ 10 9 8 3)。
ハンドの強さは、ツーペア<フォー・ストレート<フォー・フラッシュ<スリーカード<……<フルハウス<フォー・ストレート・フラッシュ<フォーカード。
[編集] メキシカン・スタッド
フリップ・スタッド、ファイブ・カード・ターンアップ、ピープ・アンド・ターンとも呼ばれる。
- ディーラーは各プレイヤーに札を2枚ずつ裏向きに伏せて配る。
- 各プレイヤーは配られた札を秘密裏に見て、順に2枚のうち1枚を選んで表向きにする。
- 一度目のベッティングインターバル。
- ディーラーは各プレイヤーに裏向きに札を1枚ずつ配る。
- 各プレイヤーは配られた札を秘密裏に見て、伏せられた2枚のうち1枚を選んで表向きにする。
- 二度目のベッティングインターバル。
- 各プレイヤーのカードが5枚になり、4回目のベッティングインターバルを行うまで、以下同様に繰り返す。
- ショー・ダウン
以下作成中。
[編集] フロップ・ポーカー(コミュニティ・カード・ポーカー)
[編集] テキサスホールデム
ラスベガス等の世界中のカジノのポーカールームでプレイすることの出来る一般的なフロップゲームである。名称としては「ホールデム」や「テキサス」とも呼ばれることが多い。
2枚の手札と5枚の共有カードを組み合わせて役を競うポーカー。手札と共有カードの組み合わせ方は自由である。
順に明かされる共有カード(最初に3枚、次に1枚、最後に1枚)と、アンティがごく少なく(場合によってはない)、多くの場合即座のドロップが最善、という特徴をもつ。
海外のカジノや、ゲームサイトで人気があり、World Series of Pokerという世界選手権のメインイベントの種目は、このテキサスホールデムである。
ゲームの流れは以下の通り。
- ブラインドベット(ディーラーボタンと呼ばれる器具の左隣1・2番目の人が払う強制ベット額)を行う
- カードをプレイヤー1名に対して2枚をディーラーボタンの左隣1番目の人から全員に時計回り順でディール(配る)する
(この時カードは1枚ずつ配るものとされている)
- ベットラウンド1
- 全員のベット額が同額になり次第ディーラーはカードを1枚捨て(バーンカードと言う)3枚のカード(フロップと呼ばれる)をボード上に表向きにして置く
- ベットラウンド2
- 全員のベット額が同じになり次第ディーラーはカードを1枚捨てターンと呼ばれる4枚目のカードを場に表向きにして出す
- ベットラウンド3
- 全員のベット額が同じになり次第ディーラーはカードを1枚捨てリバーと呼ばれる5枚目のカードを場に表向きにして出す
- ベットラウンド4
- 全員のベット額が同じになり次第ショーダウン(カードを明かす)
- ディーラーの裁定で役の強さが決定され、一番強い手役をもっている人にチップが全て渡される
(引き分けの場合はチップの量を可能な限り引き分けたプレイヤーで割り、それを引き分けたプレイヤー全てに渡される)
[編集] オマハホールデム
4枚の手札と5枚の共有カードを組み合わせて役を競うポーカー。ただし制約があり、手札から2枚、共有カードから3枚の組み合わせに限られる。名称としては単にオマハとも。
テキサスホールデムと似たスタイルのゲームで、より高位の役が期待される。ハイローのルールを組み合わせて遊ばれることも多い。高位の役が期待されるため、賭けの総額も(参加プレイヤーが多くなるため)必然的に増加する傾向にある。
テキサスホールデムとは違い手札の数が4枚に変更される。4枚になるので手役はある程度出来やすいと言えるが、その反面必ず手札を2枚、場に出ているカード5枚から3枚を使わなくてはいけないというルールがあり、テキサスホールデムよりもかなり戦略性が高くなったフロップゲームと言える。
ゲームの流れは以下の通りとなる(ハイの場合のみ説明)
- ブラインドベット(ディーラーボタンと呼ばれる器具の左隣1・2番目の人が払う強制ベット額)を行う
- カードをプレイヤー1名に対して4枚をディーラーボタンの左隣1番目の人から全員にディールする(配る。この時カードは1枚ずつ配るものとされている)
- ベットラウンド1
- 全員のベット額が同額になり次第ディーラーはカードを1枚捨て(バーンカードと言う)3枚のカード(フロップと呼ばれる)をボード上に表向きにして置く
- ベットラウンド2
- 全員のベット額が同じになり次第ディーラーはカードを1枚捨てターンと呼ばれる4枚目のカードを場に表向きにして出す
- ベットラウンド3
- 全員のベット額が同じになり次第ディーラーはカードを1枚捨てリバーと呼ばれる5枚目のカードを場に表向きにして出す
- ベットラウンド4
- 全員のベット額が同じになり次第ショーダウン(カードを明かす)
- ディーラーの裁定で役の強さが決定され、一番強い手役をもっている人にチップが全て渡される
(引き分けの場合はチップの量を可能な限り引き分けたプレイヤーで割り、それを引き分けたプレイヤー全てに渡される)
[編集] その他
[編集] インディアンポーカー
配られた5枚の手札を、自分は見えず、相手からは見えるスタイルでプレイするポーカー。
おのおのが額の部分にカードを表向きにさらす。自分の強さがわからないため、読み合いも関連しブラフに独特の味がでる。
簡便のため1枚の手札で行われることもあり、むしろそのほうがポピュラーである。
[編集] ポーカー・ソリテール
ポーカー・ソリティア、ポーカー・ペーシェンス、ポーカー・スクェアとも。
カード・ペーシェンスの一つ。通常のポーカー・ゲームと違い一人で楽しむ。
一組52枚のカードから25枚を抜き出す。そしてその25枚のカードを、5×5の正方形に並べる。どのカードをどの位置に置くのかはプレイヤーが自由に決める事ができる。
正方形の縦5列、横5行で計10個のポーカー・ハンドができる。ハンドには下表のように点が割り振られている。 できたハンドの点の合計値が得点である。目標はより高い得点を目指す事。
名前 | アメリカ式スコア | イギリス式スコア |
---|---|---|
ノーペア | 0 | 0 |
ワンペア | 2 | 1 |
ツーペア | 5 | 3 |
スリーカード | 10 | 6 |
ストレート | 15 | 12 |
フラッシュ | 20 | 5 |
フルハウス | 25 | 10 |
フォーカード | 50 | 16 |
ストレート・フラッシュ | 75 | 30 |
ロイヤル・フラッシュ | 100 | 30 |
アメリカ式のスコアは、ランダムにカードを選んだ時のハンドの出来やすい方から順に点を高くしてあるだけであるが、それに対しイギリス式のスコアはポーカー・ソリティアを行った時のハンドの出来やすさに基づいて点が割り振られている。
変形ルール
いきなり25枚を抜き出すのではなく、裏向きに置かれたデックからカードを一枚ずつ表にしていく。次のカードをめくる前に今表にしたカードをどこに置くか決めなければならない。
地方ルールによっては、斜めの5枚カードの得点もつける。
コンペティティブ・ポーカー・ソリティア
コンペティティブ・ペーシェンスの一つ。2人で行う。一人25枚ずつカードを配り、各々ポーカー・ソリティアを行う。得点が高い方が勝ち。
関連ゲーム
クリベッジ・ソリティア:ポーカー・ハンドの代わりのクリベッジのハンドを使って同種の遊びを行う。
[編集] ビデオポーカー
ポーカーの役のルールを利用して、コンピューターを相手に一人で遊ぶゲーム。手札を正しく交換し、高い役を作り多くの配当を得ることを目的とする。一意に最適戦略が決定することから、シリアスプレイヤーに好まれている。
単にポーカーと言った場合、ビデオポーカーは含まれないことが多い。
[編集] 歴史
ポーカーの歴史に関しては幾分議論が必要である。ゲームの名前は、ドイツのポーヒェン(pochen、「ノックする」の意)というゲームを先祖に持つ、フランスのゲームポーク(poque)からきていると考えられている。しかしこのゲームが本当にポーカーの先祖であるのかどうかはよくわかっていない。
ポーカーはペルシャのゲームアス・ナス(as nas)に非常によく似ている。アス・ナスはおそらくペルシャの水夫からフランス移民を通じてニュー・オリンズに入ったのであろう。
ポーカーのもうひとつの先祖と考えられているゲームは、ルネッサンス時代のゲームプリメロ(primero)とフランスのゲームbrelanである。イギリスのゲームbrag(=初期のbragg)はbrelanにブラフの要素を取り込んだゲームである。(当時すでにブラフの概念を使ったゲームは他にも存在した)。
これらのゲーム全ての影響を受けて現在のポーカーが形作られた可能性も十分ある。
イギリスの俳優ジョセフ・クロウェルが1829年にニュー・オリンズで行われたポーカーゲームの事を記している。ここに書かれているゲームは、20枚のカードを使って最も高いハンドを作ったプレイヤーが勝利するというルールで4人で行われた。1843年に出版されたJonathan H. GreenのAn Exposure of the Arts and Miseries of Gambling(G. B. Zieber, Philadelphia)に、ポーカーがニューオリンズからミシシッピの川船によって伝わり、通常ギャンブルとしてプレイされていたのだと記されている。
ポーカーが広まってすぐに、52枚のフルデックを使ってゲームされるようになり、フラッシュの役が導入された。南北戦争の間にドロー・ポーカー、スタッド・ポーカー(手札の枚数が5枚のもの)、ストレート・ポーカーなどを始めとした色々なルールのポーカーが生まれた。その後ポーカーはアメリカで発展を続け、1875年頃にはワイルド・ポーカーが、1900年頃にはロー・ボールとスプリット・ポット・ポーカーが生まれた。他の国、特にアジアへは、米軍基地を通じてポーカーは広まった。
1970年に行われたWorld Series of Poker以来、ポーカー・トーナメントはアメリカのカジノを通じてポピュラーになった。
[編集] 日本におけるポーカーの現状
[編集] ルールの誤解
日本では、クローズド・ポーカーと呼ばれるポーカーがプレイされているが、日本では多くの場合間違ったルールでプレイされている。日本ではカード交換を行った後に一度だけベット(チップの賭け)を行う。しかしカード交換後のベットでは、プレイヤー達は自分の持っているハンドの強さに応じてゲームから降りるかどうかが決定できるので、戦略性やギャンブル性が少ない。
それに対し本来のルールでは、カード交換の前と後の二回ベットを行う。一回目のベットではまだカード交換が行われていないので、どのプレイヤーも自分の手札が最終的にどのくらい強くなるのかを知らない状態で賭けなければならない。
プレイヤー達はこのような不確かな状況で、他のプレイヤーの動きを見て、勝つ為には自分の手札をどのくらい強くしなければならないのかを判断する。そしてその判断に応じてゲームから降りるのかどうか、賭けるチップの枚数をどうするのかといった事を決めなければならず、戦略性ギャンブル性が高い。
日本のようなカード交換後にしかベットがないルールでは、このような駆け引きが存在しない為、このようなポーカー本来の面白さが失われてしまっている。
[編集] ルールの古さ
しかも日本で行われているポーカーは本国アメリカではすでに廃れてしまっている古いルールである。日本で行われているポーカー(クローズド・ポーカー)のルールではプレイヤーは皆自分のカードを全て隠す。この為プレイヤー達は他の人のカードを一枚も見る事ができないので、できるブラフも限られてしまう。
それに対しより近代的なスタッド・ポーカーでは手札の一部が他のプレイヤーにも公開されるので、この公開されている一部の情報を基にした様々な憶測や騙しが可能であり、より複雑な心理戦が展開される。
[編集] ポーカーの基本定理
ポーカーの基本定理(The Fundamental theorem of poker)とは、David Sklanskyが述べたポーカーに関する以下の法則。不完全な情報をもとに意思決定をするというポーカーの本質的特徴を示している。
敵のハンドを全て見る事ができた場合に自分が取る行動と、実際に自分が取った行動が異なる時は敵が勝つ。 そして敵のハンドを全て見る事ができた場合に取る行動と、実際に取った行動が同じである場合は敵が負ける。
逆に自分のハンドを全て見る事ができた場合に敵が取る行動と、実際に敵が取った行動が異なる時は自分が勝つ。 そして自分のハンドを全て見る事ができた場合に敵が取る行動と、実際に取った敵の行動が同じである場合は自分が負ける。
[編集] ポーカーを題材にした映画
- ラウンダーズ -モチーフは1988年のWSOP世界選手権メインイベント
- テキサスの5人の仲間
- シンシナティ・キッド
- タイタニック (1997)-この作品において、ジャックがポーカーで勝ち、タイタニックの乗船券を手に入れた。
- 007 カジノ・ロワイヤル-長時間ポーカーをするシーンが描かれており、少々ポーカーのルールを理解していないと理解しづらいところもある。
[編集] 関連項目
カテゴリ: トランプ | カジノゲーム | ゲーム関連のスタブ記事