ブレイカーズ (テレビゲーム)
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ブレイカーズ(BREAKER'S)とは、1996年11月にビスコがSNKのアーケード筐体『Multi Video System(MVS)』用に開発・発売した、対戦型格闘ゲームである。続編も出ており、家庭版もリリースされている。同社のゲーム『死嘩護』のキャラクターが使用されている。
内容的には、他の格闘ゲームに影響されている部分が多く見受けられる。また、ゲーム自体はあまり知名度がない。しかし、ゲームバランスは良く、連続技やキャンセル動作が容易に出来るので、初心者でも楽しめる。
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[編集] シリーズ一覧
- ブレイカーズ
- 1996年11月に発売。操作性に関しては、SNKの格闘ゲーム『餓狼伝説』シリーズ(2、SP、3辺り)に似ている。特殊操作は、至ってどの格闘ゲームにも見られるようなものであるが、ダッシュやバックステップは、キャラクターによって若干動作が異なる(前転、後転になる等)。また、先駆けとも思われる「移動起き上がり」ができる(この動作中は完全無敵)。ゲームシステムに関しては、特にダメージ補正にかなり細かな設定がなされており、他の設定も含めると、ゲームバランスを重点に置かれているところが見受けられる。超必殺技も存在しており、別のゲージ(パワーゲージのようなもの)が一定量までたまると使用できる(3本まで溜められる)。また、このゲージは、挑発やダッシュ、バックステップ、移動起き上がり等の特殊動作中、さらには超必殺技ヒット中でも溜まる仕組みとなっている。試合形式に関しては、1対1で2本先取で勝ちとなる。通常は3Rまでだが、最大で5Rまである。それまでの間に決着がつかなかった場合は、ゲームオーバーとなる。なお、ファイナルラウンド(5R目)で勝利した場合は、ボーナスポイントは貰えない。ちなみに、CPU対戦で同キャラ対戦になった場合、CPU側の名前が変わる。
- 家庭版では、ネオジオROMカセット版が1997年3月21日に、ネオジオCD版が1997年4月25日に発売されている。ちなみに家庭版には、オプションモードにサウンドテストがあり、BGMや効果音、カバーボイスを楽しむことが出来る。
- ブレイカーズ・リベンジ
- 1998年8月に発売。前作の続編なのだが、マイナーアップバージョン的な色合いが濃い。新キャラクターが1人(才蔵)追加されたぐらいで、あとはオープニングが前作と同じ等、あまり変わっていない。
[編集] 登場キャラクター
- 神威 翔 (かむい しょう)
- 強さを追求する日本人の若者。主人公。空手を使う。
- 「拳は弱きを助(す)く」を信条としており、曲がったことが嫌いという性格の持ち主。最強と呼ばれる格闘家の噂を聞けば、どこにでも赴く。
- 武術大会「FIST」で決勝まで残ったものは、二度と生きて戻って来れないことを知っての承知で、最強と呼ばれ悪名も高い大会主催者を倒すことを決心する。また、刀龍(タオロン)も出場すると知り、これもまた、出場する理由の一つとなっている。
- その刀龍とは、過去に闘ったこともあり、そのときに受けた頬の傷が無念の記憶となっている。それ以来、彼は刀龍を生涯のライバルと見なしている。そして、刀龍と再戦することを誓い、更なる修行に励んでいた。
- 同キャラ対戦時のCPUキャラの名前は「沢村 陣 (さわむら じん)」となる。
- 李 刀龍 (リー・タオロン)
- 翔のライバル的存在。翔より年上。功夫(クンフー)空拳という格闘スタイルで闘う韓国人の若者。龍を神の使いとして崇拝しており、使う技からもその傾倒が窺うことができる。
- 父親の記憶があまり無く、拳法の鍛錬をする父親の影だけが、唯一の父親の記憶である。他界した母親から、父親が殺害されたことと、その殺害の首謀者が、武術大会「FIST」の主催者、黄(ホァン)財閥頭首だと聞かされる。そして、翔との闘いや武者修行で自らの功夫に自信を深めた彼は、父の無念を晴らすべく、大会に出場する。
- 翔とは修行中に訪れた日本で出会った。彼は翔のことを良き友、良きライバルと認めている一方、弟のようにも感じている。
- このキャラは、必殺技が少ない上に、必殺技、超必殺技全てが溜め技である。そうなっている代わりと思われるが、通常技のジャンプ強攻撃が少し強力になっている。
- 同キャラ対戦時のCPUキャラの名前は「王 劉凱 (ワン・リュウクァイ)」となる。
- ピエール・モンタリオ
- フェンシング使いのナルシスト。ゲーム上ではオカマ口調が目立つ上に“エセ貴族”という設定のイタリア人で30代。闘うときは、「マスク・オブ・ゾロ」的なマスクで顔を隠している。帯電体質なのか、それとも、使っている武器で起こすことが出来るのか、雷系の技が多く見られる。
- 自分の美と名誉のため、そして、造園業者に支払うための金を手に入れるために、武術大会「FIST」に出場する。
- 同キャラ対戦時のCPUキャラの名前は「ジョルジュ」となる。
- シーク・マハール
- 剣術闘法という格闘スタイルを使う、アラブの勇敢な戦士。超必殺技の中には、ディズニー映画「アラジン」に登場する某キャラっぽいゴツイ感じの聖霊を召喚させることが出来る技が存在する。
- 前に、戦友とともに武術大会「FIST」に出場していた。その戦友は彼をわずかの差で負かして、決勝に進んだ。しかし、決勝に進んだ戦友は二度と戻ってこなかった。失意のあまり自堕落な生活へと身をやつす彼は、やがて大会での戦友の死を知ることなる。
- それから半年後のある夜、彼はとある商店街の露店に置かれいた三日月型の刀を見て目を疑った。その刀は紛れもなく、1年前に戦友が決勝で持参した物だった。“あのとき友に何が!?”今大会で彼は戦友の敵を討つべく、再び出場することを決意した。
- 同キャラ対戦時のCPUキャラの名前は「ジャバァ」となる。
- コンドル・ヘッズ
- とある場所に住む狩人の大男。一応、アメリカ出身。プロレスを格闘スタイルとする。マニトゥという聖霊の存在を信じており、そのあるがままを聞き、受け入れる。
- ある日、彼はライオンに化身したと思われるマニトゥに「この地上のあらゆる国で猛威を振るった邪悪なる意志を持つものを封印するときがきた。今から汝の行くところに、邪悪なる意志を持つものがいるだろう。」と告げられる。その言葉を聞き、受け入れた彼は、翌朝旅立つ。そして、邪悪なものがいると思われる武術大会「FIST」に参加することとなる。
- 同キャラ対戦時のCPUキャラの名前は「レッドギガース」となる。
- アルシオンⅢ世
- 古代エジプト時代のとある小国の王子。ファラオ体術という格闘スタイルで闘う。父である王が息子であるⅢ世に王位を譲ろうとしたその前夜、王を殺して新王となり、邪悪なる意志を持つものによってとり憑かれたと思われる臣下の一人により、前王の亡骸とともに小さな墓所に封印されてしまっていた。
- そして長き封印から目覚めた時、ある邪悪な波動に気づく。その邪悪な波動が、邪悪なる意志を持つものと全く同じだと感じた彼は、その波動の持ち主と思われるものが開催する武術大会「FIST」に参加する。
- 同キャラ対戦時のCPUキャラの名前は「アトゥーム」となる。
- ライラ・エスタンシア
- 女傑族という一族の者。格闘スタイルは我流。ジャングルの狩人で猿のように木を登り、豹よりも早く地を駆ける。一応、ブラジル出身。ある日、森の様子がいつもと違うことに気づいた彼女は、女傑族の村の長から「平和を乱す大きな影が東にいる。」と聞かされ、長に言われるがままではあるが東の地を目指す。多難の上にたどり着いたその地では、今まさに武術大会「FIST」の初幕が切って落とされようとしていた。そして彼女も、手探りのような感じでこの大会に参加することとなる。
- 同キャラ対戦時のCPUキャラの名前は「ヴァーゴ・サンドラ」となる。
- このキャラのストーリー内容は、『サムライスピリッツ』シリーズのキャラ、ナコルルのストーリー内容と微妙に似ている。
- ちなみに、必殺技、超必殺技は、全て溜め技である。
- ティア・ラングレー
- キックボクシングを使う若い女性(少女?)。製作者が狙ってみたのか、レオタート姿がよく目立つ。おまけに、オープニングでも、主役的立場の翔や刀龍より目立っている。幼い頃に両親を亡くしており、それ以来、若くして無敗のチャンプの兄と生活していた。兄と鍛錬を積んでいた彼女は、いつしか彼と同じ格闘スタイルを持つようになる。
- ある日の兄の試合、彼女はなんとなく不安なものを感じていた。そして、それが的中したかのように直前まで話していた兄が時間になっても現れなかった。結局、試合前から不気味だった挑戦者の不戦勝で終わるが、その挑戦者が彼女に近づき「クックックッ・・・。お前の兄貴も黄(ホァン)様にたてつきさえしなければな・・・。」と囁く。「黄」・・・その名前を聞いた彼女は、兄が黄財閥主催の武術大会「FIST」に出場すると聞いていたことを思い出す。失踪した兄の手掛かりを求め、大会出場を決意する。
- 同キャラ対戦時のCPUキャラの名前は「シェリー・ターラー」となる。
- ちなみに、キックボクサーなのに、らしくない動作も存在する。なぜならこのキャラには、某有名格闘ゲームの影響が強く受けたと思われる技やポーズが設定されているからである。
- 黄 白虎 (ホァン・パイフー) [ボス]
- 格闘スタイルは不明。邪悪なる意志を持つものが、現在において得た肉体が彼である。この肉体は、かつて刀龍の父親の物であった。そのものにとって、財閥の党首という地位を持ち、かつ優れた格闘家であるその肉体は、目的を達成するのに好都合だった。
- 彼、その邪悪なる意志を持つものは、ある時は街を、またある時は国を滅ぼしてきた。そして、敗者の気を喰らうことで闇の力を大きくしていたが、現在において、そういった行動は目立ちすぎると思った彼は、さらに良質な気の持ち主を選択するため、そして密かにその主を抹殺するために、全世界に武術大会「FIST」を告知するのであった。
- このキャラは、プレイヤーセレクト中に隠しコマンドを入力することによって使用することが可能だが、同キャラ対戦時のCPUキャラの名前は何なのかは不明である。
- 飛影 才蔵 (とびかげの さいぞう)
- 『リベンジ』で登場するキャラ。忍術を主体とした格闘スタイルで闘う。生まれたときから忍びの中で育ち、彼の一族は闇の世界で最強を誇っていた。彼はその中でも最高の忍びであった。
- ある晩、彼は密令で里を離れていたが、役目を追え里に戻ると、血と無数の屍(しかばね)によって埋め尽くされた里の姿を目にする。足元には「白虎(パイフー)」の血文字。そして彼は、一族の無念を胸に闇へと消えていった。それから月日が流れ、一族の無念を晴らすために、武術大会「FIST」に参加する。
- 同キャラ対戦時のCPUキャラの名前は「雪影」となる。
[編集] 同キャラ対戦時のCPU側のキャラについて
前述で“同キャラ対戦時は、CPU側の名前が変わる”と述べたが、そんなキャラたちにもちゃんとした設定が、一応付加されている。 また、一部キャラの紹介に出てくる「宝玉」とは、同社のゲーム『死嘩護』の名残であるらしい。
- 沢村 陣 (さわむら じん)
- 翔でプレイしたときの同キャラ対戦時のCPUキャラ。某ゲームメーカー勤務。翔や刀龍(タオロン)より年上。バンドグループ「TUBE」の大ファンである。
- また、空手を習っており、道場で修行している。
- 王 劉凱 (ワン・リュウクァイ)
- 刀龍でプレイしたときの同キャラ対戦時のCPUキャラ。刀龍とは全くの無関係だが、恋人にフラれたことを逆恨みしている。
- 声優を目指している。
- ジョルジュ
- ピエールでプレイしたときの同キャラ対戦時のCPUキャラ。フランス人。過去にイタリア旅行で置き引きに遭っており、その時以降、イタリア人を毛嫌いしている。
- ジャバァ
- マハールでプレイしたときの同キャラ対戦時のCPUキャラ。陽気な肉屋のおっさんである。ちなみに彼の刀は、肉屋での商売道具である。
- レッドギガース
- コンドルでプレイしたときの同キャラ対戦時のCPUキャラ。遠い祖先は、コンドルの民族と同一の民族であった。つまり、コンドルとは遠い親戚に当たる。
- 「大地の宝玉」という物を所有している。
- アトゥーム
- アルシオンⅢ世でプレイしたときの同キャラ対戦時のCPUキャラ。古代文明マニアで、闘うときは自らミイラの扮装をする。
- そしてその状態で、ファラオ体術を実践したところ、できるようになる。それもそのはずで、実は、アルシオンの血を引くⅢ世の子孫であった。
- シェリー・ターラー
- ティアでプレイしたときの同キャラ対戦時のCPUキャラ。過去にティアの兄、スターリンとも闘ったこともある女性キックボクサー。現地では有名である。
- 「水の宝玉」という物を所有している。
- ヴァーゴ・サンドラ
- ライラでプレイしたときの同キャラ対戦時のCPUキャラ。天涯孤独の身を「森の部族」に引き取られ、大蛇に育てられた女性。
- 「緑の宝玉」という物を所有している。
- ちなみに“サンドラ”という言葉は、ライラが住む村の名前でもあったりする。
- 雪影
- 才蔵でプレイしたときの同キャラ対戦時のCPUキャラ。もちろん『リベンジ』で登場する。
- 忍者なのか、はたまた、ただの忍者マニアなのか、その詳細は一切不明である。
[編集] 関連記事
[編集] 外部リンク
- ビスコ公式サイト(現在、『ブレイカーズ』シリーズのことについては載っていない。)
- ますらおよ!!ぢぇえぃッ!!(旧SNKファンサイト。ネオジオつながりということで、(まだ完全とは言えないが、)ブレイカーズの攻略も載っている。また、公式ストーリーも載っており、ブレイカーズを取り上げるサイトとしては、唯一詳しいところと思われる。)
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