フェチ
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フェチとは、身体の一部や衣服・その他記号化された様々な物品・現象に「個性的」な執着を見せたり、性的興奮を示す傾向を指す俗語の一種。性的嗜好の一つで、呪物崇拝、物神崇拝、拝物愛などとも関連するフェティシズム(fetishism)を略した言葉である。
[編集] フェチという語
比較的近年使われるようになった言葉で、書籍の題名としては、1996年の『フェティッシュ写真集シリーズ12 おじょうさまのあし OL&女教師のフェチな一日』(中村隆行撮影、心交社)あたりが早い例のようである。フェティシズムが学問的にも使用される言葉であるのに対し、フェチは性的嗜好を俗に表現する場合に用いられる。
[編集] 概要
「おっぱいフェチ」「むなげフェチ」「ピンヒールフェチ」「ブーツフェチ」など、人間の一部分や物に対する執着を示す使われ方や、「パンストフェチ」「ナースフェチ」「メイドフェチ」「詰め襟フェチ」など、服装に関する執着を示す使われ方があるが、更には「おもらしフェチ」や「寝顔フェチ」といったようなシチュエーションに反応する傾向もある。
近年では、フェチの同類義語として「萌え」という表現もある。こちらはどちらかと言うと、あまり固執しない・ソフトなイメージであるとも言われているが、対象がよりマニアックで記号化されており、「どちらが健康的か」でしばしば意見の分かれる所である。
フェチの分類、及び類型については有用な資料・文献に乏しく、また現状では成人向けメディアを中心に、どのような事象にも「フェチ」を付けたりする傾向があるため、どのような類のフェチが存在し分布しているのかを推し量るのは難しい。参考として、アメリカの出版社 Deviant Desire 社が近年、「Fetish Roadmap」という、様々なフェティシズムについて相関関係を図に示したものを公開している(英文)。