ヒッパルコス (人工衛星)
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ヒッパルコス(Hipparcos)とは、1989年8月8日に欧州宇宙機関によって打ち上げられた高精度視差観測衛星。日本ではヒッパルコス衛星(ヒッパルコスえいせい)と呼ばれることが多い。
古代ギリシアの天文学者ヒッパルコスにちなんで名づけられた(ただし、人名のヒッパルコスは Hipparchus )この衛星は、恒星の位置や年周視差を、大気の影響の無い宇宙空間で精密に測定することが主ミッションであった。衛星バスとしては質量約1,400kgの六角柱状の構体と、3方向に伸びた太陽電池パドルを備えていた。
打ち上げはドイツの放送衛星TVSAT-2とともにアリアンロケットV33号(44LP型)により正常に行われた。しかしアポジモーターの故障により静止軌道への投入ができず、近地点約500キロメートル、遠地点約3万6000キロメートルの極端な楕円軌道に乗ることになってしまった。欧州宇宙機関の運用・観測スタッフの4ヶ月に渡る観測システムの再構築により、大半の観測は問題なく行われた。
1993年6月の観測終了までに、118,274個の恒星の視差を1,000分の1秒角の精度で調べあげ、半径1,000パーセクの範囲の星の位置を精密に定めることができた。