ハウスダスト
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ハウスダスト (House dust) とは、室内塵のことで、アレルギーを引き起こすいくつかのアレルゲンが混合したもの。動物やヒトの皮屑(フケ)、カビ、ダニ、および細菌などが混ざったものであるが、ハウスダストアレルギーと言った場合、その実態はほとんどがチリダニ (House dust mite) の仲間の虫体および糞などが細かく崩壊したものに対するアレルギーであることが多い。すなわち、ダニアレルギーとほぼ同義である。
広義であれば、読んで字のごとく室内塵そのものを指し、砂塵や繊維の屑なども含む。
通年性のアレルギー性鼻炎、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルゲンとして主なものである。
[編集] ハウスダストのアレルギー検査
上記のようにハウスダストは複数のアレルゲンが混合したものであるため、その検査に陽性であった場合、さらにいくつかのアレルゲンによる検査をし、ハウスダストのうちの何にアレルギー反応を起こすのかを特定し、セルフケアとしてその抗原に対処することが望ましい。
しかしながら、実際のアレルギー検査の際には複数のアレルゲンを同時に検査することが多いため、その際にハウスダストとダニの項目に同時に反応すれば(陽性になっていれば)、それはほぼダニに対するアレルギーがあると考えてよい。ハウスダストに反応するがダニには反応しない場合、さらに詳細なアレルゲン検索が行われることがある。
なお、アレルギー検査の項目として示されるものにハウスダスト1とハウスダスト2などのように数字がふられている場合がある。これはアレルゲン抽出物の製造元の違いによるもので、含まれるアレルゲンの種類と量がやや異なる。
[編集] ハウスダストとしてのダニ
チリダニの仲間は140種類におよぶというが、アレルゲンとして重要なのはコナヒョウヒダニとヤケヒョウヒダニ、シワダニなどが多く、とくに前2者が多い。これらのダニは宿主に寄生せず、動物のフケや花粉、カビなどの胞子・菌糸、細菌、植物の繊維などを栄養源としている。世界中に広く分布しており、まずダニのいない家はない。
大きさは0.1~0.2ミリで、糞の粒は10~40マイクロメートル。これらおよびその破片などが空中に飛散し、吸入されるなどしてアレルギー症状の原因となる。
メスは毎日数個の卵を産み、卵から成虫になるまで3週間かかる。寿命はおよそ100日。温度25~28度、60~70%前後の高湿度の条件でよく繁殖する。温度20度以下、湿度50%以下では著しく発育が制限される。季節変化としては寒冷期には少なく、温度と湿度の高い季節に増加する。たとえば東京においては4月から増加しはじめ、7~9月にピークを示すという調査結果がある。
アレルギー患者宅における調査では、居間よりは寝室に多く、敷布団より毛布に多い傾向があった。しかしながら、布団よりもソファーやじゅうたんに多いという調査もあり、これらは各家庭での条件が異なるためと考えられている。
これらに対処するためには、粉塵を巻き上げないような方法での掃除が推奨されるが、根本的にはじゅうたんなどの奥深くに潜むダニを掃除機で吸い出し(掃除機はゆっくりかけること)、かつダニの食物となるものを減らし、温度と湿度に気をつけることである。一般的な方法での布団の天日干しなどは、その温度上昇によってもダニを殺すことはほとんどできない(しかしながら、乾燥は発育などを阻害する)。
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