ストリキニーネ
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ストリキニーネ(Strychnine) | |
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分子式 | C21H22N2O2 |
LD50 | 1 mg/kg |
分子量 | 334.41 g/mol |
CAS登録番号 | 57-24-9 |
SMILES | [H][C@]([C@@](C(C=CC=C7) =C7N34)5[C@H]6N(CC5)C2)3 [C@@]1([H])[C@@H](C6)[C@] 2=CCO[C@H]1CC4=O |
ストリキニーネ(Strychnine、ストリキニンとも)は非常に毒性の強いアルカロイドの一種。化学式はC21H22N2O2、CAS登録番号は57-24-9。1948年にロバート・バーンズ・ウッドワードにより構造が決定され、1954年に同じくウッドワードにより全合成された。
主にマチン科の樹木マチンの種子から得られ、1819年にマチンの学名Strychinos nux-vomica にちなみ命名された。主に齧歯類のような小動物を殺すのに用いられる。ちなみにキニーネとは全くの別物である。
単体は無色柱状結晶で、熱湯に溶けやすくアルコール、クロロホルムに少し溶ける。極めて強い苦味を持つ(1ppm程度でも苦味が認識できる)ため、医学においては苦味健胃薬として用いられる。
なお、ストリキニーネは天然ではトリプトファンから生合成されている。ストリキニーネの2,3位にメトキシ基(CH3O-)が付いた化合物はブルシン(Brucine)といい、同じくマチンに含まれるが、毒性はストリキニーネの約20~30分の1とされる。
世界名作劇場 第2作の「母をたずねて三千里」にてフアナの肺炎を治療するために使われているようだが、マルコがアルゼンチンの旅をしたのが1882年~1884年の間のため、この薬自体存在しなかったことになる。 また、上記の説明の通りこの薬には肺炎を治す効果はないと考えられ、製作者がどうしてこの薬の名前を作中で使ったのか疑問が残る。
[編集] 中毒症状
ストリキニーネは脊髄に対する強力な中枢興奮作用を持つ(抑制系シナプスの抑制による)。摂取から30分ほどで激しい強直性痙攣、後弓反張(体が弓形に反る)、痙笑(顔筋の痙攣により笑ったような顔になる)が起こるが、これは破傷風の症状に類似している。また、刺激により痙攣が誘発されるのが特徴。最悪の場合、呼吸麻痺で死に至る。なお、心循環系、消化器系には影響を与えない。痙攣に伴い、横紋筋融解によりミオグロビン尿が出る。ヒトの致死量は、硫酸塩で0.03~0.1g(=30mg~100mg)/kg。
治療においては、まず患者に刺激を与えないようにして鎮静剤(ジアゼパムなど)、筋弛緩剤を投与し、痙攣の防止と気道の確保を行う。ストリキニーネの体内での分解は早いので、中毒から24時間を過ぎれば予後の生存率は高くなる。
[編集] 外部リンク
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