スクワーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
スクワーム Squirm |
|
監督 | ジェフ・リーバーマン |
---|---|
製作 | ジョージ・マナス |
脚本 | ジェフ・リーバーマン |
出演者 | ドン・スカーディノ パトリシア・ピアシー ジーン・サリヴァン R・A・ダウ |
音楽 | ロバート・プリンス |
撮影 | ジョーゼフ・マンジン |
編集 | ブライアン・スメッドリー・アストン |
公開 | 1976年7月30日 |
上映時間 | 92分 |
製作国 | アメリカ |
言語 | 英語 |
allcinema | |
IMDb | |
(■テンプレート/■ノート) |
スクワーム(原題Squirm)は、1976年、アメリカのエドガー・ランズベリー=ジョーゼフ・ペラー・プロが製作したアニマル・ホラー映画。ゴカイ・ミミズの大群が凶暴化して人間を襲うという内容。
[編集] 原作
原作はアメリカの作家リチャード・カーティス作の小説『スクワーム(Squirm)』で、1976年に発表されている。日本では1977年に邦訳がサンケイ出版から刊行された。"Squirm"とは、ミミズや芋虫がのたくって這うという意味であり、邦訳でも人間を襲うのはミミズとされているが、作中の説明ではグリケラ(イソチロリ)と呼ばれるゴカイの仲間となっており、映画でもゴカイとして描かれている。
映画は原作に極めて忠実であるが、原作で記述されていた、副主人公ロジャー・グライムズの少年時代のエピソードは省かれている。すなわちロジャーが子供の時、ミミズ(ゴカイ)養殖業者の父親は、地面に電流を流すとミミズが地表に這い出てくる事を発見したが(実際にはそのようなことは無く、作者の創作であろう)、同時にミミズは凶暴化し、実験を見ていたロジャーの手の親指に食いつき父がその指を切断するという部分があったが、映画では省略され、ロジャーらが既に成人した1975年、町が暴風雨に襲われる場面から始まる。
[編集] あらすじ
ジェリー・サンダース(パトリシア・ピアシー)は父を亡くし、母のナオミと妹アルマの3人暮らしである。1975年夏、彼女の住むジョージア州の大西洋岸にある田舎町フライクリークを襲った嵐は高圧線を切断し、30万ボルトの電流が地下に流れた。ジェリーは恋人ミック(ドン・スカーディノ)を迎えに行くにあたり、嵐で荒れた道を通るために隣家のミミズ養殖業者の息子ロジャー(R・A・ダウ)に作業用トラックを借りるが、彼女に恋慕していたロジャーは内心穏やかでない。ミックはジェリーの家に行く途中、町の喫茶店で飲み物を注文したが、その中に1匹のミミズ(ゴカイ。以後、原作に従いミミズで統一)が入っていた。居合わせた保安官や町の人々の、よそ者への冷たい視線にミックは辟易するが、それが恐怖の始まりだった。
ミックとジェリーは町の骨董品屋へ行くが、主人はおらず、白骨死体を見つけた。しかも、あわてて保安官を呼んできた時には白骨は消え失せていたのだった。偶然ロジャーに借りたトラックにその白骨死体が隠されているのを発見したミックは、隠した犯人はロジャーだと考え、ジェリーにロジャーを釣りに誘わせて、その間に白骨が骨董店の主人だと確認した。だが、1日足らずでなぜ死体が骨だけになったのか?
湖で釣りをしていたロジャーは、ここぞとばかりジェリーに恋を打ち明け、強引に抱き寄せようとして彼女に突き飛ばされる。そして、なぜか凶暴化していた餌箱のミミズの群れに顔を突っ込んだ。何匹ものミミズに顔を食い破られ、ロジャーは湖に落ちて行方をくらます。やっとミックと落ち合うジェリー。しかしミミズが大群となって1人また1人と住民を襲う。高圧線から流れる電気でミミズたちが凶暴化して人を食い始めたのだ。すべてを食い尽くすミミズたち。水道やシャワーからも大量のミミズが流れ出し、ジェリー一家はミミズ地獄に飲み込まれる。母親のナオミも襲われ、食われる。部屋中ミミズの海と化す。家の2階へ逃げるミックとジェリーを追って、ミミズに食いつかれて狂ったロジャーが来た。ミックは格闘の末ロジャーを倒し、彼はゴカイの渦の中に消えていった。恐怖の一夜が明け、ミックとジェリー、それに妹のアルマは生き残った。何も知らない電力会社の作業員が、高圧線の修理が終わった事、しかし不思議にも町民が誰もいなくなった事を伝える。
[編集] ゴカイパニック
1975年に実際に起こった事故をヒントに、B級専門のAIPが製作したパニック映画である。監督のジェフ・リーバーマンは、リアルさを出す為にマクロ撮影でゴカイのアップを撮影。バーの飲み物の中からゴカイが出てくる伏線や、シャワーの穴からゴカイが出てきて降り注ぐなど生理的にくる演出が際立った。そのためにゴカイの調教師まで雇ったとのことである。
本物を使用していないシーンでは、若い頃のリック・ベイカーが特殊メイクを担当。死んだ男性の腹の中がゴカイまみれだったり、男の顔を食い破ってゴカイが血管の中へ這いずっていくおぞましいメイクなどが話題になった。部屋中いっぱいになったゴカイに襲われるシーンで、作り物のゴカイの下で俳優の演技に合わせ生きているかの如くぶるぶると震わせていたのは、これもまた若い頃のジェームズ・キャメロンである。
カテゴリ: アメリカ合衆国の映画作品 | ホラー映画 | 1976年の映画