シヴィライゼーション
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シヴィライゼーション (Civilization) はゲームデザイナーのシド・マイヤーがデザインをしたシミュレーションゲームで、1991年にマイクロプロース社によって発売された。その後も複数のメーカーから多数の続編が発売されており、2006年7月現在では、全世界で累計700万本以上が販売されている[1]。このゲームの目的は、偉大な文明をその基礎から育て上げていくことである。ゲームは古代から始まり、現代そして近未来へと発展していく。
インターネットを利用して複数人でプレイできるバージョンも登場した。また、オープンソースのソフトウェア(GPL)として、Freecivというゲームも存在している。
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[編集] プラットフォーム
シヴィライゼーションは、MS-DOSで動作するIBM互換機で発売された。それ以後、WindowsやMacintosh、Linux、Amiga、それにスーパーファミコン、プレイステーション等に移植された。シヴィライゼーションIII以後は、フィラクシス社が開発を行い、インフォゲームズ社が販売した。
[編集] 解説
シヴィライゼーションは、一人用のゲームである。後に多人数対戦用のCivNetが発売され、続編には当初からその機能が組み込まれている。プレイヤーは、ある文明の支配者として、1つか2つの植民者 (Settler) ユニットから帝国の建設を始める(IIIでは、労働者 (Worker) ユニットも与えられる)。2つから6つの競争相手となる文明を設定することができる。ゲームはターン制であり、細かく行動を決めていく必要がある。紀元前4000年からゲームは始まり、21世紀にゲームは終了する。その間にユニットを使い、新しい都市を作り、大地を均し、鉱山を開発し、道、そして後には鉄道を建設することが出来る。
探検、戦争、外交の3つは重要な戦略ではあるが、より細かい戦略も重視される。どの都市でどのユニットを生産し、どこに新しい都市を作るか、それにどのように最大の発展をするために都市の周囲を開発していくかもプレイヤーの手にゆだねられる。時にはバーバリアンと呼ばれるどの文明にも属さないユニットが都市を襲撃することもある。(バーバリアンは、全ての土地が発見された後には登場しない。)
ゲームを始める前に、どの文明を選ぶか決める。それぞれの文明には得意、不得手とする分野があるが、基本的に序盤にしか影響を与えない。文明の真価はプレイヤーではなく、コンピューターが動かす時に発揮され、文明ごとに戦略方針が変わってくることに表れる。例えばアステカ文明は、強硬な拡張主義を取り、外交より戦争を選ぶ。他に、アメリカやモンゴル、ローマ等の文明を選択することができ、それぞれの文明を代表する歴史的指導者によって指揮される。
時代が進むにつれ、新しい技術が開発される。序盤は、陶芸や車輪、それに文字といった技術しか開発できないが、終盤には核技術や宇宙飛行なども開発できるようになる。最初に有効な技術を手に入れることは大きな優位をもたらす。技術の開発により、新しいユニットの生産や都市を発展させる技術の利用、それにその技術から派生する新たな技術の開発ができるようになる。新しい技術はそれまでに獲得された1つ、または複数の技術の組み合わせを元に達成される。車輪の技術を開発する事によりチャリオット・ユニットを生産できるようになり、陶芸の開発終了により、貯蔵用陶器を手に入れたことで穀物貯蔵所を利用できる。このように技術を開発するごとにさらに他の技術が開発できるようになることを、枝分かれする木に例え「テクノロジーツリー」と呼ぶことがある。これ以後、他のゲームでもこのアイデアは利用される。
(テクノロジー・ツリーのアイデアは最初イギリスで発表され、アメリカではアバロン・ヒル社から発売された同題の多人数ボードゲームに由来する。)
[編集] シリーズ
[編集] Sid Meier's Civilization
1991年にマイクロプロースより発売。1994年にSFC版、1996年にはPS版も発売されている。
[編集] Advanced Civilization
1995年にアバロン・ヒルより発売。自社のボードゲームのコンピュータゲーム化で、シド・マイヤーは関わっていない。
[編集] Sid Meier's Civilization II
1996年にマイクロプロースより発売。メディアクエストよりWindows3.1用の日本語版が発売されている。
- Civilization II: Gold Edition
- Civilization II: Test of Time
[編集] Civilization: Call to Power (CTP)
1999年にアクティビジョンより発売。アバロン・ヒルよりCivilizationに関するライセンスを受けたため、マイクロプロースとの裁判となった。裁判の結果、マイクロプロースよりライセンスを受けることになった。シド・マイヤーは関わっていない。Linux版も存在する。同年にサイバーフロントより日本語版が発売されている。
本家Civilizationと異なり、近未来の技術が大きく拡張されていた。例えば、海底や宇宙空間にも都市を作ることができた。
[編集] Call to Power II (CTP2)
2000年11月にアクティビジョンより発売。2001年にメディアクエストより日本語版が発売された。
[編集] Sid Meier's Alpha Centauri (SMAC)
2000年にフィラクシスより発売。同年にエレクトロニック・アーツより日本語版が発売された。
Civilizationの最終目標の一つである、アルファケンタウリへの植民後の世界を舞台とした作品で、SF的な内容なっている。
- Sid Meier's Alien Crossfire (SMAX)
[編集] Sid Meier's Civilization III
2001年にフィラクシスより発売。Mac OS X版も発売されている。サイバーフロントより日本語版が発売されている。全世界で300万本以上の売り上げを達成した。
- Sid Meier's Civilization III: Play the World (PTW)
- Sid Meier's Civilization III: Conquests (C3C)
[編集] Sid Meier's Civilization IV
2005年10月24日にフィラクシスよりWindows用のPCゲームとして発売。2006年6月にはMac OS X版も発売されている。また、同年6月17日にはサイバーフロントより日本語版が発売されている。2006年7月時点で、全世界で100万本以上の売り上げを達成している。
画面がフル3Dへと一新されている。
- Sid Meier's Civilization IV: Warlords
[編集] Freeciv
詳細はFreecivを参照
オープンソースのソフトウェアとして開発されている、Civilizationクローン。