グラクソ・スミスクライン
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グラクソ・スミスクライン (Glaxo SmithKline) はイギリスに本社を置く、世界第2位の売上と規模を誇るメジャー製薬企業であり、その日本法人のグラクソ・スミスクライン株式会社のことも併せて指す。略称はgsk
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[編集] 概要
ステロイド吸入剤などの気管支喘息治療薬やヒスタミンH2受容体拮抗薬「ザンタック®」などを開発・発売していたグラクソ社と、ゾビラックス(抗ヘルペスウィルス剤)やレトロビル(抗HIVウィルス薬)など世界で初めて抗ウィルス薬の開発に成功した強みがあるウエルカム社が1995年(日本法人は1998年)に合併してグラクソ・ウエルカム社となり、さらに世界初のH2ブロッカー薬タガメットや、オーグメンチン®(ペニシリン系抗生物質)、パキシル (SSRI) など世界的売上規模を誇る製品を開発・発売してきたスミスクライン・ビーチャム社が2000年に合併して発足した。(日本法人は2001年1月に合併)
ザンタック®とタガメット®は競合品であり、自社品同士での食い合いを避けるために、タガメットは他社販売へ移管している。(日本ではタガメット®は大日本住友製薬が販売、ザンタック®は三共とのコプロモーションという形で共同活動を行っている)
なお、グラクソウエルカム社、グラクソ・スミスクライン社それぞれの合併時に売上規模などが世界1位となったが、その後ファイザーがワーナー・ランバート(2000年)、ファルマシア(2003年)などを買収して世界1位となっている。
日本では、2002年にアース製薬とイギリス・ブロック・ドラッグが提携していた「ブロック・ドラッグ・ジャパン」(旧・小林ブロック=小林製薬子会社)の経営を統合し、ブロック社製造の商品もグラクソ・スミスクラインが受け持つようになる。2005年11月よりアラガン株式会社が輸入販売していたボトックスを扱うこととなった。
同社はあまり社名を前面に出さず、あくまで商品名だけで宣伝している。フジテレビ系列のワイドショー番組「とくダネ!」ではスポンサーのテロップに社名が書かれているが、「ご覧のスポンサーの提供でお送りします。」と他社とまとめて読まれる。また、サンスターや小林製薬に製品を供給していた頃は供給先の商品として扱われていたが、現在の供給先のアース製薬がスポンサーの番組内のCMではグラクソ・スミスクライン製造の商品は紹介されない。
[編集] 主な商品
[編集] 医療用
- パキシル 世界でもっとも多用されているSSRIの1つ。うつ病・うつ状態、パニック障害、強迫性障害に有効。塩酸パロキセチン
- フルタイド ロタディスク、ディスカス、エアー - 気管支の炎症を抑える吸入ステロイド剤。プロピオン酸フルチカゾン
- セレベント ロタディスク、ディスカス - 長時間作動型吸入β2刺激薬(気管支拡張剤)。キシナホ酸サルメテロール
- セレタイド・アドベアー (国内での商品名は不明)フルタイドとセレベントを組み合わせたもの。日本では未承認
- サルタノール インヘラー 世界で最もポピュラーな、気管支喘息発作を緩和する気管支平滑筋弛緩剤。短時間作動型吸入β2刺激薬。硫酸サルブタモール
- モダシン静注用 セフェム系抗菌薬
- オーグメンチン ペニシリン系抗菌薬(βラクタマーゼ阻害剤配合剤)
- ゼフィックス ラミブジン
- ヘプセラ アデフォビル
- ゾビラックス アシクロビル
- バルトレックス バラシクロビル
- ボトックス(日本及び中国)
- フルナーゼ アレルギー鼻炎に用いられる点鼻用ステロイド剤。プロピオン酸フルチカゾン
- クラバモックス 中耳炎専用のペニシリン系抗菌薬(βラクタマーゼ阻害剤配合剤)
- リレンザ 抗インフルエンザウイルス薬。ザナミビル
- ジルテック 抗アレルギー剤。蕁麻疹などの皮膚疾患やアレルギー性鼻炎に有効。塩酸セチリジン
[編集] 一般用
- コンタックシリーズ
- アクアフレッシュシリーズ (アース製薬と提携、かつてはサンスターから発売されていた。)
- ポリデントシリーズ(アース製薬と提携、かつては小林製薬から発売されていた。)
- ポリデント
- ポリグリップS
- シュミテクト(アース製薬と提携、かつては小林製薬から発売されていた。)