クーロンズゲート
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クーロンズゲートは1997年にSMEが発表したプレイステーション用のゲームソフト。 開発に約4年の年月を費やし、四神獣の青龍・白虎・朱雀・武玄を冠した4枚組ソフト及び超壮麗なCGで当時としては異色の作品。 音楽は蓜島邦明が担当。 開発に携わったメインのメンバーは後に『是空』というグループにて独立。その後更にエニックスと契約し『プラネットライカ』という作品を発表するも振るわず、その当時業界トップを走るエニックスが保身のため脅威となる新人を潰したと噂された。
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[編集] ストーリー
時代設定は1997年、中国返還前の香港。主人公は香港最高風水会議の超級風水師である。物語は陰界(注釈1)の九龍城が陽界に姿を現したことを発端とする。
どうやら原因は陰界においては四神獣の見立てが行われていないことにあるらしく、そのため気脈の流れが乱れ、最も邪気に歪んだ九龍城が陽界に姿を現すこととなったようだ。陰と陽が不用意に交わるようなことがあると世界の存在自体に大きな影響をもたらすこととなるため、主人公は陰界の九龍城に潜入する。
注釈1 : 陰界=陽界である現世とは表裏の関係にある世界。同一時間軸上に存在するが決して互いに交わることのない世界
注意 : 以下はこの物語で提供された哲学的なテーマに関する考察を含む。 このため、ゲーム内容に関する事項について一部触れる可能性がある。
[編集] 妄人と鬼律
クーロンズゲートの世界で最も重要なファクターは「妄想」である。 気脈の流れが乱れ、邪気に満ちた九龍城では妄想にも邪気が取り付き異常な事態を引き起こすことが多々存在するようである。 その最も極端な形が「妄人(ワンニン)」と「鬼律(グイリー)」である。
[編集] 妄人(ワンニン)
人間の妄想に邪気が取り付いた結果が妄人である。妄人は「物」に執着しすぎたるあまりに、その「物」自体になってしまった人間のことである。
鍵穴からのぞくことに喜びを感じていた男が妄想のあまり「鍵穴男」に、ボイラーが好きだった男が「ボイラー男」に・・・といった具合に妄想をしているうちにいつしか自分自身がそのものになってしまった哀れな人間である。そして、皮肉なことに「物」となってしまった彼らにとって唯一人間らしい意思を保ち続けることが:できる行為が「妄想すること」なのである。妄想することをやめたとき、彼らは本当に物になってしまうのだ。
[編集] 鬼律(グイリー)
鬼律は妄人とは逆に、物に邪気が入り込み意思を持ったものである。日本で言うところの「物の怪」というものがこれに相当する。大切に使われた道具や、長い間使われた道具には命が篭るといわれているが、クーロンズゲートにおける鬼律はそれが最も不愉快な形で具現化した代物であろう。邪気に侵されたクーロンズゲートの鬼律は人を襲い、邪気を放ち、人を妄人に変える。
鬼律は鬼律になる以前の物であったころの姿の面影を残している。彼らを葬り去る最良の方法は、鬼律に宿った邪気を相克する邪気をぶつけることである。
[編集] 双子と鳴力(ミンリー)
妄想と並ぶ大きなファクターとして双子の存在もある。日本においても古来から双子の間には不思議な共鳴があるとされ、お互いの居場所を感じあえたり、片方が怪我をするともう片方の同じ部分に痣が現れるなど、不可思議な話が多く存在する。クーロンズゲートにおいてはその力を鳴力(ミンリー)と呼び、奇跡を起こす不思議な力として人工的に双子を作るようなプロジェクトも存在している。