アスラクライン
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『アスラクライン』は、2005年7月より電撃文庫から出版されているライトノベル作品。 原作:三雲岳斗、挿絵イラストレーター:和狸ナオ。
目次 |
[編集] 概要
2006年9月10日現在5巻まで発売。
文庫本が長編主体であるのに対し、電撃hpにおいて不定期連載中の「アスラクライン・P(ポータブル」は本編では語られなかった「サブキャラクター主体のストーリー」や「メインキャラクターのサイドストーリー」、「文庫本では描ききれない珍妙なストーリー」といった補完的な要素が強い。また、メディアワークス出版の公式海賊本「電撃hpa」(でんげきヘクトパスカル) に外伝「アスラクラインのようなもの」が掲載されている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ストーリー
高校1年生を期に一人暮らしを始めることにした主人公・夏目智春。彼は3年前から幼馴染の美少女水無神操緒の幽霊に取り憑かれていた。 智春の兄、夏目直貴が暮らしていたオンボロ屋敷・鳴桜邸(めいおうてい)に引越しした日、鳴桜邸に二人の美女が訪ねてきた。兄、直貴から託されたという銀色のトランクを届けにきた黒のスーツの美女・黒崎朱理、そしてその晩、トランクを奪いに鳴桜邸へ忍び込んだ巫女装束の美少女・嵩月奏。 この銀色のトランク「イクストラクタ」を手にした事から、智春は世界の真実と向かい合ってしまうこととなる。この世界は一度滅び、「悪魔」の力を借りる事でリセットしてやり直した「二巡目の世界」なのだと・・・。
[編集] 登場人物
[編集] メインキャラクター
- 夏目智春(なつめ ともはる)
- 洛芦和(らくろわ)高校に入学した高校一年生。容姿・中身と共に平凡な幽霊憑きにして不幸体質。幽霊の操緒とは幼馴染であったが、3年前の成田発メイデン・アトランテック航空MS901便ヒースロー行きの航空機の墜落事故後は、守護霊となった?操緒に取り憑かれ続けている。
- 家族構成は少々複雑。父親は幼少の頃に他界、5歳上の兄、直貴とは一方的な音信不通(状態)。母親が数ヶ月前に再婚したために新しい父親と妹ができたが、なじめず一方的に家を飛びだした。実は食事の席上で言葉に詰まった智春が「幽霊って信じる?」と妹の和葉に話を切り出したところ、その電波的ともとれる発言で場の空気を凍りつかせてしまったためである。智春本人はこの件が溝を作ってしまったとして一人暮らしを始めた。
- 一巡目の世界の遺産である機巧魔神(アスラ・マキーナ)と呼ばれる機神を操作できる演操者(ハンドラー)の一人。操る機神は黒鐵(クロガネ)。黒鐵そのものは高い性能を持つが、演操者が未だ未熟であるため、数度に渡る暴走を引き起こしてしまっている。
- 幽霊である操緒や悪魔っ娘の奏、クラス役員の佐伯玲子、妹の苑宮和葉など多くの異性から好意を持たれているという「PCゲームの主人公」的な面がある。恋愛感情は「思春期特有の異性に対する憧れ」要素が強く、特定の相手に関する感情はまだ持ち合わせてはいない様子。
- やや優柔不断な性格であり、操緒は智春を「ヘタレ童貞」と蔑むことが多々。原作者の三雲岳斗本人の智春評も同。また、重度の高所恐怖症で、本来なら飛行機にも乗れない程。
- 水無神操緒(みなかみ みさお)
- 双子座、AB型の智春の幼馴染。現在は幽霊。3年前。智春と一緒に飛行機事故に遭遇し行方不明となったが、事故の後、智春の守護霊と称して彼の前に現れ、現在も取り憑いている。「普通の」幽霊とは多少違った存在(生前同様に容姿が成長し続けている点など)であった。
- 喜怒哀楽がはっきりしており、ズケズケとものをいう性格。またかなりのヤキモチ妬きであり、智春の一挙手一投足に対しツッコミを入れてくる。
- 空を飛んだり姿を消すこともできるが、智春からは10数メートルしか離れられない。
- その正体は機巧魔神を動かすために生贄として捧げられた副葬処女(べリアル・ドール)である。幽霊に見えるのは射影体と呼ばれる疑似感覚的情報入出力デバイス。立体映像に近いが、通常の人間の眼には見えない(他の演操者や悪魔、ないし人工的に視力を強化した状態であれば見える。操緒は後にある理由から一般人にも見える様になる)。彼女自身(本体)は機巧魔神内で生贄として今も眠りながら生き続けている。
- プロフィール身長、159cm。体、0g(本体は推定41kgくらい)。誕生日、6月7日。趣味、智春いじり、ツッコミ。以上、アスラクライン・ヒロインズより抜粋。
- 三雲岳斗本人曰く、「幸薄ヒロイン」。
- 黒崎朱浬(くろさき しゅり)
- 引越しの日、智春に銀色のトランクを渡しに現れた、黒いコート姿に赤い眼鏡をかけた謎の美女。
- 洛芦和高校2年4組に在籍。科學部(「科学部に非ず」)部長代理。
- かなり傍若無人な性格。以後、事あるごとに智春は振り回される羽目になる。
- 夏目直貴の知人で、トランク「イクストラクタ」は彼から言付かった物。
- 実は多くの秘密を抱えている。彼女も智春と同じ飛行機で事故に遭い、瀕死の重傷を負った。そして・・・。
- 嵩月奏(たかつき かなで)
- 引越しの日の晩、トランクを盗み出そうと鳴桜邸に忍び込んだ謎の美少女。友春とは同じ1年7組のクラスメイトであった。ストレートロングの黒髪、容姿端麗・スタイル抜群(胸のサイズは推定Fカップ以上)。
- その正体は二巡目の世界に存在する悪魔の中でも高位の存在、嵩月家の令嬢である。悪魔としての能力は高く、「嵩月一族の炎舞」とよばれている。この技は自身の血液を二千度以上の地獄の業火に変えることができる嵩月奏最大の技であり、攻守ともに優れた技でもある。だが、この能力は体内の血液を武器として搾り出す諸刃の剣でもあり、多用はできない技である。悪魔としての本性を出したときのみ、左目の色が通常の黒から翠緑玉のような濃い緑色に変わる。
- 実家の嵩月家はヤクザであり、奏は家業を嫌って家を飛び出し、親戚の家に滞在中。母親は既に故人。
- 性格は大変な人見知りで物怖じが激しい上、話すのも話しかけるのも苦手だという(苦手というよりむしろ下手)。これは、並みはずれた美貌が近寄りがたい雰囲気をかもし出していていたことと、実家がカタギではないことに由来すると思われる。そんな境遇の中、初めて気軽に接してくれた友人が智春であり、秘かに恋愛感情を抱いている。
- 巨乳、悪魔、ネコ耳(低気圧だとそうなってしまうらしい)などアスラクライン登場キャラ中、最も多くの属性を持ち合わせている。
[編集] サブキャラクター
[編集] 科學部・第三生徒会関連
- 樋口琢磨(ひぐち たくま)
- 智春の同級生で悪友。基本的に女好きのお調子者。
- 重度のオカルトマニアで、そもそも智春に近づいたのも「幽霊憑き」の噂を耳にした為である。
- 情報の収集と分析(特にオカルトと女性関連)にかけてはかなり優秀である。
- 外見は比較的まともなので時には女性とつき合うこともある様だが、話題がオカルト限定である為、智春によれば年平均5回程のペースで失恋しているという。
- 市原教諭(いちはら)
- 洛高の化学教師。科學顧問。
- 20代後半。身の回りに気を使わないタイプ。
- 夏目直貴や黒崎朱浬に散々付き合わされている為、滅多な事では物事に動じない。また、そのおかげで「妙な特技」が多く、船舶免許まで所持している。
[編集] 第一生徒会・神聖防衛隊
- 佐伯玲士郎(さえき れいしろう)
- 洛高第一生徒会会長。朱浬と同じ2年4組に在籍(このクラスは、真日和の言うところの「特殊監理クラス」であると思われる)。
- 真面目で融通の効かない性格。
- 本来、生徒会長の任には3年生が当たるが、前任者の雪原遙がGDに引き抜かれた後を受けて就任した。
- 機巧魔神「翡翠」の演操者。
- 哀音(あいね)
- 「翡翠」の「副葬処女」。佐伯兄妹の従姉妹で、幼馴染であったらしい。
- コンピュータ並みに記憶力や計算能力に優れ、玲士郎の秘書的役割を果たしている。
- 常時白い衣服を着ているのは玲士郎の趣味によるもの。
[編集] 第二生徒会・巡礼者商連合
- 真目和秀(まひわ しゅう)
- 洛高第二生徒会会計。1年9組在籍。実は留年している(洛高では留年する者が比較的多い)。
- つかみどころのない飄々とした性格。基本的に悪人ではないが、金が第一である。六夏の命令には逆らえない。
- 風斎一族の悪魔と契約し、「使い魔」の風獣ヴィヴィアンを使役する。彼の契約悪魔は作中未登場である。なにか事情があるらしい。
- 語尾に「ッス」をつける癖あり。
- 倉澤六夏(くらさわ りつか)
- 第二生徒会会長。金の亡者で性格に少なからぬ問題あり。自己中心的でキレやすい。
- 普段は三つ編みメガネで偽装している。素顔は美人ではあるが、どちらかというと悪人面。
- 機巧魔神「翠晶」の演操者。
- とんでもない甘党で、あんドーナツなら1日20個はいける、という。愛用の飲み物はバナナ牛乳砂糖増量。精神安定剤代わりにしているとの説も。
- 姫笹
- 「翠晶」の「副葬処女」。
- 哀音と同様、情報の収集・分析能力に優れ、六夏の秘書役を務めている。智春は何らかの拡張機能によるのではないかと推測している。
- 沙原 ひかり(さはら ひかり)
- 洛高の2年生で六夏の友人(下僕?)。校内美化委員会委員長。第5巻の口絵では「沙原ひかる」となっているが、これは誤植。
- 小動物属性で、智春は「垂れ耳(ロップイヤー)ウサギ」と形容する。
- 実は下位の悪魔。瞬間移動能力を持っている。第一生徒会に殺されかかったところを六夏に救われたらしい。
[編集] 洛芦和高校一年七組
- 大原杏(おおはら あん)
- 智春のバイト先の酒店の娘。陸上部所属。智春に好意をもっている。
- 分け隔てのない明るい性格で、クラスのムードメーカー。ちなみに病院嫌い。
- なぜか頻繁に智春と朱浬が「誤解されかねない状態」にある時に遭遇する。その度に「誤解」し、智春がなだめるのに苦労することになる。
- 佐伯玲子(さえき れいこ)
- 玲士郎の妹。ブラコン。
- 智春に気があるようだが、表面上は事あるごとにきつく当たる。
- 典型的な「委員長」。
- 柱谷圭一郎教諭(はしらたに けいいちろう)
- 1年7組担任。フルネームは第2巻口絵より。ただし由璃子は第4巻で「かっちゃん」と呼んでいた。
- 由璃子の夫、即ち契約者で、第2巻の事件以降は使い魔「キャメロン」を従えている。
- 旧家の子息らしく、自宅はちょっとした屋敷である。
- アニア・フォルチュナ・ソメシェル・ミク・クレウゼンブルヒ(ニア)
- 北欧出身で運食らい(ラックイーター)の悪魔。機巧魔神から副葬処女を開放する方法を知っている。
[編集] 夏目家(現、苑宮家)親族
- 苑宮和葉(そのみや かずは)
- 父親の再婚で智春の義妹となる。射影体を認識できる(本人曰く、祖母の遺伝)数少ない一般人。
- 夏目直貴(なつめ なおたか)
- 智春の実兄。常人離れした天才。智春にとってはある意味で諸悪の根源。
- 苑宮久沙子(そのみや ひさこ)
- 旧姓夏目。智春の実母。第1巻以外に登場が無く、名前はアスラクライン・Pで登場。職業は看護士。
[編集] その他キャラクター
- 潮泉老人(しおいずみ)
- 奏の親戚筋にあたり、鳴桜邸の大家。渦巻き好き。第2巻で玲士郎の翡翠を修理した。
- 潮泉律都(しおいずみ りつ)
- 奏の従姉妹。第4巻でようやく名前が登場。即興で解熱剤を作ったり、破損した朱浬の右腕を修理するなど、芸が細かい。
- 八伎(やぎ)
- 嵩月組の若頭。料理がうまい。
- 奥沼(おくぬま)
- 佐伯家に使える執事。
- 華島〈柱谷〉 由璃子(かしま/はしらたに ゆりこ)
- 桂一郎の妻にして契約悪魔。幼い頃、一族の後継ぎ問題で柱谷家に養女に出された。
- 雪原遙(すすぎはら よう)
- 白銀の演操者。智春曰く、ヅカ王子。
- 黒崎紫浬(くろさき ゆかり)
- 白銀の副葬処女。朱浬の双子の妹。
- 千代原はる奈(ちよはら はるな)
- 亜鉛華の演操者。はんなりとした京都弁を使う。朱浬曰く、マロ眉
- 加賀篝隆也(かがかがり たかや)
- 薔薇輝の演操者。本職は世界的に有名なギタリスト。
- 琴里(ことり)
- 薔薇輝の副葬処女。
- クルスティナ・フォルチュナ・ソメシェル・ミク・クレウゼンブルヒ(クリシィ)
- アニアの姉で、加賀篝隆也の契約悪魔。
[編集] アスラクライン・Pのキャラクター
- 園生(そのお)
- アスラクライン・P『いってらっしゃいの幽霊』に登場したゲストキャラ。苑宮の自宅マンションでは噂の自縛霊。
- 生前は演操者だった。凛という悪魔を愛してしまったが為に自身の副葬処女の怒りを買い、機巧魔神が暴走。世界を滅ぼしかねないその力を封印する為に機巧魔神の能力を使って封印、自縛霊となった。最期は智春と黒鐡の手によって眠りにつく。
- 露崎波乃(つゆさき はの)
- アスラクライン・P『ずっとキミを見てた』に登場したゲストキャラ。故人である。難病を抱え、中学二年の春から入院生活と送っていた。
- 智春と樋口を題材にボーイズ・ラブの小説を書いていた。その二年後に出版社によって日の目を見ることになり、一躍大ベストセラー。映画化も決定した。ちなみに、帯には『夭折(ようせつ)した少女が残した遺した究極の純愛小説』とあった。
[編集] 用語解説
[編集] 機巧魔神関連
- 機巧魔神(アスラ・マキーナ)
-
- 悪魔によってもたらされた二巡目の世界において、悪魔に対抗するため生み出された機械製悪魔と言うべき魔神(機神)。身長は4メートル前後。召喚に応じて演操者の影から出現し、演操者の命令に従って動くが、時として暴走する場合もある。特に演操者の体調や精神状態に左右されやすく、心身の状態によっては召喚できない場合もある。
- 夏目智春が手に入れたトランク「イクストラクタ(ヒルベルト・イクストラクタ)」は、自らの質量と引き替えに並行宇宙から機巧魔神を召喚する、システムの一部。
- 機巧魔神には機体ごとに特性があり、それぞれ強力な特殊能力を有している。召喚時や特殊能力使用時には各機ごとに異なる呪文を紡ぐ。
- その数は少ないが、中でも10機しかない金属の名を冠したものは特に強力かつ貴重で、GD(ガーディアン・ドラグーン:関東学生連盟・武装生徒指導員)とは本来は金属名の機巧魔神を有している者のことを指す。
- 何種類かのプラグイン(機能拡張用の増設部品)が存在するらしい。作中に登場した「スタビライザ(ベリアル・ドール・スタビライザ)」は、演操者と副葬処女の接続を強化する「安定装置」。副作用として斜影体が鮮明化し、通常の人間にも知覚できるようになる。また、哀音や姫笹は、情報収拾や解析の面で明らかに操緒より高性能であり、何らかのプラグインを内蔵しているのではないか、と智春は作中で推測している。
- 第5巻までに登場した機巧魔神は以下の通り。
- 黒鐵(クロガネ)
- 演操者:夏目智春、副葬処女:水無神操緒、武器:重力制御
- 漆黒の魔神。機巧魔神の中でも最強クラスのパワーを誇る。「黒の拳撃」は、ブラックホールのような高重力の球体で敵を攻撃したり、空間を歪曲させて防御壁を構成する事ができる。
- 時間停止状態でも稼動する事ができる。事象の地平面では時間の流れが存在しない、とする仮説による。
- かつてはその演操者はGDの1人で盟主の側近「左手(シニストラ)」と呼ばれていた。
- 本来、黒の字は旧字。
- 呪文は「闇より暗き深淵より出でし・・・其(そ)は、科学の光が落とす影!」
- 翡翠(ヒスイ)
- 演操者:佐伯玲士郎、副葬処女:哀音、武器:極低温
- 透き通った淡緑色(アイスグリーン)の魔神。高周波を発して絶対零度近い極低温を作り出す。氷弾、吹雪、氷壁、凍結などその戦術は多彩である。
- 呪文は「闇より静けき氷海に眠る・・・其は、科学の音に凍てつく影!」
- 藍銅(ランドウ)
- 演操者:元第一生徒会会長、副葬処女:不明、武器:不明
- 土琵湖の湖底に沈んでいた腕の持ち主。柱谷由璃子及びキャメロンと交戦して引き分け、損傷した。
- 2年前に卒業した当時の第一生徒会長が演操者であった事以外の詳細は不明。
- 白銀(シロガネ)
- 演操者:雪原遙、副葬処女:黒崎紫浬?、武器:空間切断
- 銀色の魔神。武器である銀色の剣は、物質ではなく空間そのものを切断する為、切れない物はない。また切断された空間の断層に呑み込まれた物は何処かへ消失してしまう。
- 黒鐵と対になる機巧魔神。体色を除いてはそっくりの形状で、相互に共鳴する。かつてはその演操者はGDの1人「右手(デストラ)」と呼ばれていた。
- 呪文は「闇より深き深淵より出でし・・・其は、科学の幻影(かげ)を裁く剣!」
- 薔薇輝(ロードナイト)
- 演操者:加賀篝隆也、副葬処女:琴里、武器:時間停止
- 薔薇色の魔神。両腕から伸びる鉛色の鎖(少なくとも6本を装備)は、縛った物体の時間を停止させる。演操者が魔神相剋者である為、通常より強力である。
- 呪文は「闇より永き悠遠より覚めし・・・其は、科学の鎖が縛る刻!」
- 亜鉛華(アエンカ)
- 演操者:千代原はる奈、副葬処女:不明、武器:爆発
- 白い魔神。両手の指先から伸びる糸は、巻きついた対象物を爆発物に変える導火線となる。切断したところから点火する為、いったん巻きつかれたら糸を切っても逃げられず、防御は困難。
- 呪文は未登場。
- 翠晶(スイショウ)
- 演操者:倉澤六夏、副葬処女:姫笹、武器:水
- 翠(みどり)色の魔神。水を自在に操る他、物質液化能力「清浄なる融解(クリスタリン・メルトダウン)」は、物質の分子結合を解いて液状に分解する。
- 呪文は「闇より刮(きさ)ぎし氷晶(ひょうしょう)より出でし・・・其は、科学の涙が融かす翳(かげ)!」
- この他、洛高以外の所属と思われる名称不明の演奏者が2名登場している(第4巻)。
- また、「電撃hp」掲載の「アスラクラインP」には、暴走して封印された名称不明の魔神が登場する(第5巻までの文庫には未収録)。
- 副葬処女(べリアル・ドール)
-
- 機巧魔神を動かすための「贄」として機巧魔神の中枢部に収められている少女。
- 通常時は演操者の脳の一部を使って幽霊のような姿で存在しており、演奏者が機巧魔神を呼び出すと機巧魔神と一体化して戦う。当然、機巧魔神が破壊されれば死んでしまう。
- 通常その姿は、悪魔か演操者、あるいは電子的に視力を増幅したものでなければ見ることはできない(稀に写真やビデオには写ってしまう事がある)。「声を聞くのはもっと簡単」との事だが、いずれにせよ一般人には知覚できない。
- 演操者(ハンドラー)
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- 機巧魔神を召喚し「演操(ハンドリング)」することの出来る人間。演操は演操者の心身を消耗させ、過度の消耗は魔神の暴走につながる為、長時間あるいは連続しての使用は危険である。
- 機巧化人間(フェミナ・エクス・マキーナ)
-
- 骨格と筋肉と感覚器官の一部を黒科学の装置で置き換えた、いわゆるサイボーグ。ショットガンやミサイルなど多数の武器を内蔵し、ユニットの接続で飛行も可能。黒崎朱浬には機巧魔神の部品が移植されており、自分自身を副葬処女として機巧魔神と同等の力を振るうことができるが、身体構造が負荷に耐えられない為、一度の使用ごとに修理が必要。なお、本人いわく「顔と胴体は自前」との事。
- 朱浬の能力は、右腕から発射して目標を破壊する弓矢状の魔力弾。ただし使用後には右腕が大破して使用不能になる。呪文は「闇より昏(くら)き絶望より射ゆし・・・其は、科学の罪に嘆く牙!」
- 機巧護衛機(カスタス・マキーナ)
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- 蟹に似た自動戦闘機械。何種類かが確認されており、形式によっては強酸性の泡などの武器を装備。洛高の地下遺跡の防衛に当たっていた。
[編集] 悪魔関連
- 悪魔
-
- 一巡目の世界が終わる時、世界人口の全てを生贄に二巡目の世界をスタートさせた存在。契約の代償として、二巡目の世界においては肉体を持つ存在となった。嵩月家は高位の悪魔の一族である「華鳥風月の四名家」のひとつ。他に風斎(かざとき)一族・華島(かしま)一族などがある。「鳥」の名を冠する家のみ不明。
- 契約者(コントラクタ)
-
- 悪魔と「契約」を結んだ人間の事。使い魔は契約者に従属し、本能的に契約者の身を守ろうとする。契約者の心が悪魔から離れると、悪魔は「非在化」し、消滅してしまう。
- 使い魔(ドウター)
-
- 悪魔が契約者に与える力の具現化した象徴として、契約者に従属する獣。悪魔の属性によって様々な特殊能力を有し、機巧魔神に匹敵する戦闘力を持つ。初めて人間と契約(性行為)を結んだ悪魔だけが、異世界(ヒルベルト空間)から自分の分身として使い魔を召喚できる(即ち悪魔1人につき1体のみ)。幼体と成体の二つの形態があり、成長の条件は不明であるが、親の悪魔と契約者の関係が悪いとなかなか成長しないようである。契約者に見捨てられた使い魔を「はぐれ眷属(ロスト・チャイルド)」と呼ぶ。
- 第5巻までに登場した使い魔は以下の通り。
- キャメロン
- 柱谷教諭と由璃子の契約による使い魔。雷獣。ヌエを模している。巨乳好き(D以上)。
- ヴィヴィアン
- 真日和秀と風斎一族の悪魔(未登場)の契約による使い魔。風獣。カマイタチを模している。魚肉ソーセージと酒が好物。大型犬に似ているが、犬と呼ばれると怒る。
- イングリッド
- 加賀篝隆也とクルスティナの契約による使い魔。軟体獣(スライム)。人間の女性や黒豹に擬態できる(バビル2世のロデムがモチーフと思われる)。軟体化してわずかな隙間にも潜り込む事ができ、触手と化して敵を攻撃する。契約者が魔神相剋者である為、通常より強力である。
- 智春が幻視した「一巡目の世界」で、嵩月奏は「供与者(ドウター)」の一人、と呼ばれていたが、現在のところ関連は不明。
[編集] アスラ・クライン
- 魔神相剋者(アスラ・クライン)
-
- 機巧魔神と使い魔の両方を有する存在。演操者であると同時に契約者でもある。魔神相克者の機巧魔神と使い魔は互いに共鳴し、通常の機巧魔神や使い魔よりも遥かに強い力を発揮する。この状態を「慟哭する魔神(クライング・アスラ)」と呼ぶ。
- 演操者と契約者、どちらの立場から見ても本来の在り方とは違うイレギュラーな存在であり、特に第一生徒会はこれを認めていない(佐伯玲士郎らが嵩月奏と夏目智春を特に危険視しているのはこの為である)。
- また、その性質上、副葬少女と悪魔の二股の関係になることは必至であり、契約した悪魔の非在化を起こす要因となることもある(副葬少女にも何らかの悪影響があるのかもしれない)。
[編集] その他
- 殺人人形(ウィジェット)
-
- 遠隔操作が可能な機械仕掛けの人形。洛高第二生徒会、本編中では主に真日和秀が使用する。そこそこ高価な品で、六夏によれば、16体分で「スポーツカーの新車がポンと買える」程の金額になるらしい。
- 護法装甲 / 護法弾頭
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- 術式で強化された装甲及び弾頭。機巧魔神の外装などは護法装甲である。非常に強靭で、通常の手段では破壊する事は困難である。
- 護法弾頭には銃弾、榴弾、徹甲弾などが有り、「座天使級」など天使の階級名で威力がランク付けされている。所持や使用には許可が必要らしい。