XDピクチャーカード
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xDピクチャーカード(xD-Picture Card)は、富士フイルムとオリンパスが開発したメモリーカード規格である。2002年9月発売。
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[編集] 概要
メディアのサイズは長さ20.0mm×幅25.0mm×厚さ1.7mm、重さは2gで、主要なメモリーカード規格では最も小型となっている。
裏表、前後方向の誤挿入防止のため、断面形状が非対称である。 端子は18pinで裏面に配置されているが、剥き出しである為に容易に指で触れることが出来てしまうので、取り扱いには細心の注意が必要。
転送速度は後述の#データ転送速度を参照のこと。
両社はこれまでデジタルカメラの記録メディアとしてスマートメディアを採用していたが、メディアの大容量化が限界に達していたこと、機器の小型化に際してより小型の形状が求められたこと、書き込み・読み込み速度が遅いことを理由とし、新たな規格を開発した。
しかし、ライバル規格と言えるSDメモリカードはデジタルカメラ以外にもオーディオ、ビデオ、携帯電話などにも利用されているのに対し、xDカードはデジタルカメラしかサポートしていない(著作権保護機能がない)こと、採用メーカが発案者である富士フイルムとオリンパスの2社しかないことが、普及の障害となっている。
[編集] 容量
2002年9月発売時には、16MB,32MB,64MB,128MB。将来は8GBまで拡張される予定。
- 2003年1月、256MBが発売開始
- 2003年6月、512MBが発売開始
- 2005年3月、Type M(1GB)が発売開始
- 2006年1月、Type H(512MB) が発売開始
- 2006年2月、Type H(1GB) が発売開始
- 2006年3月、Type H(256MB) が発売開始
- 2006年9月、Type M(2GB) が発売開始
[編集] Type M
大容量化されたxDピクチャーカードの名称でMulti Level Cellの頭文字に由来する。2005年3月に発売された1GB製品から採用された。 転送速度は従来品よりも遅くなっている。
富士フイルムは「M1GB」というふうに容量表記の前に、オリンパスは「M-XD1GM」というふうに容量表記の後ろに「M」が付いている。
Type Mは新しい技術を採用しているため、各デジタルカメラで使用出来るかは確認が必要。
今後、8GBまでの大容量タイプはType Mで製品化される予定。
[編集] Type H
2005年11月にオリンパスによって発表された高速タイプのxDピクチャーカード。512MBが2006年1月、1GBが2006年2月、256MBが2006年3月に発売された。
書き込み速度は従来の2~3倍とされているが、オリンパスのデジタルカメラでの利用時に限られる。
[編集] データ転送速度
種類 | 容量 | 書き込み時 | 読み込み時 |
---|---|---|---|
無印 | 16MB~32MB | 1.3MB/秒 | 5.0MB/秒 |
無印 | 64MB~512MB | 3.0MB/秒 | 5.0MB/秒 |
Type M | 256MB~1GB | 2.5MB/秒 | 4.0MB/秒 |
Type H | 256MB~1GB | 5.0MB/秒~9.0MB/秒 | 8.0MB/秒~15.0MB/秒 |
- 但し、あらゆる機器でこの数値を保証するものではない。
- 無印はxDピクチャーカード登場時からあるものを指す。
- Type Hについては公式発表の「従来品の約2倍~3倍の速度」を元に推定。少ない数字はType Mを、多い数字は無印の64MB~512MBを基準にしている。