Q (スタートレック)
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Qは、SFテレビドラマ/映画『スタートレック』シリーズに登場する人物の「一人」。『新スタートレック(以下 TNG)』や『スタートレック:ヴォイジャー(以下 VOY)』にたまに登場する高次元生命体。ジョン・デ=ランシー他が演じた。日本語版での声は、羽佐間道夫など。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] Qとは?
Qには謎が多い。Q連続体と呼ばれる集団の一員の、一体の高次元生命体であり、人間ではない。寿命が無く、性別も自由自在で、どんな種族にもどんな生命体にも変身でき、更に瞬間移動や時間移動まで出来る、まさに「全知全能不老不死」の存在といえる。連続体の構成員は全員がQと呼ばれており、実際にデ=ランシーの演ずるQとは別のQも登場している。ガイナン(ウーピー・ゴールドバーグ)によると、Qにも色々な性格(性質)のQがおり、“尊敬すべき立派なQ”も存在するという。
[編集] デ=ランシーのQとエピソード
Qを語るとややこしいので、TNGやVOYに登場するデ=ランシー演ずるQを述べる(以降この項のQはデ=ランシーのQ)。Qは気紛れで傲慢、トリッキーで突然登場する。特徴はQのパワーを使う時に指を鳴らす事。最初の登場はTNGの第一話(『デネブ星の法廷』:Encounter at Farpoint)で、ピカードらを裁判にかけた。その時も、様々な時代の軍人姿に変身したり、裁判官になったりと散々にピカードらを翻弄した。この件で人間という種族(特にピカード)に興味を持ったQは、たびたびエンタープライズに突然登場するようになる。通常現れる時は、光と音と共に、ピカードと同じ艦隊大佐のコスチュームを着た姿である。エピソードは色々あるが、一言で言うと「トラブルメーカー」であり、ピカードらを極限まで追い詰めた後に、指をパチンと鳴らして何事も無かったことにする。重要な点では、ボーグに惑星連邦の存在を知らしめる結果となった事であろう。このQの行為で、後にピカードはボーグに一時同化され、シスコは妻を失い、数多の艦隊士官がウルフ359の戦いで死亡する遠因を作る事になる(ウルフ359の戦い)。
- 一度Qのパワーを剥奪されて人間にされた事があり、その時はカラマレインが復讐に訪れたり、ガイナンもQの手の甲にフォークを突き刺すなど手ひどいしっぺ返しを受けている(ガイナンの種族(エル・オーリア人)はボーグに攻撃され種族は散り散りになった)。何とかエンタープライズで働かせてもらう事になるが、元々傲慢な為にデータ以外のクルーとは衝突ばかりで、機関部に配属されたQは機関部長のラ=フォージに命令されると激怒し、データに取り成してもらわないとやって行けなかった。人間になってもIQは2000以上あった。そして、カラマレインの攻撃でQが危ない時にデータが身の危険を顧みず助け、ラ=フォージらに責められたQは、シャトルでカラマレインに突入しようとする。そこで別のQが登場してパワーを返してもらって何とか助かった。そして、Qは恩人のデータに「一瞬の笑い」をプレゼントする。
- Qのパワーを秘めている、アマンダ・ロジャースという艦隊士官を連続体に連れて行った。
- ピカードら主要クルーを作り出したロビン・フッドの世界に連れ込み、自分はノッティンガムの代官となって物語に命を吹き込んで参加する。この時に知り合った手癖の悪い女性考古学者バッシュに興味を示し、二人で過去の遺跡を現実に見に行ったりする。
- ピカードに人工心臓の機能不全で死んだと告げ、自身を「神」と言う。「お前なんかが神などと信じられるか!」と怒るピカードに、人工心臓を移植されるきっかけとなったノーシカン人との私闘の様子を見せる。その時の“若気の至り”を嘆くピカードに、人生をやり直させる。ピカードはノーシカン人とは私闘しなかったが、結果危険とチャンスを避け何にでも消極的な科学士官の万年中尉となって、ライカーが艦長のエンタープライズに送られる。ピカードは必死でライカーやトロイに自分の実力を試してくれと言うが、ライカーは名前すらうろ覚えの状態。トロイは再三の昇進のチャンスを避けて来たのが万年中尉の原因だと告げる。その為、もう一度やり直させろとQに訴えて、ノーシカン人と闘って心臓を貫かれるが、再び艦長としてエンタープライズに戻り、更に天然の心臓をQから与えられる。
- VOYでも何度か登場し、ジェインウェイに気がある素振りを見せる。後にQとして初めて子供を作り、教育役をジェインウェイに頼む。
この様に、とにかくとんでもない事が起きるとまずはQを疑うようになり、実際にQが現れると「またお前か」等とピカードがうんざりしている様子が面白い。
[編集] Q連続体
Q連続体は、どこにあるかも判らず、その数も判らず、指導者もいるかどうかも判然としない(恐らくいないだろう)。ただ、連続体と言う事で、何人(何体)もQはいるらしく、パワーを剥奪したQが、デ=ランシーのQに「みんな見てる、みんな聞いてる」と言っている。だが、その別のQもあまりいい性格とは言えない。更に、Qが自己犠牲的行為でシャトルでカラマレインに突っ込もうとすると「自己犠牲で死んだなんて連続体にどう報告すればいいんだ!?」と呆れている所から、被報告集団があると思われるが、これも曖昧模糊である。恐らく、連続体であるので沢山のQの集団合議で決定をしているのかとも推測出来る。
[編集] Q2(クイン)
永遠に変化のないQ連続体のありかたを嫌い、自殺を図ったために幽閉されていたQ。通りすがりのヴォイジャーを利用して脱出したが、デ=ランシーのQが連れ戻しに来たためヴォイジャーに保護を求める。ジェインウェイがそれを認めたため、デ=ランシーのQは彼のパワーを奪って解放する。ジェインウェイから「クイン」の名を与えられ、乗組員として受け入れられるが、間もなくデ=ランシーのQから贈られた毒を飲んで命を絶つ。
[編集] Q(レディQ)
一時期(ほんの40億年くらい)デ=ランシーのQと交際していた女性のQ。変化を望んでいたクインに影響されたデ=ランシーのQがジェインウェイと子供(新世代のQ)を作ることによって連続体を変えようとしたのを止めに来るが、ジェインウェイの説得によってQ同士で子供を作ることになった。
[編集] Q2(息子?)
ジョン・デ=ランシーのQとレディQの間に出来た子供のQ。「父親」がかつてそうなったように、Qとしての力を奪われてヴォイジャーに預けられる。ジェインウェイを「キャシーおばさん」と呼び、イチェブとは「Q坊」「イッチー」と呼び合う。演じたのはジョンの息子、キーガン・デ=ランシー。