NOiSE
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『NOiSE』(ノイズ)は講談社発行の漫画雑誌アフタヌーン・シーズン増刊の第2号から第7号まで掲載された弐瓶勉のSFアクション漫画作品である。本作は『BLAME(読み切り版)』がアフタヌーンの四季賞に入選する前に投稿された作品(佳作を取ったが掲載されていない。)をベースにしている。
『NOiSE』の時代背景は『BLAME!』の数千年前であり、二つの作品世界は完全に繋がっている。本作では、『BLAME!』の世界を変容させてしまった「厄災」の発端が描かれる。
第一章と最後の11ページを除いてスクリーントーンが用いられておらず、ペンの筆致だけで質感の表現が試みられている。絵的な統一感の高さや物語のまとまりの良さもあって、ファンの間の評価でも傑作と名高い。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 主要な登場人物
- 裾野 結(すその むすび)
- 本作の主人公。児童課に務める女性警察官。連続児童誘拐事件の捜査を担当している。
- クローサー
- 児童課の警察官。結とコンビを組んで、児童誘拐事件の捜査にあたる。
[編集] 用語解説
- 剣
- 物語の序盤で結が武器商から購入した武器。刃は持たず、外見は棍棒に近い。「SG」という文字とセーフガードのシンボルマークの刻印がなされており、セーフガードから流出した技術のひとつであると推測される。特定条件下でスイッチを入れることによって作動する。当初は用途、用法ともに不明であったが、「教団」が呼び出した怪物に反応して作動した。その威力は凄まじく、横薙ぎに振り切った衝撃で階層都市のフロアを破壊してしまうほどである。
- 『BLAME!』では珪素生物が同様の武器を装備している様子が描かれている。
- 教団
- セーフガードから盗んだ『人体を珪素系物質で再構築する技術』を用いて儀式を行うカルト教団。ネット端末移植を受けていない子供を誘拐して人体実験を行っていた。本作終盤に「カオスへの殉教」を達成して人間とは異なる生物種に姿を変えたとの記述がある。すなわち、『BLAME!』に登場する珪素生物の前身である。
- 高速路線警備保障社
- 都市の鉄道車両の運行を維持する組織だと思われる。実行部隊は重火器で武装しており、処刑権限を持つ。
- 教団の刺客と車両中で戦闘を行った結を「私設物損壊罪」で拘留した。
- ネットスフィア
- 『統治局』から公共サービスの運営を任されている。全てのネット接続企業を統合する。等、一企業として捉えられない力を持つ。
- セーフガード
- ネットスフィア及びネットの入会者の安全を守る為に設立された組織。
- 「ネット端末移植を持たない者を積極的に排除する」と明言していた。
[編集] あらすじ
- 第一章
- 子供達の誘拐事件を追っていた児童課の警察官裾野結(すそのむすび)とクローサーは、頭部に器機を差し込まれ変形変質化した遺体を荒廃した都市の一角で発見する。 動揺を抑えられない裾野を一人残し、クローサーは何者かに連れ去られたかの様に姿を消す。
- 同僚を行方不明にした責から上司に銃の使用を制限された裾野は、代用の銃器を手に入れる為日頃取り締まっている武器商を訪れる。彼女はそこで見つけた『短剣状の何か』に何故か心引かれ、短機関銃と共に購入する。
- 再び現場を訪れた彼女の前に蛙に似た奇怪な覆面をかぶった小人が現れ、彼女の足元へクローサーの顔面の皮を投げつける。笑いながら走り去る小人を追う彼女が辿り着いたのは、巨大な円筒状の器機が並び轟音に包まれたフロア。そして、十字架に掲げられ機械が繋がれ、変わり果てた姿のクローサーだった。山羊の頭蓋骨型の仮面をかぶった司祭は器機のスイッチを押し、クローサーの身体を無機質で表情を持たない異形に変質させた。
- 襲い掛かる元クローサーに対し裾野は銃器の引き金を引くが、命中した弾丸は全く傷を付けられなかった。絶体絶命の窮地の彼女が咄嗟に『剣』の柄のボタンに触れた時、突如『剣の刃』から輝きが溢れ出た。裾野が振りぬいた剣から迸った光は異形と化したクローサーだけでなく、フロア内の巨大器機の全て、それらを内包する建築物ごと両断、破壊した。
- 「ネットのカオスの力を呼び出した」と言い放っていた司祭の属する教団。その壊滅を裾野は誓う。
[編集] 単行本
- アフタヌーンKC-278 NOiSE
- 著者:弐瓶勉
- 発行者:五十嵐隆夫
- 発行所:株式会社講談社
- ISBN 4-06-314278-7
- NOiSE
- 第一章 降魔術
- 第二章 暗殺者
- 第三章 ネット端末移植
- 第四章 贄
- 第五章 屍の暴走:収録に際して大幅なページの追加とコマ割り構成の変更が行われている。
- 最終章 聖地
- 負の回廊:人間から珪素生物への転生を象徴的に描いた書き下ろし作品。
- BLAME:『BLAME!』の原型となった作品。
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