NASCAR
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NASCAR(ナスカー、National Association for Stock Car Auto Racing)は、アメリカ合衆国で最大のモータースポーツ統括団体であり、同団体が統括するストックカーレースの総称でもある。
統括団体としてのNASCARは、1948年にWilliam France Sr.とEd Ottoによって設立された。
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[編集] 概要
NASCARは、四輪市販車をベースに改造を施した車両(ストックカー)のレースであり、主に北米大陸で行われる独自のレースカテゴリーである。 アメリカ陸軍160thSOARのCH-47が車両を運ぶこともある。
カテゴリーはネクステルカップ(2003年まではウインストンカップ)を頂点とするピラミッド構造となっている。ネクステルカップ、そして同じ車を使用するブッシュシリーズ、ピックアップトラックベースの車で争われるクラフトマントラックシリーズの3カテゴリーは特に「3大カップ戦」と呼ばれ最上級カテゴリーとして扱われる。
その下には「Dodge Weekly Racing Series」と呼ばれるカテゴリー(2005年現在はDivision I~IVの4つに分かれているが、各Divisionは同等のものという扱いであり、最もシリーズポイントを稼いだ者が全体のシリーズチャンピオンとなる)、「Regional Racing Series」と総称される各地域ごとのカテゴリー(2005年現在は8カテゴリーで構成)が存在する。なお使用される車の細かいレギュレーションはカテゴリーによって異なることが多い。
通常NASCARに参戦するドライバーは各地域カテゴリーから徐々にステップアップするのが通例だが、中にはIRLやチャンプカー(旧CART)など、フォーミュラカーからの転進組も存在する。2006年には、マクラーレン所属のF1ドライバーであるファン・パブロ・モントーヤがNASCARへの転向を発表したが、他にも複数のドライバーについてNASCARへの転向の可能性が報じられている。
日本からは過去に福山英朗がウインストンカップに参戦し、2003年には日本人として初めてウインストンカップの決勝に進出している。また2005年からは服部茂章がクラフツマントラックシリーズへの参戦を開始している。
[編集] 規格
- コース
NASCARはIRLと同じようにアメリカ独自のレースであり、日本やヨーロッパのレースとは大きく異なっている。その主な理由は、多くのサーキットがヨーロピアンスタイルのロードコースではなく、アメリカンスタイルの楕円(オーバル)型をしたオーバルコースを走る点である。1周0.5mileマイル(約0.8km)のショートオーバルから、2.5mile(約4km)のスーパースピードウェイのコースをひたすら超高速で走る。
- シャーシ
競技用四輪車としては非常に重く、レースに出走する状態で1,5t程にもなる。その要因の一つとしては、コスト削減によりチーム毎の格差を減らそうとする上で、軽量だが高価なハイテク素材の使用が控えられる事が挙げられる。また、トランクションコントロールなどのドライバー補助装置も搭載を禁止されている。
- エンジン
エンジンは今では珍しいかもしれないがOHV機構でキャブレターを使用している。それ自体は古い方式だが、そこはレーシングエンジンであり、5.8リッターのV8エンジンがゆうに9500回転以上回るというから技術的な部分では最先端を行っているといえるであろう。
供給は当然米ビッグスリー(GM、フォード、クライスラー)であるが、近年トヨタが積極的な参入姿勢を示しており、2001年からセリカで下位カテゴリーへの参入を開始したのを皮切りに(このセリカはNASCARマシンであるにも関わらずDOHCエンジン搭載車である)、2004年からはクラフツマントラックシリーズにタンドラで参戦している(トヨタは市販車のラインアップにOHVエンジン車を持たないため、タンドラについては本来OHCのエンジンをOHVに改造して参戦している)。また2007年からはカムリでネクステルカップ・ブッシュシリーズの両シリーズに参戦する方針が明らかにされている。
- 安全対策
現在ではオーバルコースの外側に緩衝帯が設置されている。そして元複数回チャンピオン、デイル・アーンハートの死亡事故を受けてHANSの着用も義務付けられた。
[編集] その他
- 数少ない海外開催の一例として、過去には1996年と97年に鈴鹿サーキットでロードレースが開催された事もある。
- 一人のドライバーに対して年間で十数台の車体が供給される(車体一台の値段は1500万円前後)。
[編集] 著名なドライバー
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[編集] 放送局
2005年現在は日テレG+が、ネクステルカップ・シリーズ全戦の録画中継(一部生中継の場合もある)を行っている。