Angband
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Angband(アングバンド)はローグライクゲームの一つ。J・R・R・トールキンの著作に基づいており、タイトルは舞台にもなっている冥王モルゴスの地下大城塞アングバンドに由来している。Moriaから派生したゲームである。
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[編集] ゲームプレイ
プレイヤーは100以上の階層からなるダンジョンを冒険し、十分な能力と装備を蓄え、最終的にダンジョンの地下100階にいる冥王モルゴスを倒すことが目的である。
ゲームは、店や「我が家」がある地上の街から始まる。ダンジョンの探索中でも巻物を使用するなどの方法で比較的簡単に街とダンジョンを往復できるため、ゲームの基本的な流れは「ダンジョンでの戦闘の後、街に戻って装備を調える」という過程の繰り返しになる。 また、フロアは別の階に移動するたびに新しく作り直される。このようなシステムのため、他のローグライクゲームとはかなり異なったゲーム展開となる(たとえばNetHackやDungeon Crawlではゲームはダンジョン内だけで進行し、別の階に移動してもすべての階層が保存される)。
その他の特徴としては、ゲーム内に1体しか存在しないユニーク・モンスターや伝説のアイテム(アーティファクト)が大量に存在することが挙げられる。
[編集] ライセンス
Angbandはソースコードが公開されており、修正と再頒布が可能である。しかし元となったMoriaと同様「商業目的には使用できない」ライセンスであるため、厳密にはオープンソースでもフリーソフトウェアでもない。AngbandをGNU GPLのもとで再ライセンスするための努力が現在継続中である。GPLでライセンスすることができれば、Angbandを商用Linuxディストリビューションに含めて頒布することが可能になる。
[編集] バリアント
Angbandはさまざまな開発者によって拡張が行われたが、バージョン2.7.0 - 2.8.5の管理者であるBen Harrisonによってソースコードがきれいに整理され、コメントも充実した。そのため他のプラットフォームへの移植やゲームの改造が容易になり、数多くの亜種(バリアント)が作成されている。そのなかでも特に有名なものを以下に挙げる。
また、Angbandをマルチプレイヤーゲーム化したMAngbandも存在する。
これらAngband系のローグライクは、タイトルがAngbandをもじったものが多いため、総称して「*band」と呼ばれる。これに対して、オリジナルのAngbandは「バニラ」 (Vanilla) と呼ばれる。
[編集] 外部リンク
- Thangorodrim 公式ページ(英語)。
- 日本語版*bandのページ 日本語版Angband(他、いくつかのバリアントの日本語版)。