5チャンネル
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- 自動車販売の5チャンネル。後述。
- 2ちゃんねるをもじった掲示板。リンゴ掲示板に変わりアドレスは[1]となっている。→"ピアノちゃんねる"に
- テレビにおける「第5チャンネル」。中京広域圏では中部日本放送、北海道では札幌テレビ放送の親局がそれぞれ「5チャンネル」である。
自動車販売における5チャンネルは、自社の販売会社の店舗系列を5系列有すること。チャンネルとはディーラー名のことである。
大型自動車会社でよく使われていた体制である。販売網を5チャンネル有することは、その企業の販売力もさることならがら、各チャンネル毎に投入する車両を用意せねばならず、企画力、開発力、生産力も要求された。
日本国内の自動車会社で、5チャンネル体制を維持したことがあるのはトヨタ自動車、日産自動車、マツダである。このうち、日産自動車とマツダは5チャンネル体制を終了している。
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[編集] トヨタ自動車
ネッツトヨタ系はかつて、ネッツトヨタ店(旧トヨタオート店)とトヨタビスタ店であったが、吸収する形で統合されている。また2005年8月30日からレクサスが販売チャンネルに追加され5チャンネル体制を維持している(但し、トヨタブランドという面から見ると、厳密には4チャンネル体制になっており、ネッツブランドもトヨタから少し離れたイメージを持たせる戦略を採り始めた)。
[編集] 日産自動車
- 日産系(現ブルーステージ-BLUE STAGE、かつては「ブルーバード販売会社」とも呼ばれた)
- モーター系(現ブルーステージ-BLUE STAGE、かつては「ローレル販売会社」とも呼ばれた)
- プリンス系(現レッドステージ-RED STAGE、かつては「スカイライン販売会社」とも呼ばれた)
- サティオ系(旧サニー系)(現レッドステージ-RED STAGE、かつては「サニー販売会社」とも呼ばれた)
- チェリー系(現レッドステージ-RED STAGE、80年代までは「パルサー販売会社」、90年代にプリンス系に統合されたあたりからは「日産チェリー販売会社」とも呼ばれた」)
チェリー系は1990年にほとんどがプリンス系に統合された。ゴーン氏による新体制に移行した後にブルーステージとレッドステージの2チャンネル販売系統に移行。どちらの車も扱うレッドアンドブルーステージ-RED & BLUE STAGE もある。2005年5月にどちらの車種も扱うように拡大。但しブルーステージ、レッドステージはあくまで販売ラインの愛称であり、ほとんどの店舗名は「○○日産」、「○○日産モーター」(モーターを付けない場合もある)、「日産サティオ○○」、「日産プリンス○○」となっている。
[編集] マツダ
- マツダ(MAZDA)系
- アンフィニ(現:マツダアンフィニ)(ẼFINI)系
- ユーノス店(EUNOS)系
- オートザム店(AUTOZAM)系
- オートラマ店(AUTORAMA)系
経営危機以降5チャンネル体制は解散している。
[編集] マツダにおける5チャンネル化について
商用車、小型車、高級車と幅広く扱う「マツダ店」、RX-7やMS-9等の高級車を扱う「アンフィニ店」、ヨーロッパのイメージを持たせた「ユーノス店」、小型車・軽自動車を中心に扱う「オートザム店」、フォードブランド車を扱う「オートラマ店」と、当時のトヨタの5チャンネル体制(「トヨタ店」「トヨペット店」「カローラ店」「オート店」「ビスタ店」)同様にマツダも販売会社を分けた事がある。これは当時マツダのブランドイメージが芳しくなかったことが主な理由で、そのため当初はマツダ店以外の店舗で扱う車種にはマツダのロゴを入れず、ほぼ独立ブランド(トヨタとレクサスのような関係)とした。ただし経営が行き詰まってきた末期には全店で取り扱われる車種が発売され、それらにはマツダの表記があった。結局状況は改善されず、現在は2チャンネル(マツダ・マツダアンフィニ系とマツダオートザム系)に整理され、オートラマ店はフォードの直営店になった。
この販売系列の5チャンネル化と車種ラインアップ拡大の失敗は経営の悪化を招き、フォード主導での経営再建へと繋がっていった。それに伴うリストラ、新規開発の凍結などによる技術力の低下、車種ラインアップ削減による商品力の低下で、特に日本国内では、マツダファンの他メーカーへの流出、人気の下降、販売不振、中古査定価格の下落など、後々までマツダの状況を苦しめた。
5チャンネル化による収益増大を狙った広告代理店の策にのせられ、金儲けの道具にされたことが知れ渡るにつれ、被害を被ったマツダに対しての世間の目は、やがて同情的なものに変わっていった。
なお、トヨタの「レクサス」、日産の「インフィニティ」、ホンダの「アキュラ」に対抗した海外高級ブランドとして、マツダも「アマティ」(Amati) と言うブランドを立ち上げる計画があったが、経営状況の悪化のために撤回されてしまった。ちなみにアマティブランドで発売予定だった4000ccV12エンジン搭載の大型セダン(アマティ1000)のスクープが雑誌に掲載された事もあった。ミレーニアもアマティブランドで発売する予定だった。
近年登場のマツダ車(主にマツダ・アテンザ以降の車)は本来のマツダの得意分野である走行性能やデザインなどに磨きをかけ、日本国内はもとより特に海外諸国で高い評価を得、数多くの賞を受賞している。また自動車評論家や自動車ファンからの評価も高く、長い間低迷していたマツダブランドの復活に大きく貢献しているとされる。