4ADレコード
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4ADレコード(4AD Records)は、イギリスのインディーズ・レコード・レーベルである。1979年に、ベガーズ・バンケット・レコード(Beggars Banquet Records)の資金提供を受け、アイヴォ・ワッツ=ラッセル(Ivo Watts-Russell)とピーター・ケント(Peter Kent)によって設立された。
当初は、アクシス・レコード(Axis Records)という名前だったが、他にアクシスという名前の音楽関係の会社があることが分かったため、すぐに4ADに変更された。
1980年にケントが会社を去り、やはりベガーズ・バンケットから資金提供を受けてシチュエーション・ツー(Situation Two)というレーベルを始めた。その直後、アイヴォはグラフィック・デザイナーのヴォーン・オリヴァー(Vaughan Oliver)を招いた。オリヴァーは写真家のナイジェル・グリーアソン(Nigel Grierson)とデザイン・チーム、23エンベロップ(23 Envelope)を結成し、4ADのデザイン・ワークを担当した。これによって、当時の4ADの耽美的な音が、視覚的にも表現されることとなった。
1980年代半ばには、コクトー・ツインズやデッド・カン・ダンスのような4ADのアーティストは、相当数の熱狂的なファンを獲得したが、スローイング・ミュージズやピクシーズの登場後は、アメリカのアンダーグラウンドなロック・ミュージックが4ADの中心になった。同時期に、4ADは、偶然に全英ナンバーワン・ヒットとなったマーズの『ポンプ・アップ・ザ・ボリューム』(Pump Up The Volume)をリリースしている。これは、コラージュを使った初期のハウス・ミュージックで、大きな影響を与えた。
1990年代には、4ADはロサンゼルスにオフィスを設け、ブリーダーズ(The Breeders)、レッド・ハウス・ペインターズ(Red House Painters)、アンレスト(Unrest)、ヒズ・ネーム・イズ・アライブ(His Name Is Alive)といったバンドが成功を収めた。1999年にアイヴォは4ADの持ち分をベガーズ・バンケットに売却したが、4ADはその後もリリースを続け、新たなアーティストを加えている。
目次 |
[編集] 現在のアーティスト
- バースデー・パーティー (The Birthday Party)
- ブロンド・レッドヘッド (Blonde Redhead)
- ブリーダーズ (The Breeders)
- セレブレーション (Celebration)
- タニア・ドネリー (Tanya Donelly)
- 50フット・ウェーブ (50 Foot Wave) (米以外)
- リサ・ジェラルド (Lisa Gerrard)
- レイチェル・ゴスウェル (Rachel Goswell)
- ニール・ホールステッド (Neil Halstead)
- クリスティン・ハーシュ (Kristin Hersh)
- ホープ・ブリスター (The Hope Blister)
- ヨハン・ヨハンソン (Johann Johannson)
- マグネトフォン (Magnétophone)
- キャス・マッコム (Cass McCombs) (米加以外)
- ミノタウア・ショック (Minotaur Shock)
- モハベ3 (Mojave 3)
- マウンテン・ゴーツ (The Mountain Goats)
- ブレンダン・ペリー (Brendan Perry)
- エマ・ポロック (Emma Pollock)
- サイバライト (Sybarite)
- TVオン・ザ・レイディオ (TV on the Radio) (米加以外)
- スコット・ウォーカー (Scott Walker)
- M.ウォード (M. Ward)
- ウルフ&カブ (Wolf & Cub) (豪、ニュージーランド以外)
[編集] 過去のアーティスト
- エア・マイアミ (Air Miami)
- アンプス (The Amps)
- A Rケーン (A R Kane)
- ダニエル・アッシュ&グレン・キャプリング (Daniel Ash & Glenn Campling)
- トム・バリル (Tom Baril)
- バウハウス (Bauhaus)
- ベアーズ (Bearz)
- ベリー (Belly)
- ハイディ・ベリー (Heidi Berry)
- ベティ・サーバート (Bettie Serveert)
- フランク・ブラック (Frank Black)
- マイケル・ブルック (Michael Brook)
- ハロルド・バッド (Harold Budd)/エリザベス・フレイザー (Elizabeth Fraser)/ロビン・ガスリー (Robin Guthrie)/サイモン・レイモンド (Simon Raymonde)
- ブルガリアン・ボイス (Le Mystère des Voix Bulgares|Bulgarian Voices 又は Voix Bulgares)
- クラン・オブ・サイモックス (Clan of Xymox)
- コクトー・ツインズ (Cocteau Twins)
- カラーボックス (Colourbox)
- キューバ (Cuba)
- クーポール (Cupol)
- ダンス・チャプター (Dance Chapter)
- デッド・カン・ダンス (Dead Can Dance)
- ディフ・ジュズ (Dif Juz)
- ファスト・セット (The Fast Set)
- フレイジャー・コーラス (Frazier Chorus)
- リサ・ジャーメイノ (Lisa Germano)
- リサ・ジェラルド&ピーター・バーク (Lisa Gerrard & Pieter Bourke)
- B.C.ギルバート& G.ルイス (B. C. Gilbert & G. Lewis)
- グリー・クラブ (The Glee Club)
- ガス・ガス (Gus Gus)
- レネ・ハケット&デビッド・ジェイ (Rene Halkett & David Jay)
- ヒズ・ネーム・イズ・アライブ (His Name Is Alive)
- ローランド S.ハワード&リディア・ランチ (Rowland S. Howard & Lydia Lunch)
- イン・カメラ (In Camera)
- インサイズ (Insides)
- マット・ジョンソン (Matt Johnson)
- ラクナ (Lakuna)
- ラスト・ダンス (Last Dance)
- リコリス (Liquorice)
- リディア・ランチ (Lydia Lunch)
- ラッシュ (Lush)
- マーズ (M/A/R/R/S)
- マス (Mass)
- ヴィニー・ミラー (Vinny Miller)
- モダン・イングリッシュ (Modern English)
- マイ・キャプテンズ (My Captains)
- コリン・ニューマン (Colin Newman)
- ピーター・ヌーテン/マイケル・ブルック (Pieter Nooten/Michael Brook)
- パラディンズ (The Paladins)
- ペール・セインツ (Pale Saints)
- パスト7デイズ (The Past 7 Days)
- ピアノ・マジック (Piano Magic)
- ピクシーズ (Pixies)
- サイコティック・タンクス (Psychotik Tanks)
- レッド・エイトキンス (Red Atkins)
- レッド・ハウス・ペインターズ (Red House Painters)
- レマ-レマ (Rema-Rema)
- リシェネル (Richenel)
- シーア (Scheer)
- ショックス (Shox)
- ケンドラ・スミス (Kendra Smith)
- ソート・ソル (Sort Sol)
- スパイリアX (Spirea X)
- スプーンフェッド・ハイブリッド (Spoonfed Hybrid)
- スターリー・スムース・ハウンド (Starry Smooth Hound)
- スワロー (Swallow)
- ターネーション (Tarnation)
- ザット・ドッグ (That Dog)
- ザ・ザ (The The)
- シーバリー・コーポレーション (Thievery Corporation)
- ディス・モータル・コイル (This Mortal Coil)
- スローイング・ミュージス (Throwing Muses)
- 23エンベロップ (23 Envelope)
- ウルトラ・ビビッド・シーン (Ultra Vivid Scene)
- アンダーグラウンド・ラバーズ (Underground Lovers)
- アンレスト (Unrest)
- ヴォーン・オリバー・アンド・v23 (Vaughan Oliver and v23)
- ウォルフガング・プレス (The Wolfgang Press)
- Xマル・ドイッチェランド (Xmal Deutschland)
- ハンス・ツィマー&リサ・ジェラルド (Hans Zimmer & Lisa Gerrard) (ハンス・ツィマーは4AD所属ではない)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 4AD - 公式ページ(英語)