黒人英語
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黒人英語(こくじんえいご、英:African American Vernacular English)とは、アメリカの黒人の特徴的な英語の話し方で、ピジン言語の一つとされる。ただし教養のある黒人は一般的な英語を話すことが多い。エボニクス(Ebonics:Ebony(黒檀から転じて黒人の意)とPhonics(音声)の合成語)とも呼ばれるが、これは1973年にワシントン大学の言語学者ロバート・ウィリアムス (Robert L. Williams) により提唱された言葉である。
2001年12月18日、カリフォルニア州オークランド統一地区教育委員会で、黒人英語を「標準」英語の方言ではなく、アフリカに起源を持つ異なる言語だとして、英語に次ぐ第二言語とする決議を採択した。この決議において黒人英語を異言語だとしたことは、黒人たちの批判を呼び起こしている。
[編集] 文法
- 独特の時制を持つ。
- He runnin'.(彼は今走っている。)
- He be runnin'.(彼はいつも走っている。)
- be動詞の否定形としてain'tを用いる。
(但し、ain't got のain'tは、haven'tの意。don't haveが、イギリス英語口語のhaven't got=don't have gotからの変化によるものであるため。)
- 動詞の過去形の代わりに、過去分詞を使う。(did→done,went→goneなど。)
- 黒人英語特有ではないが、三単現のsを抜き、主語の人称にかかわらず、動詞原形を使う。
- 基礎動詞のgetを多用する。
- 副詞のoutを多用する。
[編集] 発音
- thの代わりにdを用いる。fを用いることもある。
- da (the)
- 語尾のrを発音しない。
- sista (sister)
- ingの代わりにin'を用いる。(gを発音しない)
- askの代わりにaksを用いる。