霊友会
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霊友会(れいゆうかい)は、法華系の新宗教である。現在、霊友会は事実上2団体存在する。会員を合わせると、信者数は公称440万人(2004年1月15日現在)。本部は2団体いずれも東京都港区内にある。
- 霊友会大形派(大形市太郎会長) 「霊友会」:東京都港区麻布台1-7-8
- 霊友会松本派(松本廣代表)「Inner Trip REIYUKAI International」:USA NY市エンパイア・ステート・ビルディング
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歴史
明治期に西田無学が提唱した法華経による先祖供養の行法を発端とする。西田に学んだ久保角太郎は、1919年に若月チセらと「霊の友の会」を発足。その後、義姉の小谷喜美と1930年7月13日に霊友会を結成。在家による菩薩行として教勢を伸ばしていくものの、中心的な指導者になった小谷喜美の指導方針をめぐる軋轢と共同募金横領事件を始めとした中傷報道から多くの分派を生むに至る。分派として、立正佼成会、思親会、佛所護念会教団、妙智会教団、妙道会教団、大慧会教団、正義会教団、法師宗などの新宗教の団体が挙げられる。一番新しい分派は、在家仏教こころの会である。また、分派教団を霊友会系教団と分類することが多い。
1971年2月9日に小谷喜美死去後、久保角太郎の子息である久保継成が会長に就任。「いんなあとりっぷ」を提唱し若者をターゲットとした布教方針を掲げた。
1993年久保継成会長の側近幹部が、久保継成会長の女性関係に纏わるスキャンダルを暴露し、久保継成会長は辞任。濱口八重が後継会長に就任した。その後、久保継成前会長が会長を辞任無効の訴訟を起こし、指導部と久保継成前会長に近い一部幹部が対立。霊友会は、濱口八重を会長(濱口八重会長死後は大形市太郎が会長職を継承)とする霊友会濱口→大形派と、久保継成を会長とする霊友会久保派とに分裂した。
2003年久保派内において、代表役員である松本廣がこれまで進めてきた団体としての宗教協力、世界平和を目的とした活動に対し、会員救済を目的した活動(いわゆる団体閉鎖型活動)を進めてきた久保継成、久保克児(久保継成夫人)、久保友継(久保継成次男)、茅野旭志(理事)等が反発し、これをきっかけとして、久保と松本は分裂。結局、久保らは2004年8月27日に久保らを支持した一部の会員と共に霊友会から完全に脱会、独立、在家仏教こころの会を結成した。
現在、霊友会は、大形派(団体名称「霊友会」)、松本派(団体名称「Inner Trip REIYUKAI International」)の2つが存在する。いずれの霊友会も、青年会員からなる組織「青年部」を有しており、異なる活動を行っている。大形派は、霊友会という名称をめぐる裁判で勝訴したため、団体名称は霊友会である。松本派は、日本国内において団体名称をITRI日本センターとし、所在地を東京都港区虎ノ門5-6-11に置いている。
教義
霊友会の教義の柱は法華経による先祖供養である。これは、父母双方の縁者・先祖代々の霊に対し総戒名(霊友会の場合は「諦生院法道慈善施先祖○○家徳起菩提心」)を贈り、朝夕青経巻(法華経の内、無量義経・妙法蓮華経・観普賢経の三法から抜粋・要約したもの)を読経して供養すると言うものである。また、会員が守るべき決まりごととして正行が、信者間の体験を語り合う場としてつどいがある。