零点
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零点(れいてん、ぜろてん、zero)とは、ある関数 f によって、0 に移される点、すなわち f(z) = 0 を満たす z のこと。複素解析や代数幾何学などにおいて、方程式の解や根と呼ばれるものを幾何学的に取り扱う際に、しばしばこの表現が用いられる。
特に関数が多項式であるときには零点のことを根ともいう。しかし、方程式の解を方程式の根ということがあるのに対して、多項式の根を多項式の解ということはない。1970年代以降の数学教育において根という言葉は教科書から失われたため、根という言葉を知らない世代が生まれた。
関数 f(z) の零点全体のなす集合 {z | f(z) = 0} のことを零点集合と呼ぶことがある。二つ以上の関数が零点を共有するとき、その零点を共通零点とよぶ。多変数多項式系の共通零点集合はザリスキー位相などの位相構造を入れて代数多様体となる。
解析関数 f(z) が
- f(z) = (z − a)kg(z)
(ただし、k は正の整数で、g(z) は z = a において正則)と表せるとき、z = a は関数 f の k 位の零点であるといい、k を零点 z = a における重複度 (multyplicity) とよぶ。
g(z) をテーラー展開してやることにより、解析関数の零点は孤立点となることがわかる。また、このとき f(z) と g(z) は点 z = a において k 位の接触を持つという。
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