長崎歴史文化博物館
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長崎歴史文化博物館(ながさきれきしぶんかはくぶつかん)は、長崎県長崎市立山にある長崎の歴史に関する資料を扱った博物館である。
また、かつて同位置にあった長崎奉行所立山役所の一部が復元されており、博物館に併設されている。
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[編集] 概略
2005年11月に開館。長崎県と長崎市が行政の垣根を越え予算と収蔵品を出し合い、両者が運営・管理を民間企業の乃村工藝社に委託する指定管理者制度をとっている。館のメインテーマは「近世長崎の海外交流史」だが、民間企業が運営していることもあり、さまざまなジャンルの企画展や集客イベントを積極的に行っている。名誉館長には脚本家の市川森一、初代館長は前常盤大学学長の大堀哲が就任した。
[編集] 施設
歴史文化展示ゾーン、長崎奉行所ゾーン、長崎歴史情報コーナー、伝統工芸体験工房、資料閲覧室、ショップ・レストランがある。その他の施設として、企画展示室、イベントの間、イベント広場、ホールがある。
長崎奉行所立山役所の御白洲では、土、日、祝日に10分ほどの寸劇が行なわれている。当時の裁判の様子や「大改」の様子を再現している。開始時間は10:00、11:00、12:00、14:00、15:00、16:00。寸劇終了後は記念撮影時間が設けてある。 寸劇は、県内の高校生や県民が寸劇ボランティアとして約30名参加している。
同館で上映される長崎奉行の一年を描いた立体映画には俳優の風間杜夫が長崎奉行・遠山景晋役で出演している。
[編集] 主な収蔵品
[編集] 重要文化財
- 長崎奉行所関係資料 文書記録類1,176点、絵図・地図類66点
- 鎖国時における海外への窓口であった長崎の様子を知る貴重な資料である。中でも、約200年間にわたる長崎奉行の判決記録「犯科帳」は、法制史の貴重な資料であるとともに、多くの歴史小説や時代劇のネタ本にもなっている。
- 紙本著色泰西王侯図 六曲一双
[編集] その他
- 唐蘭館図(とうらんかんず):シーボルトのお抱え絵師だった川原慶賀の手による。歴史の教科書などによく登場する(国認定重要美術品、19世紀)
- 南蛮人来朝之図(なんばんじんらいちょうのず) :南蛮貿易の様子を書いた屏風、歴史の教科書などで見かける(国認定重要美術品、17世紀)
- 上野彦馬写真機:坂本龍馬の写真や、日本初の従軍カメラマンとしても知られる彦馬が使っていたという写真機
[編集] 建物
長崎県立美術博物館が閉鎖され、当博物館と長崎県美術館とに分離される際に、旧美術博物館の敷地と、同館に隣接していた旧長崎県知事公舎の敷地に建てられた。3階建。建設時には旧長崎奉行所の石段や庭園などの遺構が出土した。石段は補強され、奉行所門側のエントランスとして活用されている。設計は日本を代表する建築家黒川紀章。同館の西側には長崎原爆投下時に、第一報を政府や軍に打電した立山防空壕(旧長崎県防空本部)が残っている。同館のオープンにあわせ壕内を整備、周辺が公園化され、一般公開されている(無料)。
[編集] 利用情報
- 開館時間:8:30 - 19:00
- 休館日:第3火曜日(その日が祝日の場合は翌日)。
- 観覧料:大人600円、高校生400円、小・中学生300円。団体料金は大人480円、高校生320円、小・中学生240円。企画展は別料金。長崎県内在住の小・中学生は無料。
[編集] アクセス
JR利用の場合 JR長崎駅より、路面電車「桜町電停」下車。徒歩7分。長崎市コミュニティバス・らんらん「歴史文化博物館」下車すぐ。
[編集] 外部リンク
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