鉄道警察隊
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鉄道警察隊(てつどうけいさつたい)とは、国鉄の分割民営化(JRへの移行)に伴い1987年(昭和62年)3月31日限りで廃止となった旧鉄道公安官(鉄道公安職員)の代わりに創設された、日本における鉄道専門の公安制度の事である。
鉄道警察隊は、警視庁及び各道府県警察本部(鉄道の路線規模が設置に値するほどではない沖縄県を除く)に設置された「執行隊」である。各都道府県警察によって異なるが、生活安全部若しくは地域部に属している。
主な任務が、鉄道施設における、個人の生命、身体、及び財産の保護、犯罪の予防及び検挙、事故の防止、鉄道にかかわる公共の安全と秩序の維持に当たることで、痴漢やスリ・置引・暴力などの犯罪の予防や捜査、踏切事故などの鉄道事故の防止や事故捜査・救出活動などが代表的な仕事である。
旧国鉄に属していたかつての鉄道公安職員と異なり、旧国鉄の後身であるJRのほか、日本各地の鉄道で活動している。
一般人に馴染み深いのは、いわゆる「警察24時」などのテレビ番組でも見られる、スリや痴漢・車内暴力などの検挙であろう。
普段、鉄道警察隊は独自に活動をしているが、大規模な事件や事故が発生した時は、その事件や事故が発生した管轄警察署と連携して捜査活動を行っている為に、かなり特殊な存在であるといえよう。
また駅敷地内に「駅前交番」や「駅内交番」などの名称で所轄警察署の交番が設置されていることもあるが、この勤務員が鉄道関係の犯罪に介入することはあるものの鉄道警察としての活動ではない(稀な例ではあるが交番所長以下の勤務員が鉄道警察隊の小隊を兼任している場合があり、この場合はこの限りではない)。
[編集] 警視庁鉄道警察隊の編制
- 隊長
- 管理官(兼副隊長)・本部付警部
- 隊本部
- 庶務係
- 計画係
- 特務係(私服で警らを行い、スリ、痴漢などを取り締まる)
- 各中隊(中隊長は警部で各分駐所に置かれる 所在地は分駐所名の駅構内)
- 東京分駐所(東部南部)
- 第1中隊
- 分駐事務係
- 八重洲・東京地下・品川・両国連絡所
- 第1中隊
- 新宿分駐所(西部)
- 第2中隊
- 分駐事務係
- 新宿・渋谷・中野連絡所
- 第2中隊
- 上野分駐所(北部)
- 第3中隊
- 分駐事務係
- 上野・上野新幹線・池袋・赤羽連絡所
- 第3中隊
- 立川分駐所(三多摩地域)
- 第4中隊
- 分駐事務係
- 八王子連絡所
- 第4中隊
[編集] 鉄道警察隊をテーマにした作品
トラベルミステリーの舞台として向いているために、隊員を主人公もしくは捜査機関側の代表的人物としたドラマや小説が数多く存在する。登場する隊員の多くは特務係を拡大解釈した刑事として設定されている。
- 「警視庁鉄道警察隊東京丸の内分駐所」に所属し、警視庁管内の鉄道構内での事件全般を扱う特捜班を舞台とした。
- 特務係の私服捜査員のみを配置した「鉄道警察隊東京駅分室」を舞台とした。
- 鉄道警察隊シリーズ(島田一男著、徳間文庫)
- 元鉄道公安職員である警視庁鉄道警察隊東京分駐所特務係の清村公三巡査部長を主人公に、鉄道構内で発生した殺人事件の解決に奔走する捜査一課や所轄署を含めた捜査本部を描く。鉄道警察隊を刑事部、特務係を分駐所所属とする独自設定を取る。テレビ東京「水曜ミステリー9」の「鉄道警察官清村公三郎シリーズ」の原作でもある。
- 土曜ワイド劇場鉄道捜査官シリーズ
- 各種トラベルミステリー小説や同番組旧作のリメイクで制作されるシリーズ。鉄警隊ではないが、活動内容が類似した架空の「鉄道捜査隊」が登場する。