金融工学
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金融工学(きんゆうこうがく、Financial engineering、Computational finance)は、資産運用や取引、リスクヘッジ、リスクマネジメント、投資に関する意思決定などに関わる工学的研究全般を指す。金融工学自体は、新しい学問領域であるといわれるが、これは金融工学自体が、経済学・会計学・工学・数学など様々な学問領域と接点を持ちながら、1950年以降に形成されてきたからである。金融工学の中でも画期的な研究としては、1950年代にハリー・マーコビッツが示した平均・分散理論や、1970年代にフィッシャー・ブラックやマイロン・ショールズらによるデリバティブズの価格理論などが有名である。
金融工学におけるプライシング理論が経済学と異なっていることは、一物一価の考え方に基づくところである。金融工学におけるプライシングは、需要と供給によって決まるのではなく、同じ価値を生み出す財であれば、同じ価値になるという前提から始まる。たとえば、デリバティブズと債権と株式を保有している投資家は、保有資産の組み合わせによって、瞬間的に超過収益を得ることができない。この関係から、3者の価格においては均衡式を得ることができるのである。金融工学の理論は、金融実務と密接に結ぶついており、金融工学理論から得られた算式はプライシング・リスク管理・会計の実務でも広く用いられており、金融工学の発展の背後には、金融実務への適用があることを忘れてはならない。
金融経済学や数理ファイナンスを理論的バックグラウンドとして持ち、金融機関が事業活動を通じて取り扱う様々なリスクを計測し、適切に管理することを目的として発展した。 主な分野として、
- 投資銀行における企業価値の測定
- デリバティブ(先物、先渡、オプション)取引
- 機関投資家の最適投資戦略
- 不動産担保証券などのプライシング
- リアルオプションによるプロジェクト価値の測定
- 金融機関のリスクマネジメント
が挙げられる。
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