金三角
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『金三角』(きんさんかく、黄金三角とも、Le triangle d'or)は、モーリス・ルブランの『アルセーヌ・ルパン』シリーズの一篇。1917年発表。
第一次世界大戦中の作品で、傷痍軍人が登場するなど、大戦の影響が色濃く出ている。
[編集] ドン・ルイス・ペレンナ
「金三角」は、「813 (小説)」のラストでティベリウスの断崖から身を投げたアルセーヌ・ルパンが、スペイン貴族にしてフランス外人部隊の英雄、ドン・ルイス・ペレンナとして復活し活躍する、「ドン・ルイス3部作」とも言える三作のうちの最初の一編である。ドン・ルイスの時期のルパンは、基本的には怪盗としての活躍はせず、主にフランス国家のためや虐げられた者を救うために行動する。(戦争の時期でもあり、愛国的冒険の傾向が強い。)この後、ドン・ルイスが活躍する物語は、「三十棺桶島」、「虎の牙」と続く。
[編集] パトリス・ベルバル大尉
本編の実質的な主人公である。ドン・ルイスことルパンは物語の中盤に救世主として現れるが、それ以前はベルバル大尉の視点で物語が進行していく。
ベルバル大尉はその後もドン・ルイスとの親交を続けたと思われ、次作である「三十棺桶島」では、ルパンの持つ潜水艦「水晶の栓」号の乗組員として再登場し、かつて自分が助けられたように、ドン・ルイスと共に今度は他者の救世主的な役割を果たす事になる。
[編集] バラングレーとデマリヨン
バラングレーは、ルパン世界におけるフランスの大統領。フランス第三共和制のレーモン・ポアンカレ大統領がモデルと言われている。「813 (小説)」から登場し、以降、本作「金三角」、「虎の牙」と、ルパンのよき理解者として登場し続ける。デマリヨンも同様に、本作、続いて「虎の牙」において登場し、ルパンの才を自由に振舞わせるべくよきフォローをする理解者となっている。デマリヨンは本作「金三角」においては元判事、「虎の牙」においては警視総監の肩書きで登場する。