813 (小説)
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『813』(はっぴゃくじゅうさん)とは、モーリス・ルブランの「アルセーヌ・ルパン」シリーズの一篇。1910年発表。
「813」と「APO ON」の謎をめぐって怪盗紳士ルパン、国家警察部長ルノルマン、謎の殺人鬼L.M.が三つ巴の死闘を演じる物語。フランス・ドイツをまたにかけて展開し、果てはドイツ皇帝ウィルヘルム2世までもが登場する。手に汗握る展開、2度の大どんでん返しから「奇巌城」と並んでルパンシリーズ最高傑作との呼び声も高い。1917年に「ルパンの二重生活」と「ルパンの三つの犯罪」に分冊化。(日本では「813」「続813」として刊行されるのが慣習)
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ストーリー
[編集] ルパンの三つの犯罪
ルパンはもとより犯罪者であるのだが、ここで言う「犯罪」とは、殺人をしないルパンが今作品のラストで図らずも犯してしまった三つの殺人を指す。
[編集] 自殺
今作のラストで、ルパンはティベリウスの断崖から身を投げて自殺する。これは当時ルブランがルパンの影から逃れるために行った展開とも言われ、コナン・ドイルがシャーロック・ホームズをライヘンバッハの滝壷に落としたエピソードと相似している。
ルパンはこの時死にきれずに、ドン・ルイス・ペレンナとしてアルジェリアの街のフランス外人部隊に現れたことがラストシーンで描かれている。これが、「金三角」以降のルパンのドン・ルイス・ペレンナとしての活躍に繋がっていくのである。