週刊文春喫煙事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
週刊文春喫煙事件(しゅうかんぶんしゅん きつえんじけん)は、おニャン子クラブとそれを生み出したフジテレビのバラエティ番組、『夕やけニャンニャン』を襲ったスキャンダル。「文春事件」、「タバコ事件」等とも呼ばれる。
[編集] 経緯
1985年4月1日より『夕やけニャンニャン』(以下、『夕ニャン』と略)が放送を開始。第一回放送時のおニャン子クラブ(以下、「おニャン子」と略)には、『夕ニャン』のパイロット版とも言うべき、同年2月放送の『オールナイトフジ女子高生スペシャル』に参加した娘らの中から11名が選抜されてメンバーとなっていて、彼女らには番組内やグループ内で呼称し合う会員番号が付けられていた(順番はくじ引きによる抽選順で、これ以後入るメンバーは加入順によるもの)。
そして、放送開始からわずか二週間ばかり過ぎた頃、週刊誌『週刊文春』に会員番号1番奥田美香、2番榎田道子、3番吉野佳代子、6番樹原亜紀、7番友田麻美子、10番佐藤真由美の6名(全員当時二十歳未満)が収録後のスタジオや近所喫茶店で喫煙している所を写真に撮られてグラフ面でスクープされ、それが発覚した4月18日より番組から姿を消し、遂に4月25日に週刊文春の発売に合わせ、正式におニャン子クラブより解雇される。
番組開始から3週間弱で姿を消した彼女らはおニャン子ファンの間では“幻のおニャン子”とされ、彼女らを総して「喫煙組」とも呼ばれている。だが、6番の樹原亜紀だけは、写真にしっかり写っていたにもかかわらず数日後番組に復帰している。写真には彼女がタバコを手にしていなかったのと本人が吸っていないという事を主張した為だと言われているが、噂によるとスタッフに親戚がいる為そのコネで復帰できたという話である。(10番の佐藤真由美は写真に写っているのはスカートだけで、顔は写っていなかったのだが・・・)
このスキャンダルは、フジテレビ側の早急な対応とともに夕ニャンとおニャン子が当時まだ無名に近かったのが幸いして、それほど騒がれずに終息していった(放送開始時の月曜から夕方5時の枠は、当時不毛だったローカル放送枠で全国放送枠ではなかったため)。しかし、樹原への曖昧な処分と、皮肉な事にこの事件直後に出したデビュー曲「セーラー服を脱がさないで」が大人気となり、番組とグループは全国区へと放送地域を拡大していったために、喫煙組の存在はタブーとなってしまった。
なお、当時早くもおニャン子内では派閥が形成されていて、写真に写っていた6人は主流派と言われていた存在だった。その初期主流派から距離を置いていた4番の新田恵利と5番の中島美春は彼女たちと良い関係ではなかったようで、もし、事件を起こさず(発覚せず)に喫煙組が残れば、彼女らがグループをやめていただろうと思われていたため、おニャン子クラブは今日のような評価を受けた人気にならなかったのではないかと言われている。
その後、喫煙組の復帰企画もあがったが、結局実現する事は無く、現在では5名全員の消息はTV局の調査でも解らず不明となっている。だが、近年発売のDVDソフト「おニャン子白書 '85 4~6月」には出演場面が少しだが映っており、彼女たちの姿を見ることが出来る。
[編集] 外部リンク
- 週刊文春タバコ事件(喫煙写真、詳細など)