速水由紀子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
速水 由紀子(はやみ ゆきこ 1959年 -)は、日本のフリージャーナリスト。日本女子大学家政学部住居学科卒業。新聞記者を経て雑誌記事や著書の執筆、講演活動などを行っており、若者・夫婦・家族などの問題について綿密な取材を基にしたルポルタージュで描写・分析している。
目次 |
[編集] 小説家活動
- 桜井亜美名義で小説家活動も行なっている。この点について公表か非公表かがしばしば論争の的になるが、本人はデビュー直後の朝日新聞のインタビューにおいて「自分の筆名が桜井亜美である」旨を公言している。にもかかわらずいまなお話題に上がるのは、氏が速水由紀子サイドとしては公表するが桜井亜美としては一切を語らないというポリシーを初志貫徹しているためと思われる。
- なぜこのような体裁を取ったかという理由について速水氏本人は、「ノンフィクションとしての執筆を考えはしたものの自らも抱える取材対象の女子高生と同質の喪失感を反映させるためには小説という手法をとるしかなく、また作者が当事者(女子高生)であるとしたのは現実の問題がずっと続くということを言いたかった」という趣旨の発言をしている。また小説化(及び架空の等身大女子高生作家・桜井亜美のプロデュース)を勧めたのは当時共同で女子高生(1990年代における)のルポルタージュを行っていた宮台真司である。いささか強引ではあるが当初の構想が取材が元のノンフィクションであったという側面がある以上、桜井亜美とは単に氏の小説家としての名義ではなく、速水・宮台両氏の共同プロジェクトであり、業績の一つであるとも言えるであろう。なおこの側面は現在は消失している模様。
[編集] 著作
[編集] 単著
- 『あなたはもう幻想の女しか抱けない』(筑摩書房)
- 『家族卒業』(紀伊國屋書店、文庫版は朝日文庫)
- 『働く私に究極の花道はあるか?』(小学館)
- 『恋愛できない男たち』(大和書房)
- 『ワン婚―犬を飼うように、男と暮らしたい』(メタローグ)
[編集] 共著
- (河合隼雄・上野千鶴子編)『現代日本文化論<欲望と消費>』(岩波書店)
- (宮台真司編)『<性の自己決定>原論――援助交際・売買春・子どもの性』(紀伊國屋書店)
- (宮台真司)『サイファ覚醒せよ!――世界の新解読バイブル』(筑摩書房)
- (〃)『不純異性交遊マニュアル』(筑摩書房)
また、
- 宮台真司『終わりなき日常を生きろ――オウム完全克服マニュアル』(筑摩書房)ではコラムを執筆している。