速報!!甲子園への道
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速報!甲子園への道(そくほう・こうしえんへのみち)は、ABCテレビ(以下「ABC」)をキーステーションとしてANN系列局などが放送する、全国高等学校野球選手権大会の地方大会ダイジェスト番組。略称は、1990年代中盤以降から「への道」(読み方は絵の道ではなく屁の道と同じ読み)としているが、あまり浸透しておらず、単に「甲子園への道」や「速報甲子園」と訳される場合もある。
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[編集] 放送内容
1981年開始。全国各地のANN系列局を中心に各地方局から提供された映像を基に、決勝戦や準決勝、地方大会注目カードの紹介、甲子園出場に燃える球児たちを取材したコーナー(コーナータイトルは毎年異なる)などで構成されている(詳細は後述)。
地方局では、番組の後半で放送エリア内の地方大会の結果を紹介している場合もある(但し、地元県大会で試合のない日や、既に地元代表校が決定している場合は、ローカル枠無しとなることもある)。また、在京キー局(テレビ朝日)でローカル差し替えがあるという珍しい番組でもある。
ABCが制作する全国ネット部分及び関西ローカル部分についてはカガミ(旧・各務プロダクション)と東通大阪支社(旧・大阪東通)が制作協力している。また、オープニングでは「協力 朝日新聞」のテロップが入る。
[編集] 放送期間・時間
平年7月第3週の火曜日(即ち全英オープンゴルフ最終日中継の翌々日。これは、月曜日が総集編や雨天中止の予備日に当たる関係でこうなっている)から各都道府県の代表校が全てそろうまで(大体7月30日 - 31日ごろ)放送される。(1994年以前は全国大会の開幕前日まで放映されていた)
例年の場合、ABCテレビのみ25分番組(ラスト5分はローカル)、それ以外の系列局は20分番組となっている(2006年度はメ~テレが日曜を除き30分番組として放送。但し後半はローカル)。ここ数年の放送時間については、ABCテレビなどは『報道STATION』(旧・『ニュースステーション』)の後の枠で放送するのに対し、テレビ朝日などはネオバラエティ枠の後に放送するなど、足並みはそろっていない(近年は後者が増加傾向)。但し、土曜・日曜については『ANN NEWS&SPORTS』の後の枠で全国一斉の放送となっている。
[編集] 2005年度の放送時間
2005年度は7月19日~7月31日に放送された(当初は7月30日までの予定だったが、山口大会の日程の関係上放送期間が1日延長した)。深夜の時間帯に世界水泳モントリオール大会(競泳競技の予選レース)の中継がある関係上、変則的な時間編成だった。
- 7月24日(日)のみ、直後に世界水泳中継があるため関西ローカルパートが休止(ABCテレビでも20分枠で放送)。
- ちなみにこの日、普段関西のみOAされるエンディングが全国ネット部に移される措置は実施されなかったため、関西地区でもネット各局同様にキャスターの挨拶もなく唐突に番組が終了、CM明けにいきなり世界水泳の中継が開始された。
- 7月25日以降は世界水泳中継の後、深夜1~2時台の枠で全国一斉放送された。
- 22日以前は例年通り、23時台または深夜0時台の枠で、地域によって放送時間が異なる放送体制であった。
- 追加放送となった7月31日は直後にゴルフ中継があるため関西ローカルパートは休止。しかし最終日ということもあってか、この日は普段関西のみOAされるエンディングを全国枠のエンディングに移す措置がなされた(2006年度の最終日も同様)。
[編集] 2006年度の放送時間
2006年度は7月25日~8月1日(当初は7月31日までの予定だったが、宮城大会の日程の関係上放送期間が1日延長した)と、例年より遅い(7月第4週からの)スタートで、約1週間のみの放送となってしまった。恐らくは深夜枠の視聴率争いの激化によるものであるが、番組内容への皺寄せ(全国の結果の文字情報の廃止、企画コーナーの増加など)も否定できず、このままだと『大相撲ダイジェスト』のように打ち切りに追い込まれるか、あるいは関西ローカル番組に降格する危険性も高い。
この年、ABCテレビから全日同時ネット(平日は23:15開始)されるのは熊本朝日放送のみ。残りの地域は土日のみ同時ネットで、平日はネオバラエティの後の時差ネットであった(原則、平日は0:15開始。但し九州朝日放送ほか『ドォーモ』を放送する局は金曜を除いて0:10開始となる)。また、金曜日に限り静岡朝日テレビと愛媛朝日テレビもABCテレビから同時ネットを実施。
また、メ~テレは後半のローカル枠を拡大し、30分番組として放送した(最終日を除く)。
[編集] 番組の流れ
この番組は全国ネット・任意ネットの枠が決まっており、基本的には以下の4パートに分かれている。
- 第1パート:全国ネット枠(約10分)
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- ANN系列マストバイ24局で必ず放送されるのはこのパートのみ。
- 冒頭、全国代表校マップ(通称:への道マップ)という日本地図上に、決定した代表校やその日の決勝戦の組み合わせ等が表示される。
- その後、その日の決勝戦(時間に余裕があればその日の注目カード)の試合情報を、各地方局から提供された映像をもとに紹介する。
- 第2パート:任意ネット枠1(約5分)
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- 系列局でのここから先のネットについては各局の判断に委ねられ、局によっては放送エリア内の地方大会の情報に差し替える(但し、地元県大会で試合のない日や、既に地元代表校が決定している場合は、そのままネット続行)。
- 第1パートで紹介し切れなかったその日の注目カードを取り上げる。特に決勝戦を第1パートで紹介しきれない場合は、テレビ朝日版(第2・第3パートをローカル版に差し替え。詳細後述)との内容重複を避けるため、関東地区の試合をこのパートに廻すことが多い。
- 企画もののコーナーもここに入ることが多い。かつてはこのパートのCM前に球児たちのハッスルプレーを集めたコーナーがあったが、2004年度を最後に実施されていない。
- 第3パート:任意ネット枠2(約5分)
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- 第2パート同様、系列局でのネットについては各局の判断に委ねられる。このパートのみをローカル枠に差し替える局もあれば、第2パートだけ差し替えて第3パートからネット復帰する局もある。
- このパートでは、文字情報で各地の地方大会の結果をおさらいしていた(2005年度まで)。
- 放送期間が短縮された2006年度はこれに代わり、放送期間以前に甲子園行きを決めた代表校を取り上げる「ウェルカム甲子園」のコーナーあるいは企画もののコーナーを放送。
- 各年の最後の放送では、このパートの最後で全代表校一覧のテロップがロール形式により表示される。
- ローカル枠として番組が続くABCテレビ・メ~テレを除いた22局は、ここで番組終了となる(メ~テレは2006年度から)。また、放送期間延長の場合、延長分の放送は全国的にここで番組終了となる。
- 第4パート:関西地区ローカル枠(約5分)
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- このパートは制作局であるABCテレビ以外では放送されない(2006年度はメ~テレも当該時間も放送を継続しているが、東海地区ローカルの内容を放送。メ~テレ版の第4パートは10分間となる)。
- 2005年度までは「近畿・への道」と題して、同局の放送エリア(近畿広域圏2府4県)の注目校をアシスタントの局アナが取材するコーナーと、文字情報による近畿広域圏の全試合結果一覧を放送していた。
- しかし2006年度は第3パートまでで取り上げ切れなかった全国各地の注目校・注目選手密着などの企画コーナー枠となっており、辛うじてエンディングの近畿広域圏結果一覧のみが、この時間が関西ローカル枠であることを示している。
[編集] 全国ネット部の出演者
1990年代前半までは、ABCに女性の局アナが少なかったこともあり、スポーツ担当の男性局アナと女性フリーアナウンサーのコンビで進行を担当していた。しかし1990年代後半から女性の局アナが増えてからは、男女の局アナのコンビによる進行となった。なお、現在は女性局アナが1人でメインを務める体制となっている。
アシスタント役についても、1990年代前半までは女性フリーアナウンサーや現役女子大生キャスターの担当枠だった(その中にはテレビ朝日に入社する前の丸川珠代もいた)が、1990年代後半以降は新人あるいはそれに準ずるキャリアの局アナが担当するようになっている。ちなみにアシスタント役は原則として関西ローカル部分のみの登場(甲子園前日までの放送だった時代は、全代表決定以降の全国ネット部分にも出演)だったが、2005年度のみは全期間に渡って全国ネット部分にも登場している。但し、2006年度はアシスタントを設けていない。
- 2003年度以前に出演していたキャスター
- 芦沢誠(ABCアナウンサー)
- 中邨雄二(ABCアナウンサー)
- 戸石伸泰(当時・ABCアナウンサー)
- 加瀬征弘(当時・ABCアナウンサー)
- 清水次郎(ABCアナウンサー)
- 小縣裕介(ABCアナウンサー)
- 高野直子(ABCアナウンサー)
- 赤江珠緒(ABCアナウンサー)
- 藤田雪愛(フリー)
- 高橋ちひろ(フリー)
- 阿部宏美(フリー)
- 丸川珠代(当時大学生、現・テレビ朝日アナウンサー)
- etc...
- 2004年度の出演者
- 武田和歌子(ABCアナウンサー、日~木曜メインキャスター)
- 羽谷直子(ABCアナウンサー、金~土曜メインキャスター兼武田担当日2週目のアシスタント)
- 喜多ゆかり(ABCアナウンサー・当時新人、アシスタント)
- 2005年度の出演者
- 羽谷直子(ABCアナウンサー、日~木曜メインキャスター)
- 喜多ゆかり(ABCアナウンサー、金~土曜メインキャスター)
- 高野純一(ABCアナウンサー・当時新人、アシスタント)
- 高橋大作(ABCアナウンサー・当時新人、アシスタント)
- 2006年の出演者
- 羽谷直子(ABCアナウンサー、メインキャスター)
- ※この年はアシスタントを設けていないため、ロケ取材も羽谷が全て兼務していた。
[編集] 関東版「への道」
前述の通り、系列局では番組後半を地元大会の情報に差し替える場合があるが、テレビ朝日でも例外ではなく、後半10分間(前述の第2・第3パート)を関東独自の内容で放送(但し関東8地域の試合が全くない日を除く)。
かつてはテレビ朝日のスポーツ担当男性アナが担当していたが、2000年代になってからは新人女性アナウンサーの登竜門ともいえる番組となっている。現在は全国パートのようなスタジオは設けず、女性キャスターによる現地からのリポートを交えて関東8地域の熱戦を伝える。この方式は本大会期間中に放送される『熱闘甲子園』の方式を取り入れたものといえる。
このローカルパートでは、テーマBGMとして、本来同系列の高校野球関連番組に使われないテレビ朝日スポーツテーマが使われることもあり、全国ネットパートとは別の番組のような雰囲気が漂っている。在京キー局発の番組が関西地区で実質別物に作り変えられることがあるが、本番組に限ってはこの関係が逆転しているといえよう。
- 歴代担当アナ(特筆しない場合はテレビ朝日アナウンサー、◆印:当時の新人アナ)
※1998年度以前は詳細不明(この間は大熊英司、山口豊、真鍋由、中山貴雄、川島淳らが担当)。
- 1999年度 - 古澤琢、勝田和宏
- 2000年度 - 進藤潤耶
- 2001年度 - 中丸徹
- 2002年度 - 櫻井健介
- 2003年度 - ◆大木優紀
- 2004年度 - ◆上宮菜々子
- 2005年度 - ◆久保田直子
- 2006年度 - ◆島本真衣
[編集] 歴代テーマ曲
- 1991年以前 - 「君よ八月に熱くなれ」のシンセサイザーバージョン
- 1992~1993年 - 「Dreamy Dreamer」(LU-NA)
- 1994年 - 「青い花」(BLANKEY JET CITY)
- 1995年 - 「すべての答えは自分自身の中にある」(サイコベイビーズ)
- 1996年 - 「Tasty」(rosy)
- 1997年 - 「play?」(the Pete Best)
- 1998年 - 「気にすんな」(いわぶちかつひこ)
- 1999年 - 「勇気」(西浦達雄)
- 2000年 - 「オレたちの純情」(西浦達雄) ※同年の大会中継エンディング曲としても使用
- 2001年 - 「ひだまり」(石嶺聡子)
- 2002年 - 「願いの詩」(コブクロ)
- 2003年 - 「SUMMER BOY」(藤井フミヤ) ※これ以降「ABC高校野球テーマ」として大会中継及び『熱闘甲子園』と共用
- 2004年 - 「glory colors ~風のトビラ~」(ZONE)
- 2005年 - 「奇跡」(スガシカオ)
- 2006年 - 「スフィアの羽根」(スキマスイッチ)
以下、参考までにテレビ朝日ローカル差し替えパートのテーマ曲も記載する。(テレビ朝日系列のスポーツテーマソングを使用)
- 2002年以前 - 不詳
- 2003年 - 「野性のENERGY」(B'z)
- 2004年 - 「ARIGATO」(B'z)
- 2005年 - 「BANG! BANG! バカンス!」(SMAP)
- 2006年 - 「buzzer beater」(SMAP)
[編集] ネット局
朝日放送 | テレビ朝日 | 北海道テレビ放送 | 青森朝日放送 | 岩手朝日テレビ |
秋田朝日放送 | 東日本放送 | 山形テレビ | 福島放送 | 新潟テレビ21 |
長野朝日放送 | 静岡朝日テレビ | 北陸朝日放送 | 名古屋テレビ | 広島ホームテレビ |
山口朝日放送 | 瀬戸内海放送 | 愛媛朝日テレビ | 九州朝日放送 | 長崎文化放送 |
大分朝日放送 | 熊本朝日放送 | 鹿児島放送 | 琉球朝日放送 |
※放送はされないが取材協力する局(これらの局については主として各予選の中継映像などの素材をABCに提供する)
テレビ山梨、富山テレビ、福井放送、びわ湖放送、KBS京都、奈良テレビ、サンテレビ、テレビ和歌山、日本海テレビ、山陰放送、四国放送、テレビ高知、宮崎放送
- 近畿地区の独立UHF局放送エリアについてはABCが直接取材する場合もある。関東地区はテレビ朝日が、中京地区は名古屋テレビがそれぞれ一括して担当。ANN系列局の無い佐賀県は九州朝日放送が取材を担当する。
- また、ANN系列フルネット局のない場合は基本的に地区第1局が担当していたが、数年前にNNN系列局に関してはクロス局の福井放送、県内に1局しかない徳島県の四国放送を除き、地区第2局へ移行している(山梨放送→テレビ山梨、北日本放送→富山テレビ、高知放送→テレビ高知)。これは、決勝戦が雨天順延された場合に「24時間テレビ『愛は地球を救う』」の放送と重複してしまう為、それを避けるための措置と思われる。なお、島根県は山陰放送が、鳥取県は日本海テレビがそれぞれ分担している。
- 2004年度まではネット局と制作協力局全てがオープニングでテロップあるいはロールで表示されていたが、2005年度以降はネット局のみのロール表示となっている。
- CS衛星放送では、朝日ニュースター(当番組を朝日新聞が協力している絡みで)で地上波と数時間遅れて、次の日の朝6:30と8:00の2回オンエアされる。
[編集] 備考
- 2006年8月に発生した山口女子高専生殺害事件の被害者が高校時代この番組(但し山口朝日放送版のローカルパート)にジングルで同級生と共に出演し、「目指せ、西京スタジアム!!」とコールした当時の映像が『報道STATION』などANNのあらゆるニュース・情報番組で資料映像として放送された(同級生にはぼかし処理が施されていた)。
[編集] 関連リンク
[編集] 外部参照リンク
- 速報!甲子園への道(高校野球期間中のみ)
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