行先票
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
行先票(いきさきひょう)は、鉄道の列車やバスに掲出される行き先を示した板。
[編集] 概要
列車やバスなど、交通機関に乗車する場合には必ず、自分がどこに向かうのかを確認し、乗車する列車などを確認しなければならないが、そのときに列車であれば車体側面と先頭部に大抵ぶら下がっていたり、表示されていたりする行先票を見て行き先を確認する。
列車の場合、専門用語で「サボ」や「側サボ(そくさぼ)」と呼ばれる。これは、「サイドボード」を略したものである。
サイドボードは、琺瑯引きの鉄板が多かったが、後にプラスチック製のものが主流となった。終着地での折り返しの際などに、全ての車両のサボを次の行き先のものに交換する作業をしていたが、以下の問題があり、行先表示をビニール幕やLED(発光ダイオード)などで表示する方法に変わりつつある。
- 夜間は見えにくい
- サボの交換に時間や人手がかかる
- ダイヤ改正などで列車の行先パターンが変わった場合に修正に多大な手間と時間と資源を使う
- 最終的には、車両運用以上にサボの運用が複雑になる
西日本旅客鉄道(JR西日本)岡山支社では1998年(平成10年)にサボを廃止したが、廃止直前のサボはなるべく交換回数を減らすため、いくつもの駅名と矢印が書かれた複雑怪奇なものが使用されていた。初めて見る者には全く理解できず、もはや行先案内の意味をなしていなかった。また、岡山支社においては赤穂線を経由する場合は駅名や矢印を赤色にする独自の表記が用いられていた。
廃止後も115系電車やキハ40・47形気動車に側面行先表示器を装備しなかった上、当時岡山駅の在来線ホームには宇野・瀬戸大橋線列車が発着する11~13番のりばを除いて発車案内表示器が設置されていなかったため、それによる案内レベルの低下が発生し利用者が戸惑う場面が見られた。地元マスコミから「毎日がミステリー列車」と揶揄されたことから、同支社は急遽115系にLED式行先表示器を装備する事態となった。
また、東日本旅客鉄道(JR東日本)仙台支社でも、サボの使用を段階的に廃止している関係で、同じ現象が起こっている。
[編集] 関連項目
カテゴリ: 鉄道関連のスタブ項目 | 鉄道運転業務