藤ノ木古墳
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藤ノ木古墳(ふじのきこふん)は奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺字藤ノ木にある古墳時代後期、6世紀後半の円墳である。この時期は、畿内で前方後円墳の造営が終わりに近づいていた。
古墳は法隆寺西院伽藍の西方約350メートルのところに位置する。
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[編集] 概観
円墳で、直径約50メートル、高さ約9メートルで、畿内のこの時期の円墳としては比較的大型のものである。現状は、周りの水田や建物から少しずつ削り取られていて、高さ約7.6m、最大径約40mである。
[編集] 石室
横穴式石室で、家形石棺に成人男性二人が合葬されていた。
[編集] 被葬者
副葬品が金銅製の馬具や装身具類、刀剣類などからこの当時の支配階級の一人であったことは確かだが、円分という墳形から大王ではなく、その一族の人物であったと推測できる。
[編集] 発掘調査
1985年から2003年にかけて5回にわたり奈良県立橿原考古学研究所により発掘調査が行われた。
[編集] 第1次調査(1985年7月22日-12月31日)
1985年からの第1次発掘調査では全長13.95メートルの横穴式石室と刳抜(くりぬき)式の家形石棺が検出された。石棺と奥壁の間からは金銅鞍金具などの馬具類や武器武具類、土師器、須恵器などが出土している(「金銅」は銅に金メッキをほどこしたもの)。馬具は三組見つかっており、金銅製のものが古代東アジア世界で見つかっている馬具の中でも最も豪華な物の一つであるといわれている。
[編集] 第2次調査(1988年5月9日-7月8日)
墳丘の形態、規模の確認。ファイバースコープによる石棺の調査
[編集] 第3次調査(1988年9月30日-12月28日)
続いて1988年には未盗掘の家形石棺内部の調査が実施され、2体の人骨のほか、大刀・剣6振、金銅製装身具、鏡類、玉類などの副葬品が検出された。出土品のなかでも、金銅鞍金具は動物意匠などの精緻な透かし彫りをほどこした高度な金工技法を示すもので、大陸からの舶載品と推定されている。歩揺付金銅製金具からは二山広帯冠が復元されている。
古墳は国の史跡に指定されている。また、出土品一括は日本の古墳文化研究上価値の高いものとして、1988年に重要文化財、2004年に国宝に指定されている。
男性二人の合葬墓である可能性が高く、『日本書紀』に見られる「アヅナヒ」伝承との関聯性からも興味深い。
[編集] 外部リンク
[編集] 関連項目
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