菩薩戒
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菩薩戒(ぼさつかい)とは、大乗仏教における菩薩僧に与えられる戒律である。
総称として「三聚浄戒」と名づけられるが、二種類の説がある。
- 梵網系統の説では、授戒の作法は鳩摩羅什訳の『梵網経』「律蔵品」によっており、その具体的な内容は、『梵網経』所説の「十重禁八十軽戒」である。これは、「三聚浄戒」中の「摂律儀戒」である。また、『梵網経』の「菩薩心地戒品」第十は上下2巻として訳出されたが、その下巻の偈頌以後の所説を別録とした。天台智顗は、『菩薩戒経』と名づけ、弟子の灌頂が義疏2巻を撰した。
- 瑜伽系統の説では、『善戒経』に依る。この経典は、釈迦の成道時の所説とされている。兜率天にある弥勒菩薩が直接に聞いて説いたのが、『瑜伽師地論』の「菩薩地品」であるとされる。こちらの説によれば、「摂律儀戒」は声聞の所説と同じで、比丘の二百五十戒と同じであるという。但し、菩薩の「利他」のために、あらゆる善法を摂め、一切の衆生を済度するさまを、菩薩戒としている。
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